今の今、「成績ヤバいぞ!落ちたらどうする?もう家庭教師しかないのか?だけど高いぞ。重課金して合格できんの?その保証はあるのか?」とぐるぐるしている方もいることでしょう。
ズバリお答えしたいところ、私自身は未経験でね。何とも言えない感じだったのでリアル体験談を募集しました。
ちなみ、家庭教師センターのHPにあるような「小ぎれいにまとまったうっすーい体験談」はありません。
「手際が悪くて1回の授業に6時間!」
「学生講師に母の狂気は受け止められん」
「プロ講師は性格に難あり」
「家庭教師なしでは絶対に受かっていない」
「最後の最後は課金を惜しむなーーー!」
等々、含蓄に富むフレーズや教えばかりですよー。
サピックス併用で家庭教師!偏差値40台からの慶應合格
まずお話を伺ったのは、「我こそはカテキョソムリエ」と名乗りでてくれたモンジローの母さん(仮名)。
最後は月40万!でも、当日付き添いもしてくれたカテキョ
ご本人、「日本広しといえど自分ほどカテキョに課金した人間はいないと思う」と苦笑するだけに、小6最後の半年は月に40万払っていたとか。
息子さんは四谷大塚→サピックスの転塾組です。当初の志望校は早実。
でも、四谷大塚偏差値は55、サピックスでは48。
悪くはないものの、志望校レベルにはまだ遠い。
というわけで、モンジロー母さんのカテキョ探しもスタート、小5のGW明けから週一で算数の家庭教師に見てもらうことに。
以降、時に人気の家庭教師ブロガーにアタックしたりと、情報収集にぬかりなし、受験直前まで複数のプロに協力を仰いだそうな。
モンジロー母さん
「恐ろしく出来ない国語を3ヶ月だけ教えてもらったことも。ブログで心酔してアタックして家に来てもらうパターンは多いですね」
ちなみに、月40万が頭に鳴り響いているあなたのために言いますと、モンジロー母さんとて「もちろん最初は週イチで考えていた(´;ω;`)」とのこと。
息子さん、コツコツ努力ができないタイプでした。しかし、家庭教師が横にいてはコツコツやるしかない!その強制力ゆえ、成績はうなぎ上りに。
「なるほど、家庭教師。お金をかける価値はある」と気づき、覚悟を決めて母は最後に突っ込んだ!
ちなみに、息子さんは↓の「架空の小学生(別名モンジロー)」にそっくりなんですってよ。
私の妄想上の人物ながら受験校まで似ていたというオチです。
話を戻します。
40万の内訳ですが、モンジローの母さんは共働きで忙しかったことで費用がかさんだこともある。いや、多分そっちの方が大きい。
カテキョソムリエ道にまい進する母は、表の顔はバリバリキャリア人なんですね。
小6直前期も仕事が忙しすぎて22時くらいまで帰れなかった!!
ベビーシッターじゃないですけど一緒にご飯食べてくれる大人欲しさみたいなところもあったそうです。
この家庭教師は受験本番当日、付き添いまでしてくれたそう。
モンジロー母さん
「家庭教師をつけるまでは四谷大塚の偏差値55ぐらい、サピで48ぐらい。それが、最終的に四谷大塚55→64、サピ48→58ぐらいまで上がりました。
第1希望は当初、早実でしたが、二番目の家庭教師から慶應向きと言われて変更。
なお、このカテキョは慶應中等部に何十人も送り込んでいて慶應の好みを熟知していた!!
モンジロー母さん
「中等部は面接でもガンガン落ちる。親も見られる。面接指導もしてくれて、この家庭教師なしでは絶対に受かってないと思います。Σ(・□・;)」
プロ家庭教師は性格が悪い!?
モンジロー母さん
「最初の家庭教師は派遣センターで具体的な希望(プロ教師、ベテラン、おじさん、メリハリある、楽しさと厳しさがある等)を伝えて探してもらいました」
が、1人目はややハズレ。
モンジロー母さん
「3人の家庭教師に来てもらいましたが、最初の家庭教師センター派遣の先生は、ちょっとでも時間を過ぎたら一切相談には乗ってくれませんでした。
が、2人目の慶應に熟知したカテキョはラインを繋いで『何時でも困ったら連絡してくれ』と」
ちなみ、サピックスは親のフォローがほとんどないそうな。
モンジロー母さん
「時間ピッタリのビジネスライク講師には相談できず、ママとラインでホットラインしてくれる第2家庭教師が心の支え。試験本番の朝も付き添ってくれました。
前述の通り、面接指導もしてくれましたがプロならでは。そこまでの指導は学生講師には無理ですね」
うーん、やっぱり学生よりもプロがおすすめってことですか。
モンジロー母さん
「中学入学後に慶應のOBに見てもらって、その学生さんはめちゃくちゃ良かったんですけどね。
学生の方が子供はなつくし、値段も安いし、気が利くし、頭も良い。結果的にマイベストカテキョは大学生だったのですが」
あれれ、合格取っても一番は学生なのか。
モンジロー母さん
「プロ講師は、クセが強いです。サラリーマン経験もなかったりで社会に揉まれていないので、性格に難アリの人が多い(笑)。
第2家庭教師のメンタルフォローは嬉しかったものの、我が家の子育てにまで口出ししてて来る(笑)。
ストレスを感じる場面もあったものの、受験が終わるまでは子供が人質に取られているようなもの。忍の一文字でしたね。
とはいえ、中学受験のように結果出してナンボ、結果がすべての世界ではやはり生活もかかってるプロ講師かなぁと思います」
心の支えと感じる一方、ストレス感じて「忍」となる。
アンビバレントな母の心よ。
逆転合格を勝ち取ったとはいえ、「第二家庭教師、神!」状態にならないのがむしろリアルですね。
実際、中学受験の家庭教師問題で「実力>人格」というせめぎ合いにぶつかる母は少なくないと思われ。
中学受験の家庭教師【大学生かプロか?】問題
さて、家庭教師選びで気になる「大学生かプロか」問題、引き続き。
決定的ともいえるエピソードを提供してくれたのは現在6年生の母である梶原さん(仮名)です。この方も東京ですね。
梶原さん
「難関大学専門の家庭契約サイトで、中学受験経験ありの東京工業大学生にお願いしました。
小規模塾での講師バイトの経験もあり、最難関クラスを担当したとのこと。近所なので交通費はなし。学生証は確認しました」
要領悪すぎ!1回6時間かかった学生講師にげっほー体験
梶原さん
「教わっている時は子供の成績にすごく悩んでいたため、ひどいとは思いませんでした。
が、プロと比べて違いに驚愕!不安だと判断が鈍るため、良くないですし、他の人にはこんな経験をしてもらいたくないため、あえて恥を晒します」
この方は「大学生家庭教師→プロ家庭教師」に途中で変更したのですね。
ふつふつとした怒りが行間から漂ってくる体験のリアルを感じてください。
「学生家庭教師の何がダメだったか」(BY 梶原さん)
①手際が悪くて時間が1教科3時間以上かかる。算数理科で6時間と言われる。
②他責的で子供のせいにする。時間がかかるのは子供が早く解けないから、と子供のせいにする。6時間くらい勉強できないと志望校には受からないと言ってくる。
③無責任。教わった理科は逆に成績が下がり、算数が伸びなくても、もう1人教えている子はすごく成績が上がっていると言う。
④強欲。授業料以外も授業準備と言ってお金を請求する。
⑤問題を解けない。理科の電球を質問してもこたえられず、算数は授業準備のお金を請求しながら御三家合格私大文系の私が解くより遅い。
その結論だと、プロも学生も「家庭教師は全員性格が悪い」ってことに!
性格はともあれ「1教科3時間以上」はきついわな。
当初は1コマ90分とか120分想定だったんじゃないかと思いますが、それが大学生の手際の悪さと、マシマシの時給欲しさで6時間も居座られた日には……!
シッターの目論見もあった前述のモンジローとはワケが違いますからね。
私じゃないんだからね。
で、学生家庭教師を雇った結果、
理科の成績が下がったし、長過ぎて勉強嫌いにさせた。
プロの授業は学生の10倍のスピードで進む!?
でもね、梶原さんの体験には続きがあります。
学生家庭教師は早い段階で見限って、プロ講師を探した。
そうして今度は大当たり!
梶原さん
「プロには主に算数と理科、たまに国語を教わっていますが、3教科で1時間40分で終わります。学生の10倍くらいのスピードで進みます。LINEで相談もできます」
梶原さん
「スピードが速いと言っても、速すぎるのではなく子供が解いている間ずっと横で確認する。
つまづいているところは質問して答えを引き出す。それでも、わからないと説明する方式です。
その説明が非常にわかりやすく、子供はプロに教わるようになってから『頭が良くなった気がする』と言っています」
解き方のキモが見えてきたのか、教わっていない問題も解けるようになってきたそうです。
梶原さん
「理系の先生ですが、国語も論理的に教えてくれて非常にわかりやすい。
あらかじめ問題を読んできてくれるし、良心的。
親の相談に乗ってくれるほか、スケジュール管理も手伝ってくれます」
失敗から学んだ「家庭教師の選び方」を聞いてみた
ちなみに、家庭教師の費用は学生が1時間4000円、プロは1時間6000円だったそう。
そうなのです。
真の意味での費用対効果を考えさせられますね。
自分と同じ失敗を繰り返してほしくない!と体験談の最後には「プロに勧められた方法と自分なりの考え」として、家庭教師選びの注意点をまとめてくれました。
【家庭教師選びで注意すること】
・まず、体験授業が大事。Xでも見かけたのですが「見てもらいたい問題を10問ほどコピーする」「答えも渡して教えてもらう」「授業後、子供に問題の解説をしてもらう」「解説できれば理解できている」という方法は役立ちました。
・1時間半過ぎると集中力が落ちるとプロに言われたため、1科目1時間ほどと考える。長くても2時間。
・費用ですが、時給2時間分➕交通費が家庭教師の主な金額。それ以外の教材費、授業準備などを請求する家庭教師は断るべき。
・前払いのトラブルも聞くため、払っても1回分にすべき。
・家庭教師センターの、体験と実際に授業をする人が同じかは要確認。
・考えたくはないが、女子生徒と男性家庭教師ではトラブルが心配なため、授業中は私か祖母が立ち会っている。
【親が講師経験アリ】喧嘩になるから家庭教師を探した
以上のような話を聞くと、家庭教師って体験とか比較検討が大事なんだなとか思うわけですよ。
中受本の著者も多い西村則康氏は「いい家庭教師と出会うまで5人は覚悟しなさいや」なんてことも言ってましたし。
カテキョ探しは結構なカロリーを使いますよね。できれば、最初の一発でうまいことなんないかなぁ。
というわけで、次なるは「一発成功」というパターン。
ご紹介するのは、これまた現役受験生をお持ちのヤマギシさん(仮名)です。
メール冒頭には
「当初はxでお答えしようかと思ったのですが、自分でもびっくりするくらいの暑苦しい熱量を感じる文章になってしまいましたので、メールでお届けいたします。」
とあり、お人柄が伺えました。
そうそう。
特にこのブログは暑苦しい人しか見てないから大丈夫。
さて、梶原さんちは6年4月から家庭教師スタート。算数と理科を週一回2時間見てもらっているそうです。
大手中学受験塾から四谷準拠の小規模塾へ転塾し、しかし、成績振るわず。
両親ともども講師経験などがあり、教える素養はあったようですが、喧嘩がねー、避けられないってわけですよ。
気力体力とも限界を感じての家庭教師シフトだそうです。
ところがですね。
ヤマギシさん
「実は家庭教師の比較検討はしませんでした。
言うなれば、直感で「ここだ!」という閃きです。出会いの場所は学校説明会。校門の前に立っているあの方達です」
なんと、あの方たち!その例、初めてかもしれない。
ヤマギシさん
「いつもは完全スルーなのですが、某学校の校門前に清潔感あり、怪しくない風貌の方がいて『ここだ!』と。思わずチラシを手に取ってしまったのです。
事務の方も夫も『そんなことで本当に申し込む人がいるのか』と若干笑っていました(こちらは本気)」
「プロ家庭教師しか派遣しない」「後払いのみ」「マッチングは要望があれば何回でも」なども希望通りの条件だったそう。
前述の梶原さんも「前払いはトラブルのもと」になると書いてましたね。
ヤマギシさん
「また、算数だけと思っていたのが、料金そのままで時間内であれば好きな割合で理科も見て下さるというじゃありませんか。
理科も不得意分野の時には、テスト直しや予習を一緒にお願いしています」
【プロ学生問題三たび】母の狂気を受け止められる学生はいなかろう
ヤマギシさんはプロ講師に依頼しています。
やっぱり学生じゃダメなのか、と思ったところで刺さる言葉が。
ヤマギシさん
「私も夫も、個別指導や家庭教師のバイトの経験がありますが
母親のこの狂気の沙汰を真面目に受け止める学生は居なかろうとの判断です。」
ヤマギシさん
「夫は日能研➕家庭教師(大学生)で中学受験した過去があります。その経験から『頼むなら絶対プロ家庭教師にした方がいい』と言っていたんですね。
また、背景や実績のわからない学生を家にあげることにも抵抗がありました」
学生講師は……確かに背景はわかりません。
ちょい脱線しますが、中受したママ友の子どもの何人かは大学生になり、家庭教師や個別指導のバイトをやっているんだな。
が、ぶっちゃけバイトの身元確認なんて学生証出すくらい。有名校ならウェルカム!で、適性や性格なんかは……あまり見られてない気がする。
知人の子は、研修っても8分授業を2回程度だったと聞いたな。
その後、ちゃんと指導できたのかどうかは知りません。わかりません。
話戻ってヤマギシさん。
ヤマギシさん
「成績で言えば、まだ初めて2ヶ月ほどですの反映はされていません。
しかし!あんなに泣いたり怒ったり忙しかった勉強時間から、先生も驚く集中力を毎回発揮。本人の感想は『2時間があっという間すぎる』『先生と勉強すると楽しい!』
受験過程を肯定的に受け止められそうな反応になってきました」
「予習もしっかりできている」「正答率が上がっている」「授業中によく手が上がる」などなど。
ヤマギシさん
「四谷の合不合は難易度が高いため、首都圏模試の受験を勧めていただき、偏差値が上がったので親子でワーイ!となったところです。そういうモチベーションアップのフォローもしてくださいます。
だから、遅くなってもいいので、少しでもいいので、点数や偏差値に反映されてくれるといいなと、欲深く考えています」
ヤマギシさん
「それも考えましたが、塾は塾でペーシング機能があるんですよね。子の性格や弱点をよく把握し細やかなフォローがあるので、最後まで両立で行くつもりです」
小規模塾ならというところもあるかもしれませんね。家庭教師って過去問指導とかもしてくれるのでしょうか。
ヤマギシさん
「『この成績だからここの志望校がいい』といった塾のようなアドバイスはありませんが、受験情報や難易度、出題傾向/過去問分析をしてくれます。
夏以降に過去問に着手し、苦手範囲の問題を色々かきあつめて持ってきますね、と先日お話しはありました。
それだけで親の仕事が減るのでありがたいです。親が間違い/苦手を指摘なんてしたら毎回炎上もんですから」
ヤマギシさん
「今はかなりチャレンジングな志望校も提示しているのですが『〇〇に届くと思いますか?』と単刀直入に聞くと『そこまで持っていけると思います』と言いうお言葉を聞いて母の精神安定剤となりました」
理想的な家庭教師じゃないですか。
ちなみに、気になるプロ先生は週一回で「月52,000円➕交通費」
ヤマギシさん
「最後はきっと週一じゃなくなるかもと、2月までで計100万ほどを見積もっています。計算して、めまいがしてきました。頑張って働きます」
中学受験の家庭教師、別の意味でリアルな締めになりましたが、周囲の体験談を聞いても「最後はツッコむくらいの覚悟の方が成功率は高い!」とも。
ふところ寒しはここぞの投資と思いましょう。
濃いお話をしてくださった皆さま、この場を借りて御礼申し上げます。
※家庭教師の体験談、引き続き募集中。
「いやいや、うちはミニマムな課金で成功したぞ!」といった景気のよい話、「重課金したけど失敗したぞ。この行き場のなさ、どうしてくれよう」といった愚痴めいたお話も大歓迎です。