こんにちは。中学受験100%ウカルログ管理人ことハンドレッドの友です。読書の秋です。しかし、この文章を読んでいるあなたの今が冬だろうと、春だろうと、内容に変わりはありません。
おっしゃる通りのハンドレッド。今回の命題は中学受験生のための読書、国語の成績に関わる読書です。また、読書以外にも国語が得意になるコツに触れましょう。小学五年生から下、入塾前のお子さんを持つあなたには多分に有益なテーマとなるかと思います。
なお、直前期にある6年生は国語の過去問を読みましょうね。
入塾後、国語が得意だったわが子は低学年で何をしていたのか?
子は国語が得意でした。合不合でとんでもない成績を取ったことはあったものの、中学受験3年間を通じ国語は上位にいました。しかし、事実よりも大事なのは理由でしょう。娘はいかにして国語が得意になったのか???

「親であるわたくしが国語クイーンであったから」などと答えようものなら、このブログに二度と訪れてはもらえないでしょう。しかし、遺伝で片付けられぬ程度には国語トレーニングはやっていたのですよ。
たとえば。
年長時:
●読み聞かせーー佐藤亮子氏のように1万冊とはいかないものの、本好きの親がやる程度には実行。
●谷川俊太郎監修「にほんご」など幼児向けの本の書写。または、数行を親が音読し、聞いた子どもが書き写す。(小1になる前の1年間、ほぼ毎日)
…んなわけはないでしょう。年長児の書写は一年生になった時、黒板の板書をスムーズにできるようになるためのもの。やらなくてもいずれ慣れたであろうこと。ただ、入学前に慣れていたがために作文含む国語は楽勝でしたでしょう。
で、入学後~小3ごろまでは。
●読書(シリーズものを次々に読ませる)
●教科書の書写(1年生はすぐ終わるので、その後は低学年向けの本を書写する)
●絵を見て作文を書かせる。
国語のできる子どもを育てる (講談社現代新書) などを参考に)
●しちだの「小学生プリント」&作文の達人になろう!「作文名人セット」七田式
低学年の頃は算数よりも国語の方に、時間をかけた気がしますね。一方で読解問題は一切解かせませんでした。その理由は単なる受け売りで「低学年のうちに読解を解かせてはいけない!!」的な本を読んだからです。
というわけで、作文と書写、あとは読書が中心となりました。漢検は一学年先行して取っておりましたが、いっそ二年、三年と先取りすれば入塾後にラクを出来たのになと思いますね。

ここで「さぁ?」と答えたらブログ離脱者が増えそうですよね。やったくせに何なのですが、幼児教育や低学年時の教育が中学受験にどれほど影響するものか、わたくしにはわからないのです。
読書でも、書写でも、作文でも、小1から読み書きし慣れてきた子なら小4で一歩先をいくことでしょう。しかし、小4の子が本気で読書や作文に取り組んだのなら、低学年のコツコツ努力など吹き飛んでしまうと思いませんか?
そう思いますね。だからこそ、上位だった4年生が6年で落ちたり、下位だった4年生が5年で上がったり、そんなドラマも生まれるのでしょう。
強制読書!?をイベント化。母チョイスを読ませる法
一役買ったかと聞かれれば、間違いなくYESでしょう。前述の通り、低学年の頃は読解問題をやらせませんでした。けれど、入塾して読解がすんなり解けたのはおそらく読書のおかげでしょう。
『たくさん本を読んできた結果』
一、活字に圧倒されることがない
二、本文を読むスピードが早くなる
三、登場人物の言葉に隠された別の意味を読み取りやすくなる
四、情景描写から主人公の気持ちを想像しやすくなる
五、起承転結など物語の型を知ることで、読解問題にも対処しやすくなる
残念ながら、そうではありません。嫌いとは言いませんが、少なくとも娘のチョイスはベタにもほどがありました。本屋に行って選ぶのは「グレッグのダメ日記」とかですね。グレッグの毒っ気はわたくしも好きですよ。でもね。あとは「ジャングルのサバイバル」とかね。
娘ときたら、小学生なら一度は手に取ったことのあるシリーズばかりを好みましょう。親としては小3とか小4で「やかまし村の子どもたち」とか「星の王子さま」とかに心酔してほしかったわけです。けれど、そうした美しいエピソードは誰もが持てるものではありません。
ご存知の通り、読書は強制するものではありませんね。どんな本にもそう書いてあるでしょう。しかし、国語の時間の読書感想文に『サバイバルシリーズ』を選ばれた日はトホホにもほどがあります。結論からいえば、わたくしは読書を強制いたしました。

もちろん、多少の策は練り、同じ強制でもイベント化いたしました。長期休みの前、娘と本屋に行き、本を10冊購入したのです。3冊は子が好きなもの、あとの7冊は母の選りすぐり。
選りすぐりといえど、ミヒャル・エンデの『モモ』とかリンドグレーンの『長くつ下のピッピ』とかわたくしやあなたが好きそうな7冊ばかりではダメですよ。
小学生が好きそうなもの、たとえば、「子どもたちだけで悪い奴らをやっつけるような話」であるとか「ダメダメ小学生が魔法の薬でなんでもできるようになる話」であるとか、そうした中から親の目にかなうものを選びましょう。

ちなみに、「痛快コメディもの」「現代もの」「日本の小学生が主人公の話」は本嫌いの子にも比較的とっつきやすい気がします。それらを軸とし、岩波少年文庫の類は一冊入れるか入れないかにしておきましょう。
購入場所はブックオフでもよいのですが、子が「本好きではない」「しかし、新しいものは好き」という感じのよくないタイプならば新刊をおすすめします。
購入の本をもとに「ここが読みどころ!」などと記した手製のブックガイドを作ったこともありますが当時はヒマだったから出来たこと。ハードルを高くするよりも、親子でさっさと本屋に行きましょう。

ともあれ、母の選りすぐりを一冊でも気に入ればしめたものです。
シリーズものなら手っ取り早いのですが、そうでないのなら同じ作家のもの、同じジャンルのものを再び探し、与えましょう。
物語の面白さに目覚めたならブックオフでもメルカリでも大丈夫。そうやって短期間に10冊くらい読むと読解スピードは飛躍的に向上します。
やがて、本に飽き、ゲームや漫画に戻る時期も来ましょうが、それでいいのです。いいのです。次の長期休みにまたトライしましょう。

漫画でも、アニメでも、映画でも、読解力は鍛えられるという話
本好きな子は親の趣味に関わらず、勝手に好きになるものでしょう。
けれど、今現在、子が本を読まない、それを懸念する親の方も実は読まない。これはなかなか根が深い。本を選べと言われても親の方もわからない。そのような親御さんのために「本嫌いな小学生でも読みたくなる本」をいずれアップいたしましょうか。

ただですね。
わたくしは国語の成績アップに読書は一役買った、と書きました。しかし、その意味するところは読書しなければ、国語の成績は上がらないということではないのです。
おっしゃる通りです。知人の子に読書をまったくしない子どもがいました。本棚には『りぼん』や『ちゃお』ばかり。端っこの方に漫画みたいな挿絵の、字の大きな児童書が1、2冊あるだけ。
しかし、その子の作文能力はわたくしが嫉妬するほど高かったのです。また、漫画しか読まない別の女子は、国語偏差値が他の三教科に比べ10以上高かったでしょう。
そもそも女子は心情変化に敏感であることも前提にありましょう。女子同士のコミュニケーションの中で言葉の表と裏を学んでいるとでもいうのか。
先に記しました『たくさん本を読んできた結果』の効能ですが、一、二はともかくとして。
三、登場人物の言葉に隠された別の意味を読み取りやすくなる
四、情景描写から主人公の気持ちを想像しやすくなる
五、起承転結など物語の型を知ることで、読解問題にも対処しやすくなる
三から五までは、漫画でも、アニメでも、映画からでも、読み取れるのではないかと思うわけです。物語の型も、主人公の気持ちも、本独特のものではありません。よって、その部分は読書以外でも十分鍛えられるのではないかと思うわけです。
一方、国語が取れない子は大量の活字に苦手意識があるものですが、それとて中学受験3年間、読解問題を解き続ければ慣れてくる気がしましょう。
とは、いかないとは思うのですがね。
お気づきでしょうがここでの読書は小説のことを言っています。となれば、読書が好きでも「中学受験の説明文はからきし」というタイプは多い。逆に物語を読み慣れているからこそ、厄介な部分もあるのです。
何故かといえば、説明文をムードで読んではダメだからです。物語ならば一定の型があり、読み慣れた子には先の展開も読めましょう。流し読みしたところでさほど影響はありません。
が、説明文を物語のように読んだとしたらどうなるでしょう。先の展開を憶測し、流し読みでもしようものなら大いに影響がありそうです。

図鑑や科学書や辞書が好きな子ども(あまりいそうにありませんが)は有利でしょうが、物語好きは時に説明文の読み込みに不利にすらなるような気がいたしましょう。しかし、説明文はテクニックで乗り越えられるものです。その話はまた今度いたしますよ。



