6年夏前、わが子は二模試連続・理科の偏差値43をマークしました。
そうでしょうとも(怒)。
偏差値60校を目指しているところね。危機感を持った私は第一志望の理科を分析し、夏休みに理科がっつり自宅ゼミを遂行することにいたしました。
自宅で80時間+夏期講習での理科演習となれば軽く100時間は超える換算。100時間やれば、どんな苦手人間でも偏差値50は取れるはず。
うーんと、結論をいえばそううまくはいきませんでした。
さらに膨大な時間を費やし、最終の、最終結論を言えば、志望校には合格しました。が、理科はおそらく合格者最低点。
6年時点を振り返れば、みんなが知ってる個別のSS-1
せめて無料の学習カウンセリングでも受けとけば理科以外にもっと時間を使えただろう、とは思ウ。
しかし、本ブログは後悔する以前の時系列で書きます。何のために?といえば、やはり理科苦手なお子を持つあなたのために。同類相憐れむために。
塾をサボって家庭学習!?
受験まであと半年、親が幽体離脱しそうなほど苦手な理科とくれば、大切なのは学習の絞り込みです。
何を捨て、何をやるのか。
もしかしたら、「何をやるか」より「何を捨てるか」の方が合否に関わってくるかもしれません。
娘の場合、第一志望は吉祥女子でしたから「化学の計算」は必須でした。
一方、中学受験で頻出の「植物」は吉祥に限っては、毎年出されるものでもなさそうでした。その植物は娘が一番苦手な分野でもあります。
そこで、夏期講習の植物回は潔くサボり、自宅で『吉祥頻出の理科』特訓をすることにしました。
カエルに四字熟語で諭されたくはないのですが、確かに正論でしょう。
塾を休んで家庭学習をする。塾を休んで個別指導に通う。塾を休んで家庭学習をする。塾を休んで個別指導に通う。
改めて文字にするとその矛盾がムラムラと立ち上ってくる気がします。
そもそも夏期講習に一日あたり1万円近く払っていることを考えると心穏やかではいられません。
とはいえど。娘の場合、理科の授業、ことに日曜特訓や夏期講習で行われる「入試演習・理科」はまったくお手上げ状態でした。
カリスマ講師に教わっても授業中、シャーペンの柄や消しゴムケースのイラストを見ているだけと思われます。
問題解いても途中で手が止まり、答え合わせで黒板の答えを写すものの、写すことに精一杯で内容理解にほど遠い。問題だけはたくさん解いて、しかし、翌日にはその内容も忘れてる。ああ、なんと意味のないカネと時間の使い方か!!
この夏中にお客さん状態から抜け出すのが目標でした。
9月からの理科の授業は入試問題一色。そこに食らいついていけるようでないと先は暗いでしょう。
夏期講習で吉祥頻出ではない「植物」は休んだものの、他の単元についてはその授業がある日までに最低限の基礎を固める作戦でした。
自宅で「天体合宿」
さて、夏休み中、理科の自宅学習は塾のない日に2時間~3時間。塾のある日は1時間。2時間以上の日は午前に「気体の発生」ゼミ、午後は「人体・循環器」ゼミなど二回に分けてやりました。
あとはイベント的に天体合宿や力学合宿なども。
ゼミとか合宿とかたいそうですが、そう名打ってみただけです。
わざわざ新しいノートを買ってきて「化学専用」ノートを作るのと同じ発想で、モチベーションアップの仕掛けに過ぎません。
けれど、出来ない子というもの、100%勉強が嫌いです。
嫌いということはやる気がないのです。
やる気ゼロだと成績は絶対に上がらないのです。
最初の入り口だけでも派手にしないと。
地味ではダメです。
「天体合宿」とは文字通り、夕方から翌日の午前にかけて行う「天体」ばっかりの特訓です。合宿といえど場所は自宅、どこにも行かず普通にいつものベッドに寝ます。
夜は星空を眺めて、と言いたいところですが東京で星空なんか見えません。うちには安い望遠鏡が2本もありましたが私にはピントが合わせられません。
では、何をしたのか?
学校教材で使うような「月と太陽」とかその手の「模型を一緒に作る」→問題を解く→「月の満ち欠け」の動画を見る→問題を解く。
低学年用の「天体図鑑」を一緒に見る→問題と照らし合わせて理解し直す→親が知識問題を出し、子が口頭で答える。
4時間前にやった「月と満ち欠け」の類題にトライする。潔く学校レベルから始めて中学受験の基礎を固める。これらを繰り返す一泊二日です。
「天体合宿」としては世界一地味でしょうが、中学受験の勉強としては派手な方なのですよ。少なくとも子は楽しそうでしたからね。
苦手克服のための合宿は問題集の連続ではなく、模型作らせたり、実験したり、動画見せたりのバリエーションが鍵でしょう。
なお、その際に親が教えられるか?と聞かれれば、教えられるわけはないでしょう。
子に教えるのはわたくしではなく動画です。
重宝したのはサイエンスラボ・実験動画
苦手人間には最強のわかりやすさでした。
合宿のコツですが、親は教える必要はないものの「子どもの人生で初めての体験である」と思い込むことです。
「既に塾でやってるでしょうが!」とか
「何度も問題解いたでしょうが!」
という事実は
すっかり忘れ去ることです。
家庭内合宿は「怒らない」が前提条件なのです。
実際、動画を見た娘はコアプラスで何度もやってきたような案件を「そうだったのか!初めて知った」と目をキラキラさせて語りました。
もちろん、ムカムカしましたよ。だけど、ここが我慢のしどころです。「ユリイカ!」はムカムカより強し、なのです。
浮力ゼミで塾の授業にやっと? ついていけるように
「天体合宿」のほかに「力学合宿」も行いましたが、合宿として一つの単元を集中的に特訓するのはおススメです。
もちろん、合宿を必要とするような子は何度も忘れますから、その後のリマインドは必須ですがね。
おっしゃる通りのハンドレッド。当初は「化学」だけに40時間ほどを費やす覚悟でいました。
が、直前の合不合で化学のみ偏差値は60でした(ただし理科総合は43)。
「ああ、春からの学習効果が表れてきたな」とね。思いましてね。メンテナンス程度に急遽変更したわけです。(これに関してはあとで泣きを見るのですがね…)
その代わり、「人体」なら今日は「循環器系」だけやる、「動物」なら「魚とプランクトン」だけやるなど単元の中でも分野をかなり絞り込んで学習しました。
同じ分野を数日間続けた後、その一週間後と二週間後に再復習する短期スパイラル方式ですね。
繰り返しますが、苦手に気分は大切です。
理科は算数同様、その親自身が苦手なわけです。「過去問を分析せよ」とは言いますが、「だいたいきっとこんな感じ」程度のものしか出来ないわけですね。
縁起でもないことを言わないように、ハンドレッド。単元も分野も多いところ、夏休み中に手掛けた全てを安全地帯に載せるのは土台無理な話です。
もちろん、収穫もありました。
塾の「力学&浮力演習」では家庭合宿の成果も手伝い、娘のくせに好感触だったようです。「浮力がわかった。塾の授業が面白くなってきた」と聞いた時はびっくりしましたね。
浮力は小学生みんなが大嫌いな単元です。
しかし、子の第一志望校にはその数年間、手を変え品を変え、たびたび登場していたわけです。ですので、授業のテキストはもちろん、「裏ワザ理科」を始めとする市販の問題集でかなり解きました。
あとは、無料で入手できる「原田式算数プリント・理科プリント」の浮力は良かったですよ。(※注:サイトがSSL化されておらず、うまく表示されないようなのでリンクを外しました。タイトルコピペで検索しますと該当ページが出てきます)
1ページ1問のため、図も大きく、浮力が理解できない子には多分これが一番わかりやすいはず。ただし、解答合わせて40ページ近いので何回転もするとコピー用紙があっという間になくなってしまいますが。
特訓の夏、初めて解いた吉祥の理科過去問
よくぞ、聞いてくれました。娘の通う塾では第一志望の過去問を夏の間に解かせます。
とはいえど、こちらは二模試連続・偏差値43の身。5点とか15点をとっても不思議はないとあきらめていたわけですが。
なんと!
8月初旬に解いて70点満点中40点でした。
受験者平均点は43点、合格者平均点は49点。子にしてはスコブルつけたいこの点数!夏の理科特訓の成果が早くも出た模様。
続き、8月中旬に解いた過去問も40点!
この回は合格者平均点が50点でしたが、受験までまだ半年あります。悪くない、悪くない、二模試連続43にして大快挙です。
そうでしょうとも、ハンドレッド。
自宅でやった天体合宿に力学合宿、数々の集中特訓に加え、塾の合宿、植物以外は全て通った夏期講習、これらを合わせ理科の勉強100時間以上。できることはやり切った、そんな夏休みでした。
※はたして、6年9月・合不合の結果は???こちらをクリック。
失礼な。とはいえ、SS-1は(ホントに!)6年夏満席カオス状態になりますから問い合わせるなら「今すぐ」やるべきではありますが……。
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