こんにちは。中学受験100%ウカルログ管理人ことハンドレッドの友ですよ。タイトル通り、娘は壊滅的に理科がニガテでしてね。
中学受験の時もそうでしたが、入学後も変わりません。中受でさんざ暗記した植物でさえ、平均点が取れません。この先ずっとそうなのでしょう。
で、幼児期とか低学年とか、中学受験時とかですね。どういう育て方、どういう勉強法をしたら「こんなにも理科がニガテな子になるのだろう」と思ってきたわけですよ。
どうとでもおっしゃい。ともあれ、このテーマはこれから中学受験を迎える親御さんたち、目下、中学受験中の親御さんたちも知りたいことではないか、と考えたわけです。理科に関し、うちの娘と同じ轍を踏むことのないように。
というわけで、幼少期から中学受験までを振り返り、「理科苦手人間」を作るに至ったダメ教育をここで再発見したいと思います。
長くなりますので前後編で。今回は「幼児~小学校低学年編」となります。
親の「虫嫌い」は致命的?
まず、大前提として。
母である私は学生時代、理科が苦手でした。
そうして、生物としての昆虫。幼児の理科といえば切っても切れない「昆虫」ですが、私にはずっと恐怖の対象でした。「子どもが蝶とかセミとかトンボとか、捕まえてきたらどうしよう!?」
昆虫は多分、ゴキより苦手でしょう。正式名称を書くのもイヤなゴキですが、殺生に罪は感じません。かたやセミやトンボは殺せません。部屋にいたら「私が出ていく」しかありません。お化けの方がマシってほどに、どうしてもどうしてもダメでした。
そうそう。カエルとかも普通に苦手でしたがね。
こういう親の元で育った以上、中受時代に理科頻出の「昆虫の足は6本」とか「昆虫は胸から足が6本出ている」問題を何度間違えても致し方ありません。実際、子どもは何度も間違えました。
ちなみに、夫は虫嫌いではないものの、理科どころか勉強自体が苦手な人間です。
これらのことより、遺伝的にも環境的にも「理系は不利」と危機感は覚えていたわけです。子どもが小さな時からね。
自分は苦手なくせに「子どもには好きになって欲しい」と思うのは、ダメそうな教育ママにありがちです。私は、なんとかして「理系っぽい生活を取り入れなくてはならない」と思っていたわけです。
「するぞ!」というか、既に失敗しているので、その忠告は意味をなしませんよ。
天体望遠鏡を覗いてもクレーターがわかりません
幼児から低学年にかけ、試行錯誤はしたわけです。
フレーベル館・キンダーブックの「しぜん」シリーズを購入したりね。ここで紹介しますと価値が下がるようで恐縮ですが、大変よく出来た科学絵本です。
これらは親も好きでしたし、子どももよく読んでいました。決して「……ねばならない」から購入したものではございません。この頃はまだ、子どもの理科嫌いは発覚しておりませんでした。
あとは「鳥」や「天体」の図鑑を買ったりね。虫は嫌いでも鳥は好きなのです。5才の誕生日プレゼントはインコのピーちゃんを飼いました。娘本人の希望でね。残念ながら、病気ですぐにしんじゃったのですがね。
で、続く5才のクリスマスプレゼントは天体図鑑と天体望遠鏡のセットです。記憶にある限り、本人の希望ではありません。
しゃくに障る物言いですが、反論は出来ませんね。天体望遠鏡は数千円の安いものだったせいか、単に私の設定が悪かったのか、月を見てもよくわかりませんでした。
よくわからない、というのは、レンズの奥に見えたのは「これで…、いいのかね」くらいのしょぼんとした月だったのです。「クレーターくっきり」とはほど遠いものでした。
これだったら、「図鑑で十分」そう思いました。親の記憶の中ですらそうなのですから5才児にはまったく何も残っていないでしょう。
問題はそこです。今回のテーマのヒントでもあります。
クリスマスの時期ですから、外に行くのが寒いとかね、今日は天気が悪いとかね。詳しい知人が遊びに来たら一緒にやろうとかね。いろいろ親が言い訳して再度試すこともなく、やがて望遠鏡は封印されました。
天体に興味を持たせたい親がやるべき所業ではないですね。自分の興味のなさを棚にあげ子どもをその気にさせたいなら「親はやりっぱなし」「子に与えっぱなし」では全くダメなのです。
実験はリズムこそが命!苦手な親はリハーサルを!
さて、未就学児の頃、「キッチンで理科実験!」みたいな本を読み、「塩水に卵を浮かせる実験」をしたことがあります。
水中に沈んだ卵も塩を入れると浮きあがります。こうした現象を見せ、「すごい、すごい!」「理科って面白い!」という原体験を与えるつもりでした。
「死海という湖では浮き輪がなくても人の身体がプカプカ浮くんだよ。この塩水と同じように、塩の濃度が濃いんだよ」みたいな話をするつもりでね。
が。失敗しました。
塩を入れても、入れても、卵が浮かんでこないのです。
幼児にわかりやすくするために、大きめのボールで実験したのが仇となり、予想以上に大量の塩が必要となりました。「あれ、おかしいな」「本にあるのと違うじゃんか」とか、大人がモタモタ、ウダウダ。
最終的に卵は浮きましたが、ショーとしては大変間の抜けたものになりましたでしょう。
必死になって塩投入し続ける母と、集中力を欠いて足をぶらぶらさせ、手遊び始める幼児の姿。これではダメです。ダメなのです。
まったくもって、おっしゃる通りのハンドレッド。
ニガテをはっきりと自覚している親が、「さぁ、(でんじろうのように)実験をしよう!子どもを理科のトリコにしよう!」と思っても、ほぼ失敗に終わります。
子どもに見せる実験はリズムこそが命です。
本気で理科好きにさせたいなら、徹底してショーとしての完成度を高めるべきなのです。
先の「あるんだか、ないんだかクレーター問題」も親の不精によるものでしたからね。まず、子どもに見せる前に親が練習すべきだったのです。当時は思いつきもしませんでしたがね。
「理科嫌い」な母は「理科グッズを買う」ことで満足してしまう
さて、小学校に上がり。
凝りもせずに、理科的な本を時々購入したりしていました。かこさとしの名作「海」とか「地球」とかもね。
素晴らしい絵本ですよ。かこ先生にとっては、ここで紹介されるのは不本意かもしれませんが。
同シリーズは大人も楽しめます。その言葉通りで、娘はほとんど読みませんでした。思えば、小学校に上がる頃からでしょうか。図鑑や科学系の本よりも物語の方を好むようになっていったのです。
一方で、子供向けの理科雑誌はまだ食いつきはよく。当時、ドラえもんの実験キットがついた雑誌があり、書店に行くと欲しがってね。購入して親子で一緒にやったりね。
覚えていません。
確か、プロペラで動くなんたらとか、何かが光る玩具とか。
……スマホ前のあなたはもうわかっていますね。
私の何が問題なのかをね。
「理科嫌い」な母は「理科グッズを買う」、それ自体に満足感を覚えがちです。買ってはみたものの、でんじろう先生のようなミラクルワールドを再現できないとなると、途中でどうでもよくなってしまう。
まさに「理科嫌い」「理科苦手」人間の習性を、子にそのまま伝えただけでした。親である私に残っているのは「いろいろやった」という記憶だけです。
とはいえ、時に前向きな成果もありました。未就学児から小学校入学前くらいにかけ、子どもが水栽培を好みましてね。
これは理科苦手人間でも、まず失敗しません。気を良くした娘は今度は「大根」とか「ゴーヤ」とか大物野菜を育てたがりました。
私がやるべきことは週末農業でも何でも、子どもと一緒に畑仕事にトライすることだったのかもしれません。けれど、前述した通り、恐怖症レベルの虫嫌いなわけでね。
そこで小さな鉢植えを買い、育てやすい野菜を調べ、種を植えるに留めた記憶があります。
よく覚えていないのですが、ショボッとした草くらいは育ったでしょうね。途中から夫が世話をしておりました。
……わかりますよ。
今、スマホの前のあなたが私をどう思ったのかくらいはね。
アウトドアや田植え経験は理科に役に立つのか
十分だったかどうかはともかく、アウトドア経験はそれなりにあったと思います。
もちろん、私の趣味ではございません。有難いことに、アウトドア好きなママ友・パパ友が周囲に多かったわけです。ザリガニ取りに連れて行ってくれるパパがいたりね。小学4年生頃までは年に2回は子連れキャンプに行っていました。
ただ、これらの活動によって、子どもがどれほど自然と対話できたのか今もって謎のままです。
親がテントを張り、親が飯ごう炊さんの準備をし、気が付けば「子どもらはテントの中でカードゲームに興じている」なんてこともあったような。親の方も「まったく!」と言いながら、レジャーの場ですから本気で怒るわけでもなく。
で、もう少し「強制的に自然に親しむ」方法はないかと考えたわけです。
「自然」には相容れない「強制的」というフレーズを使うことで、ますます「親としての力のなさ」がバレそうですが、今回はバレるのが目的なので致し方ありません。
小2から小4にかけ、NPOが主催する「短期山村留学」や「サマーキャンプ」に何度か参加させました。安いツアーが探せたのでね。そういうことは得意なのでね。
前者の山村留学は月1くらいの頻度で同じ農村に1泊します。春から秋にかけ、田植えをして最終的にお米を収穫するというプログラム。
後者のサマーキャンプは子どもたちでテントを張り、飯ごう炊さんをし、20キロのハイキングをしたり、星を見たり、川遊びをしたりね。五右衛門ぶろに入ったりね。虫やカエルと触れ合ったりね。
そうでもありません。やることすべてに時間が決まっているのが苦痛だったようです。ゴーヤを育てたがった娘ですが、何時間も田植えをさせられるのはイヤだったようです。20キロ歩かされることもね。
もっともイヤだったのはお菓子禁止だそうです。期間中のおやつは「取れたてのトウモロコシ」だったりします。美味しかったらしいですよ。だけど、チョコとかポテトチップスも食べたいわけです。
よくわかりません。その後の理科を考えますと正直に「影響は特になし」とした方がよいのでしょう。
「自然に親しむ」ことは大切ですが、アウトドア経験が理科に直結するかといえば、少し違うような気もします。そこは本人なり、指導者が意識的に教育と結びつけないと、単に「自然に親しんだ。終了。」で終わるような気もします。
ちなみに、田植えの順番などは社会のテストによく出ますね。実体験したはずが、子どもはこれが苦手でした。
経験が必ずしもテスト用紙に結びつくわけでない、という実例ですね。
もちろん、いい影響もありました。
小学校で飯ごう炊さん等の校外活動があった時に活躍できたりね。
「知らない子ばかりの中に混じっていく」術みたいなものもね。
娘は一度転校していますが、新しい学校にすんなりと馴染めたのも「知らない子たちと農村キャンプをしまくったせい」ではないかと密かに考えております。低学年の頃、人見知りを心配していた時期もありましたから。
話が理科からそれてしまいましたが、改めてまとめます。以下のような、私のような親御さんは要注意ですよ!!
① 親自身が「昆虫恐怖症」
② 親自身が「理科グッズを買った」だけで満足してしまう
③ 親自身が「理科ニガテ」なのに実験のリハーサルをしない
④ 子に実験を見せるも、モタついて「理科の楽しさゼロ」体験へ
⑤ やったらやりっぱなし。リマインドも実験の再トライもなし
※理科苦手な子はどのようにできあがったか?中学受験期編へ続く。