中学受験100%ウカルログ管理人です。今回は子どもの受験時に使って良かった国語問題集と参考書を紹介したいと思います。
といっても国語は算数ほど時間をかけられない!
うちでは「国語の読解問題を1題まるまる解く」というやり方は殆どせず「一日1問か2問、親と一緒に口頭で解く」勉強法を好んでやりました。
ある時期は集中して選択肢だけやるとか、言い換え問題やらせるとかね。5分くらいで終わりますが、控えめに言ってこの勉強法、どんな子でも国語の成績上がります。これ、ホントに。これ、絶対。

以下に挙げる市販の参考書、問題集も「1、2問をチョイスして口頭で解き易かったもの」「解説が詳しいもの」が中心です。普通に使っても良書であることには変わりありませんが。
なお、前半は国語参考書、要は読解テクニックの本で、後半は主に問題集を紹介。
親の指南書にも最適「渾身の参考書3選+α」
受験国語の永久保存版!『文章読解の鉄則』
おっしゃる通りのハンドレッド。
体裁としては問題集というより参考書、受験本マニアにはお馴染みのエール出版から。
「読解テクニック&入試問題集&語句」と内容てんこ盛りの一冊ですね。入試問題の解説は赤本の10倍詳しく親塾でも楽々いけましょう。
さらに具体的に説明しますと、前半部は、物語文から説明文・論説文まで空欄補充から記号選択肢、記述問題にわたるまで「解き方の鉄則」が辞書のごとく並びます。
国語の模試や過去問の直しの際に、隣に置いておきたい本です。


後半部は中受の実践入試問題集。渋幕、開成、灘、女子学院、フェリスなど最難関の大問が並びますが、前半の「解き方の鉄則」と紐づけられ、腑に落としやすいです。
この選択肢は「ひっかけのパターン」、こちらは「言い過ぎのパターン」などの解説もあり、親ナビで小学生に説明がしやすいでしょう。
これ一冊あれば中学受験のみならず、あと5、6年先まで「読解はもう十分」というレベル。
受験本にはノウハウを出し惜しみ「ちょこっとずつ」「ちょこっとずつ」複数冊に分散し、利ザヤを稼ぐタイプの書籍も見かけますが、これはその手の本と対極をなします。
おっしゃる通りのハンドレッド。
一方で、その長所ゆえに購入をためらう保護者も多いのではないかとも。読み方・解き方の鉄則が100以上もあるわけです。
パッと開くと字ばっかり。しかし、ここでひるまず続けられたら「スゴ腕国語教師」のノウハウをモノにするのも夢でなし。
「記述にセリフは使わない」など子どもがやりがちなミスから、「設問部分それ自体にヒントが隠されているケース」や「本文を言い換えた記号選択肢は正解の確率が高い」など今すぐ点数に結び付けられそうなテクニックも紹介されています。
それがベストだと思います。
作者いわく「小学6年生」を主なターゲットにしているそうですが、これを一人で読みこなせる小6生とはいったい誰なのか?


それが出来る子なら偏差値70くらいの潜在能力はありそうです。語り自体はわかりやすいのですが、小学生向けの参考書としては活字が多すぎです。
本書の欠点をもう一つ。問題のすぐその後に解説と答えがあることです。私のように口頭で問題を解かせる向きには逆に有難かったわけですが、それ以外の用途では使いにくいかもしれません。
なお、本書には上位校向けの「重要語句」も30ページ強に渡り、掲載されています。塾のテキストで扱うような基本の語句は敢えて抜き、「閑話休題」「是正」「流布」など難しい言葉が並びますね。
とあれど、本書は未だうちの本棚に鎮座している数少ない中学受験本となりましょう。
小学生の答案つき『田代式 国語の「神技」』
こちらも問題集ではなく、国語参考書といったてい。読解テクニックが非常に詳しいです。
田代式 中学受験 国語の「神技」
プロにも評価の高い本です。中学受験の国語本として10年近く読み継がれていますね。
著者の人柄というのか「読む人(の子ども)の成績を上げたい」とトコトンまじめに執筆した様が行間からも伺えます。
本書もまた、難関校の入試問題を例に取り、読解の考え方を伝授していく構成で、その技ともどもみっちり詰まっていますね。
「情景文を絵に描きながら読むとよい」とか「1分間で400字を読むトレーニング」など方法論も具体的。
ただし、記号選択問題など例題のいくつかは、かなりの難易度です。
入試問題は難関校からの出題となりますが、特に正答率の低い問題をセレクトしている印象。わたくしも何問か間違え、中学受験の国語の壁に愕然とした覚えがありましょう。


しかし、現実には大人も手こずる国語過去問はそれほど多くはありません。少なくとも偏差値60程度ならばね。
本書は国語が苦手な子にやらせるには注意が必要です。前もって、親が解いて「できそうなもの」をやらせるとかね。適度なヒントを与えるとかね。
完全に親向けでしょう。
一方、記述の章は適度な難易度です。小学生が実際に書いた答案つきで、それに対する筆者のコメントにも力が入っています。記述練習をしたい向きには断然おススメですね。
『秘伝 中学入試国語読解法』
こちらは国語参考書というより、中学受験体験記としての方が有名かもしれませんね。
個人的にも何度も読み返しました。著者は夏目漱石の研究者として知られる石原千秋氏。
前半部は「桐朋を受けた長男の受験記録」で、後半は「中学受験国語入試問題とその読解テクニック集」。
両パートとも読み応えがっつり。もう、がっつり。
失礼ながら、5年後半まではうちもそのクチでした。
後半の問題解説は、文学の研究者らしい論理展開で、サクッと流し読みできる類の書ではございません。
一方、先の2冊同様、解説がとにかく詳しい。
同じように、語り口調なのもわかりやすい。
同じように、単行本サイズで問題集としては解きにくいのですが、拡大コピーして子に解かせる価値はあります。
なお、うちではここまでの3冊を主に口頭用、日々1、2問解くために使用しておりました。


国語問題集は解説が命です。
「何故、この答えになるのか」「何故、この答えになるのか」「何故、この答えになるのか」。特に苦手な子が国語力を伸ばすには論理を明確にしていくこと、それに尽きます。
しかし、親がやるとこれが難しいのですね。見てすぐにわかるような問題でも、論理を説明するのは難しいです。
私など、答えがわかっても「なんとなく。だって、ほら、そういう感じでしょうが!」くらいのことしか言えません。
中には感覚で解ける子もいます。女子には多いかもしれません。
逆に感覚で解けない子。そういうタイプの子は理詰めで説明し、納得さえできれば飛躍的に理解が進む場合がありますね。
そのためのぶ厚い解答解説集です。赤本にも解説はありますが、たまに答えが間違っていると噂される上、わかり易さで言えば「もう一押し!」と言ったところでしょう。
話がそれるので、スルーしますよ。
『秘伝 中学入試国語読解法』に話を戻しますと、ある記号選択問題では「正解のエに似せてまずウを作り、次に正解のエを別のレベルで述べたアを作り、最後にまるで見当違いのイを作ったのに違いない」など出題者の意図まで解説してくれます。
難度の説明もあり、「これは解けないとダメ」みたいな注釈がある一方、名門校の過去問をして「この問題は愚問」「苦し紛れに作った問題」など、文学研究者だからこそ出来るぶっちゃけ分析も興味深いですよ。


見た目は「文字ばっか」、フォントも小さいし、小見出しも少ないしで、『文章読解の鉄則』以上に読む側の意欲を求められましょう。
が、読み進めてみれば、なんのことはない、前半の体験記同様、非常にわかりやすい筆致です。
同じ著者にはやや問題の難度を落とした『中学入試国語のルール』(講談社現代新書)という本もあります。国語が苦手な子はこちらの方から入ると良いかもしれません。
成績アップにひと役買った普段使いの問題集と国語本
さて、前述の単行本三冊はその渾身ぶりが気に入っていたのですが、解答欄はないですし、通常学習には使いにくいという欠点がありました。
『塾で教える国語』(小6)&『受験国語の読解テクニック』(小5~)
一つ目のお気に入りは『塾で教える国語』シリーズでした。半分が問題集の参考書と、半分が解説の問題集と2冊ありましてね。わかりづらい文章ですが、要はどちらを買っても「問題はたんまりある」ということです。入試問題からの抜粋でね。
説明文と物語文に分かれているのも使いやすかったのです。
塾で教える国語〈論理的文章の読解〉 (難関中学校入試の正統派解説書)
が、今見ると絶版なんですかね? 中古でも高すぎます。ひどすぎます。
『受験国語の読解テクニック』
流通しているもので、気に入っていたのは以下のシリーズ。こちらも参考書と問題集の2種ありますね。
解答欄も大きく、解説も詳しい。口頭で問題を出していた自分にはとにかく使いやすく何度も世話になった一冊です。
また、この問題集は「抜き出し問題の手順」「記号選択問題の手順」などの切り口に分けられているのも好みでした。ばっかり勉強法でも書きましたが、国語の勘を養うには似た種類の問題を集中して解くのが近道だと考えています。
入試対策の1冊目に『これだけ!国語』(小5~)
そうでしたね…。さっきのは2冊目くらいにしましょうか。「これだけ!国語」は入試向けですが、易しめです。同シリーズの「算数」や「理科」も好きでした。
本書には読解問題を解く「基本中の基本」がコンパクトにまとまっています。まとめの後に簡単な問題を解き、実践問題に移っていく構成。
書かれていることの多くは塾の授業でも習うことだと思うのですが、子どもというもの、忘れます。ルールのリマインドにも重宝します。
で、こちらは予習シリーズと同じサイズ感。解答欄も当然大きいです。国語にしろ、算数にしろ、解答欄が大きいのは成績を伸びやすくする要素の一つと思いますね。
これだけ!国語〈まとめ〉 (森上スキル研の中学受験シリーズ)
選択肢の攻略に!『高校入試を制する国語「選択問題」の解き方の基本』(小6)
集中的に「選択肢問題ばっかり」解き、成績を上げたわが子。その際に活用したのが本書でした。
普通だったら絶対に目に留まらなかったでしょう。中学受験の枠組みでは「選択問題」に特化した本はないのですね。
で、これはアタリでした。世の中にこれほど詳しい選択肢の解き方はないと思われます。高校入試も中学入試も「国語の解き方」は大きく変わりません。実践編として「豊島岡」や「渋渋」の中学受験の過去問も掲載されていますしね。
本書も問題集ではなく単行本なのですが「この選択肢ではどうして✖なのか?」を徹底的に解説しています。
『中学入試を制する国語の「読みテク」トレーニング』(小5~)
せっかくですから、早瀬律子シリーズをもう少し。といっても、先の2冊も次の1冊も知らずに買い、後から「同じ著者か!」と気づいたわけですがね。
こちらは読解問題ではなく、短文を読んで要約する訓練ですね。5年後半から、記述トレーニングのために一時期使用。
Amazonでのレビューも高く、「要約力が国語力を鍛える」コンセプトにも大いに賛同いたしました。実は時間が足りなくなり、最後まで終わらなかったのですが志望校の記述問題にはさほど困ることはありませんでした。都立中高一貫志望の生徒には特におすすめです。
文法と語句はこの問題集で十分『完成語句文法』(小5~)
一方、小5後半から小6で愛用していた語句・文法問題集は以下。
地味ですが、よくまとまっていると思います。
志望校で出ない敬語や漢字の部首などは飛ばしましたが、模試でがっつり知識事項を出す日能研らしい作り。
いい意味で、ですよ。結構なボリュームがありますので、語句文法問題集としてはこれ一冊あれば十分ではないでしょうか。
「まんがで学ぶ!国語がニガテな子のための読解力が身につく7つのコツ」(小4~)
でしたら、こんなのはいかがでしょうか?
説明文が苦手な娘のために購入しました。
大切なところだけちょこっとマンガ、という学習本ではなく(実践問題以外は)ほぼ全編マンガの本です。
全編マンガだけどあまり面白くない、という学習マンガではなく(子に言わせれば)なかなか面白かったようですよ。
内容は「具体例を抜け」「対比に気をつけろ」とか塾で習ったことばかりでしょうが、この手の話は何度も何度も言う必要がありますからね。
本文中の実践問題は易しめですから、国語苦手な子にもちょうどよい確認になるかと思います。
物語が苦手ならコレ!『「気持ち」を読む解く読解レッスン帖』(小5~)
国語苦手といえば、物語文がカラキシな子に。「登場人物の気持ちに特化した」参考書です。うちでは使った期間は長くはなかったのですが非常に優れた本です。
だからこそ使用期間が短いわけです。6年に入る頃、「物語文もイマイチ取れなくなってきたぞ」みたいな大困惑の時期がありましてね。稼ぎ頭でしたからね。
で、あわててAmazonで購入したものの、正直なところ、こちら「簡単すぎるのでは?」と思ったりね。「ほんとに気持ちのわからない男子向きなんじゃないか」とかね。
ですが、基本を振り返るのも、応用を考えるにも最適。「気持ち」を表す語彙を広めるにも役立ちますし、物語の状況設定から人物の「気持ち」を読み取る技が載っていたりね。非常に具体的で懐の深い本です。
「ほんとに気持ちのわからない男子」から「たまに気持ちのわからなくなる女子」まで助けてくれます。発展編もありますよ。
小4、小5前半向けの問題集は?
正直なところ、小4の時は国語の家庭学習は漢字中心でした。出口の「論理エンジン」などやりたかったものはあるものの、塾に入る前の小3の頃の方が国語はよほどやっていたような気がします。
七田式(しちだ) 作文名人セット






ただ、漢字と言えば「出口の漢字」はいい問題集でしたね。漢字だけではなく短文の並べ替え問題があったり、文章の構造も覚えられておススメです。
小4、小5の前半くらいまでは自宅で読解問題をがっつり解くよりも、漢字や語彙、短文作成などのトレーニングをした方がよいような気がし、たまに使ったのはこの辺り。先の「読みテクトレーニング」とも少々かぶりますが。
あとはお馴染みの満点ゲットシリーズで語句。うちは「ドラえもん」のものより、「ちびまる子ちゃん」の方が多かったような。よく読んでいました。というか、読ませていました。
いやいや、語句とか漢字ではなく。「うちは読解を解きたいんだ!」という場合は、週に一度、口頭で1、2問程度をやってみる程度でも違うと思います。みんなやってませんから。
先に紹介した『「気持ち」を読む解く読解レッスン帖』あたり、前半はいけるんじゃないでしょうか。『これだけ!国語』もよいでしょう。Amazonでみますとうちは小5の5月にこちらを注文していましたね。
ですね。
ただ、経験からいいますと、問題を解かなくとも問題文(本文)を読むだけでも十分、勉強になると思います。ありきたりですが、読書もね。小6になるとほぼムリですからね。



啓明舎 「小学国語 読解の基礎」
しかし、そうではなくて「本当に国語が苦手過ぎるんです」とか「もっと体系的に勉強したい」という向きには、こちらがよさそうですね。
おっしゃる通りのハンドレッド。
この問題集で「国語が伸びた!」という話を何人かから聞きました。けれど、うちではタイミングが合わなかったのです。わが子とやっていたような、問題をピックアップする勉強法で使うにはもったいない並びなのです。
それだけ体系的によくまとまっています。ご興味のある方は、前から順に取り組んでみてください。


ちなみに「3~5年」とありますが、5年生でも最初からやった方がよいとのこと。3年生にはむしろ難易度が高めらしいです。もし、よろしければ使用後の感想などもお聞かせ願えますと幸いです。
「お母さんが教える国語」
『お母さんが教える国語』
そうそう。早いうちから国語入試対策をスタートするなら『お母さんが教える国語』が役立ちます。タイトル通り、母向けの指南書。親向けの指南書は冒頭でも紹介しましたが、こちらは低学年から使えるものです。
小1から6年の受験対策実践まで「時期別に何をやればいいのか」ががっつり書かれています(低学年より中学受験期の話の方が多いですけどね)。
実践での「印付け」や「線引き」は個人的にはハードルが高かったですが、それに至るまでの国語学習の方法論は参考になりましたよ。
「SS1テラス」の読解講座もわかりやすいぞ



上記、いきなりメルアド登録画面でぎょっとしますが、怖いことは起こらなのでご安心ください(笑)。私も登録済み。メールの返信からトップページに入れます。


以上、ランダムに紹介させて頂きましたが、ウカルログ厳選・選りすぐりの問題集です。
お子さんの国語の成績が上がりますように。
失敗しない中学受験対策とは?
大手塾では到底実現できないそれぞれのお子様に合った受験学習を個別指導。









