こんにちは。中学受験100%ウカルログ管理人ことハンドレッドの友です。
吉祥女子志望の方々、たいへんお待たせいたしました。親も子も現役中、たいへん苦手だった吉祥理科の過去問です。今回は理科偏差値40台が定位置だった子の親が、偉そうに吉祥理科を分析する記事となります。
正直なところ、自信はありません。だとしても、わが子のような理科苦手女子にとって収穫はゼロではないはず、そう信じて書きますよ。パソコンの前のあなた、スマホの前のあなた、保護者の皆さまが、各ご家庭でさらに続きを分析頂けますと幸いに存じましょう。
植物や電流は吉祥の頻出ではない!?
吉祥理科については、吉祥算数同様、過去問を切り貼りし、分野別ファイルを作成しました。算数は1冊にまとまりましたが、図表が多い理科は2冊になりました。費やした時間? それはもう、相当なものでしたでしょう。
分野別にファイリングすることで流れがつかめるかと期待したのですが、吉祥算数同様、いえ、それ以上に人生をムダに使った時間だったと思います。
親自身、そもそも理科の基礎すら入っていないのですから、眺めるだけで流れがわかろうはずもございません。
よもや6年12月からこのようなことをする親はいないでしょうが、現5年生が同じ轍を踏まぬよう、説に願うばかりですよ。
わずかですがね。
例えば、苦手女子の多い電流は毎年出ますが、毎回出るものではありません。吉祥の試験は3回目までありますが、仮に1回目に出たら2回目、3回目には出ないということです。少なくとも30年度まではですがね。
また、この数年、電流はざくっといえば「豆電球などの回路系」と「コイルなど電磁石系」が交互に出ています。
26年第一回豆電球→27年度第三回磁石→28年度第一回電球→29年度第一回磁石ときて、30年度第三回目は電池の性質と回路でした。
この法則を信じ、その年に出た電流分野は我が家は丸ごと捨てました。そもそも電流は3回に1回しか出ないため、直前期にガッーと見直したくらいのものだったと思いますがね。
同じように、中学受験理科頻出の植物も、吉祥女子はあまり出しません。同じ生物なら動物や人体の方が出やすい気がします。
聞いたことのない水溶液が出てきてもあわてないように
その一方、化学は毎回出ます。中和、気体の性質、燃焼、ものの溶け方、カロリー計算、実験器具と多方向から矢が飛んでくる印象です。
計算問題もよく出ます。このため、6年初期は化学の計算ばかり集中してやっていたのですが、取れるようになったかと思えばまったく取れない回があったり。時間を費やした割に、最後まで自信のない分野でした。
化学以外でもそうだと思うのですが、コアプラスやメモリーチェックでも必須の知識が数問出ます。つまり、中学受験生なら知っていて当然の、水上置換法で集められる気体やら結晶の形やら。
ただ、吉祥理科は現場思考型といいますか、実験方法を提示しつつ設問をしていく形が多いため、問題文を整理する力がなさすぎると、平易な問題すら落とす可能性があります。わが子のことです。
また、水酸化ナトリウム水溶液のようなテキストでおなじみの水溶液ばかりでなく、硝酸カリウム水溶液やら水酸化バリウム水溶液などなじみのない名前も時々出ますね。
問題文にこうした名前が出た途端、「こんなの知らない!」となる子は悲惨な点数になる可能性があります。わが子のことです。
理科苦手なわたくしが言うのもなんですが、理科のキモは整理です。
吉祥理科の特徴はなじみのない名が出たとしても、問題をきちんと整理していけば解けるようにできています。
問題文に対して「つまり、どういうことか?」「つまり、何が言いたいのか?」を考えるクセをつけておくことが重要です。
これも化学に限りませんが、前提となる実験がその1、その2、その3と続き、10数行にも渡ることは普通です。
知らない名前と長たらしい前提条件、面倒になり読み飛ばそうものなら、未来は暗いのです。
1行1行、確認しながら「つまり、どういうことか?」「この気体は何なのか?」、メモしながら読み進めていく子に勝利はもたらされます。
わが子のことです。
親も一緒に解いて問題を整理していくと、多少なり、コツはつかめるかもしれません。復習する時は一つ一つ、一緒に確認していくと理解が深まると思います。
逆に言えば、間違い直しや復習は一人でやらせない方がよいのです。
理科は図表やそのレイアウトから脳に答えをインプットしやすい科目です。まるでわかっていないのに、問題を見ただけで「この答えは『ウ』だったな」と、なりやすい科目なのです。
理科の苦手な子どもは、条件を読み飛ばし「ウ」と書いて終了、ということをあまりにやりがちです。バトルになろうが、どうなろうが、親はしっかり覚悟を決めて子の復習を見届けてください。
現場思考型は知識がなくても解ける場合もある
吉祥女子の理科は現場思考型というのか、実験なり、調べたことなり、ある状況を提示して設問に入るパターンが基本です。
平成20年より前は対話式であったり、公立中高一貫校の適性試験に似た雰囲気がありましたが、それがいったんオーソドックスな理科問題へと代わり、再び24年ごろから今のような現場思考型が主となりました。
で、現場思考型は同じでも、近年難易度は上っている気がします。天体などは過去に遡るほど解きやすい。年度が上がるほどに、複雑化し、大人ですらイヤーな気分になっていきます。
例えば、25年度1回目の「太陽と月」ではどこかの問題集で見かけたような問いもあり、まだなんとかなりそうなのです。
これが28年度くらいになると「すい星のガスの尾が伸びる向き」とかね。29年度には「地球の遠心力」とか「惑星の扁平率」なんて言葉が卵型の図形とともに出てきたりですね。
先の話でいえば、授業で習っていなくとも整理すればわかる問題なのかもしれません。けれど、「遠心力」やら「扁平率」やらは初見にもほどがあります。大人でも想像しがたいイメージでしょう。
理科がダメダメだった娘に言ったのは「現場で見て考えなさい」ということ。
そのまんまじゃないか、という向きにもう少し言葉を足しますと、たとえば、娘は「天体」は比較的できるようになったのですね。問題集の頻出事項はきっちり仕上げたわけです。
しかし、現場思考型の問題は「もとの知識」+αが必要で、もっと言えば「もとの知識」よりも+αの方向転換が重要だったりすることがあります。
「天体ならできる!」と思って取り組んでみたら「すい星のガスの尾」とか言われ、あとはボロボロということもあるわけです。
非常に誤解を招きそうなくだりですが、知識は重要でしょう。ですが、「もとの知識」が乏しくても順に追っていけば、解ける可能性もあるのが現場思考型問題です。
問一の答えが問二以降のヒントになっていたりですね。ほとんど勉強しなかった「音」なのに、順にこなして何故か取れたとかね。そういうこともたまにあります。
これは理科苦手な子特有の現象かもしれませんが、掛けた勉強時間とその分野の点数とが比例しないのが吉祥理科でした。
ですので、「勉強した分野」「しない分野」に関わらず、その場で見て「解けそう」だと思えるものから解きなさいと。そう告げたわけです。
吉祥理科の過去問は初見で解けそうな問題を探す訓練だと思ってください。見たことがないような問題が出ることは覚悟しておいた方がよいと思います。
そうそう、そうした中にあって「地学は比較的オーソドックスな問題が多い」と塾の先生から聞きましたね。この数年で変化していなければ、ですが。
私の分析から難易度高めに感じた方もいるでしょう。
が、吉祥理科の平均点は7割前後。入試レベルとしてはおそらく標準に値するはず。男子校の理科は平均的にもっとずっと難しいはずです。
余談ながら、吉祥理科の合格者最低点を見て、娘は「これは自分かもしれない」と言いました。そんな体たらくでも勝てたのです。ですから、スマホの前のあなたは自信を持ってお子さんを勝ちに行かせてください。
お子さんのできない問題は、あなたが一緒に解いてみましょう。そうして、コツがわかったのなら教えて欲しいと思います。もちろん、せっかくの分析、ライバルには知られたくはないはずです。なので、次年度以降で結構ですよ。
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