中学受験の当日、イヤなフラグが立ったらあなたはどうしますか?
その通り。今日はね、次々と登場する「オチルフラグ」を無視しまくり、合格に逃げ切った体験談をしたいと思います。
その前に大前提として、大切なことを一つ。
受験当日編でも書いたのですが、本番では「子どもの力を信じること」。
仮に「偏差値足りないし…」などというネガティブ思考がもたげてきても無視すること。「子を信じる」と決めることです。
入試日の子どもというのは
昨日までと同じようであり、まったく別の生き物です。
偏差値が足りない?
過去問の合格点に届かない?
大丈夫。そんな子どもは受験会場にゴロゴロいます。そのくせ、あっさり受かる子どもたちが毎年一定数いるのです。ならば、あなたのお子さんがその中に入れない理由はありません。
入試本番、フラフラ精神状態の親よりも、この日の子どもはよほど頼りになります。
勝負の日だからこそ親はあれこれ世話を焼きたくなりますが、この日の「子どもの直感」と「子どもの判断」は親より正しい場合が多いのです。
以下、その実例としてわれわれ親子の受験当日を紹介します。
受験当日までつきまとってきた「オチルフラグ」
中学受験時代、われわれ親子の頭上にはさまざまなオチルフラグが降っては湧きました。
諸々の作戦により、「オチル予感しかしない」状態から受験当日までには「ウカル予感しかしない」状態へとこぎつけたわけですが。
このオチルフラグはしつこくてですね。受験当日になってもストーカーのように我々を待ち伏せしていたのです。
そこなんですよ、ハンドレッド。
この期に及んだら悪い予感は無視するに限ります。すべてを無視すれば、やがて向こうもあきらめます。
例えばですね。お試しで受けた1月校の話をしますよ。
その日、いつもよりは早起きし、朝食を食べ、トイレを済ませ、持ち物の最終チェックをし、
「さぁ、行こう!」となった時、娘のリュックにぶら下がっていたお守りが落ちました。
娘のリュックにはたくさんのお守りがブラブラブラブラぶら下がっていたのですね。どれが落ちたかは忘れましたが、東郷神社のものではなかったことは確かです。
娘は何も言いませんでした。私も何も言いませんでした。落ちたお守りをリュックに結わえ直すことだけに集中しました。
出発時刻になり、2人で家を出ました。
そうしたらば。
通りに出るなり、
黒ネコに横切られました。
作ってないですって。
書いてる当人もなんてウソくさいエピソードなのだろうとヒヤヒヤしているわけですが、わざわざ話作るほどヒマでもバチ当たりでもないわけです。ちなみに、この後もベタなエピソードが続きますが、すべて実話ですよ。
ともあれ。
黒ネコを見ても、娘は何も言いませんでした。私も何も言いませんでした。
大切なことは悪いフラグに気づいても、事象の意味を見出さないようにすることです。
脳は放っておくと勝手におしゃべりを始めますね。「黒ネコが通った!よくないサインに違いない」「鼻緒が切れた!縁起が悪い」とかなんとかね。事象を見るや評論家気取りで分析を始めるわけです。
しかし、そんなの、余計なお世話ですよ。
「お黙りなさい!」と一蹴すること。
この場合なら「黒ネコがわれわれの前を通った」。ただただ、そう思うだけに留めるのです。
1月校の最寄り駅に着き。
休憩時間に口にする甘いものでも買っておこうと思いました。駅前のコンビニが込んでいたため、娘に言いました。「この先にも店はあった。そこで買おう」と。
が、しかし。
行けども、行けどもコンビニは見当たりません。もうすぐ学校についてしまうのにコンビニがない。
ない!ない!ない!
周囲をキョロキョロしていると通りを横切る車のナンバーが目に止まりました。
「444」
私はとっさに脳を騙す作戦に入りました。
「4は幸せの4!」
「4は四つ葉のクローバーの4!」
「ねぇ、コンビニ」、隣で娘が言いました。「コンビニ、ないの?」
コンビニはありません。ギリギリとはいえ、駅に戻っても試験にはまだ間に合うはず。そうと告げると娘は言いました。
「いい。別になくてもいいや」
学校が見えてきました。校門前は塾関係者で溢れていました。
われわれの通った塾は小さな塾です。一月校まで出向く先生はいないだろうと考えました。
娘もそう思ったのか、応援合戦に目をくれることもなく、さっさと校内に入ってしまいました。
応援に来ていた先生がいたらしい、と聞いたのは試験終了後のこと。
「むん」
そんな気分でしたが、そこに解釈を入れることはもちろん、やめました。
合格発表でサーバーダウン!
さて。
合格発表は翌日、インターネット上でした。
受験番号を入力しEnterキーを押すと「合格」「不合格」の画面がいきなり出るわけです。これは掲示板発表とはまた違った怖さがあります。
受験番号を入力した直後、私の指はEnterキーの上をさ迷いました。
しばしの間、念を送り、思い切ってキーを押したらば。
PC画面の青い輪っかがグルグルグルグル、グルグルグルグル、ずっーとグルグルグルグル。
おっしゃる通りのハンドレッド。
30分近く試行しましたが、それでもずっーとグルグルです。
しかし、この時半ばヤケクソに思いましたね。
「ああ、これはウカルな。絶対にウカル!」と。
何回も、何十回も、受験番号を入力し直し、Enterキーを押し直し、その挙げ句に「不合格」の目はいくらなんでも。
そんな滑稽な目に遭わされる筋合いはない!そう思ったのです。
そもそもが入試日にちらついた、ベタなまでのオチルフラグ。新しさも創意工夫も感じられないオチルフラグ。
そんな安いフラグごときに落とされるタマではございませんよ。
おっしゃる通りのハンドレッド。
しつこいオチルフラグに悩まされたら、睨み返して撃退なさい。
とりあえず、その時の私はいったんネット発表をあきらめて、昼寝をし、3時間くらい経った後に再トライしました。
思った通り、結果は合格でした。
「オチルフラグ」を「ウカルフラグ」に逆転した娘
2月1日といえば、東京、神奈川の中学受験スタート日です。ほとんどの受験生がこの日に本命校を持ってきます。
ご想像の通り、その緊張感ときや1月受験の比ではありません。ベタなフラグに付き合っているヒマはないわけです。
その日の朝、いつもより早起きし、朝食を食べ、トイレを済ませ、持ち物の調べ、リュックのお守りの結び目をチェックしました。お守りがオチルことのないようにね。
この日は家を出た途端、黒ネコに横切られることもありませんでした。「444」ナンバーの車を見ることもありませんでした。
冬の空は晴天で、駅の入り口には朝日が差し込んでいます。
その様を見て、よし、イケる!と思いました。
われわれはホームの自動販売機で飲み物を買うことにしました。
硬貨を投入し、お茶のボタンを押しました。
が。
お金を入れたのにお茶が出てきませんでした。
途中で引っかかったのか、お茶が出てきませんでした。
もう一度ボタンを押しました。お茶は出てきません。
自販機を叩きました。出てきません。
もうすぐ電車が来そうでした。
自販機をバンバン叩き、ガンガン蹴りました。それでもお茶は出てきません!
電車が来ました。それでも、お茶は出てきません! 仕方なく電車に乗り込みました。
とても、とても腹が立っていました。
「お金を入れたのに飲み物が出てこない!」これまた安いコントに出てきそうなネタですが、現実に起こったのは人生で初めてでした。
それをよりにもよって今日、中学受験の2月1日にやられてしまうとは!!
もし、落ちたら、絶対に絶対に、あの自販機メーカーにクレームを入れてやるからね!
覚悟なさいよ!
おそらく殺気だっていた母の隣、子どもがポツリと言いました。
子「お茶、出てこなかったね」
母「うん。ダメな自販機だね」
子「なんか引っかかってたのか、どうしても落ちてこなかった」
母「うん」
子「つまり、絶対落ちないってことだね」
ちょっと感動しました。
さっきまで「クレームを入れてやる!」と思っていた自販機メーカーが粋に見えてきました。
脳裏には私に蹴られても叩かれても、絶対に落ちないよう、一所懸命支え合ってるペットボトルたちの姿が浮かびました。
そのけなげさに涙がこぼれてしまいそうです。
おっしゃる通りのハンドレッド。
子どもの言葉が聞いたのか、以降はオチルフラグが出現することはありませんでした。
2月1日夜10時。娘は第一志望に合格し、3年間の中学受験は終了しました。
一、オチルフラグは無視なさい。時に睨み返して撃退なさい。
一、子どもの力を信じること。
一、子どもの直感を信じること。
一、子どもの邪魔にならぬよう、あなたの不安は捨てること。
一、絶対受かると決意すること。
※当ブログが本になりました!合格率20%でも全勝した体験記です。親のイライラドキドキ、凹みメンタルにも効きますよ↓