こんにちは。中学受験100%ウカルログ管理人ことハンドレッドの友です。
夏といえば多くの塾で開催する勉強合宿。今年は復活する塾も多いようです。
中学受験がネガティブに語られる際、例に上がるのは「ハチマキ巻いて勉強する小学生」だったり、「勉強合宿」だったり。
ハチマキ問題は「メディアのイジワル編集」によるところも多いのですが、「勉強合宿」に関しては保護者の中でも意見は分かれがちです。
迷いつつ、しかし、子を行かせた我が家はどうだったのか?今回はそれを綴りたいと思いましょう。
勉強合宿は塾の営業ツール?けれど、娘は行きたがった
小4のころでしたか、中学受験について書かれた本の中にこのような一文を見かけました。
「勉強合宿など行かなくてよろしい。塾の営業の一環に過ぎません」
ああ、そうか。なるほど。子の通う塾には4年時の合宿はありませんでしたし、中学受験を始めたばかりの親は素直です。「勉強合宿=塾の営業ツール」という刷り込みがすっかりなされました。
まったくもってハンドレッドの言う通りでしょう。この後、私の意見を連ねますが、あなたはそれをすっかり信じなくてよろしいです。わかりましたか?
さて、5年夏を迎え、通う塾から「勉強合宿のお知らせ」が舞い込みました。聞けば、殆どの子が行くとのこと。なおかつ、定員は当時の塾生よりも若干少なく、ぎりぎりの申し込みだと行けない可能性もあるとのこと。
これは、これは、これは。聞きしにまさる営業トーク。不動産販売の手口と似たようなものではございませんか。正確な料金は忘れましたが、確か6万ほどで3泊4日。安いか高いかはともあれ、当初、行かせる気はありませんでした。
わが子の塾は夏の間も単元が進みます。このため、選択の余地なく夏期講習は取らなくてはなりません。しかし、合宿で時間を取られるとなると、通常授業の復習がおざなりになりますね。
が、親の考えに反し、子はとても行きたがりました。
「行きたい、行きたい、行きたい、行きたい!!」
どうして、そんなに行きたいのか。
泊まるのはバイキング付きのホテル。2人1部屋。お菓子制限なし。ゲームの持ち込みも自由。夜はテレビ見放題。友達もみんな行く。
行きたい理由に「勉強」のひと文字は出てきません。とはいえど、魅力を感じるその理由には合点がいきました。
塾の合宿は管理され慣れた小学生に斬新なのです。
小学校の宿泊研修のように持ち物制限があるわけではない。起立・礼があったり、背の順に並ばされることもない。給食を食べ残して怒られることもない。夜に友といる非日常感。なおかつ、ガミガミいう大人もいない。
もちろん、最低限のルールはありますが、勉強さえしていれば基本的には自由なのでした。
余談になりますが、「勉強は嫌いなくせに、塾は楽しい」という子どもたちが一定数存在する理由はこの辺りにあるように思います。
中学受験をしなければ、「小学生が夜の電車に親なしで乗る」「夜8時過ぎ、授業の合間に友とお菓子交換をする」などというシチュエーションは普通は発生しがたいはず。
自由と非日常の、行ったり来たり。
その最たるイベントが夏合宿、夏の勉強合宿なのでした。
まったくもってその通り。勉強合宿、行ったが最後、1日8時間やら10時間の勉強が待っています。
まだ5年生、長時間勉強には慣れていない子どもたち。合宿後は「来年は絶対に行かない!」と言い出すのだろうなと思っていました。そう思いつつ、娘の勢いに気圧されて長野だか山梨だかの勉強合宿に送り出したのです。
合宿の非日常感は勉強のモチベーションになりやすい
が。予想に反し。
帰宅した娘の感想は「楽しかった!」「来年も行きたい!」
前年に行った民間のサマーキャンプからはふてくされて帰ってきたというのにね。
なお、5年生だったこの年、夏休みは友人ファミリーと海に行ったり、北海道に旅行に行ったり、イベントは盛りだくさんでした。
が、休みが終わる頃、娘が言ったのは「塾の合宿が一番楽しかった!」
理由を尋ねますと「夜、お友達と一緒にテレビを見たのが楽しかった」と小学生らしい、知的さに欠ける答えが返ってきたものの、実際、合宿後に成績は上がりました。
日中はずうっーと授業なわけです。
夕食後も食堂を自習室として開放。先生が待機して質問教室を開いていたそうですが娘もそこへ行きました。自習室はほぼ満席だったとのこと。みんな、黙々と問題を解いていたとのこと。
なんと真面目な生徒たち!!!
と思うのですが、これこそ非日常感のなせる業でしょう。塾で勉強するのは慣れてしまった、家で勉強するのも慣れてしまった、どころか家でなど慣れるも何もやる気がしないのが普通でしょう。
翻って、夜のホテル、煌々と明かりの灯る夜の食堂、飲み放題のジュース自販機があったりする食堂です。
部屋着みたいな恰好で勉強している子がいて、いつもはスーツ姿の先生もTシャツにスリッパで質問に答えたりするわけです。
部屋にこもってゲームをするより、そこに混じりたくなる子が多くても不思議ではありません。
旅行なら旅行、勉強なら勉強!どっちかにしろ、そう思う保護者の意見は否定しません。けれど、合宿での非日常感は勉強しない子を勉強させる、一定の効果はあるのではないかと思ったりもするわけです。
勉強合宿で大切なのはコースの選び方
子が通っていた塾は季節講習でも単元がどんどん進むため、夏の合宿は数少ない復習の機会でした。特に算数のまとめテキストが使いやすく、合宿後も繰り返したことで基礎は強固なものとなりました。
5年秋以降、子の算数が伸びたのは思うに繰り返しテキストと合宿のおかげでした。正直なところ、通常の授業より合宿の方が成績アップには役立った気がします。
単元の習得なくして、合宿での復習も何もありませんでしょう。4、5年の通常授業は基本、新しいことしか習ってきませんしね。
ただ、季節講習そのものが復習にあたる場合。
かつ、季節講習と合宿とも受講が任意の場合。私だったら、合宿の方を選ぶかもしれません。要するに「非日常効果のより高そうな方を選ぶ」ということ。
「非日常的」な環境で学んだ方が、記憶にも残りそうですしね。
もう一つ、大切なことはコースの選択です。
子が通っていた塾の場合、合宿に限って受講レベルを選択できました。
5年時に背伸びせず、標準クラスを選んだことは勝因となりました。わが子と通常同じクラスながら、合宿にて発展クラスを取った子の母は「失敗した……。消化しきれなかった」と悔やんでおりましたので。
さて、一年後、6年の夏合宿も当然、娘はウキウキと再び出掛けていきました。
「楽しかった!」。帰宅後の声は変わらない。しかし、この時は算数のコース選びを失敗しました。
昨年の教訓をもとに背伸びせず、さらに基礎を固めようと「標準クラス」を選んだことは敗因となりました。
5年から6年にかけ、娘の算数は「やや苦手」から「やや得意」くらいまでは変化していました。基礎はすでに固まっており、合宿中に出された問題はほとんど間違えることはありませんでした。
つまり、その点においては時間のムダでした。「出来ない」が「出来る」に変わる体験が乏しかったのです。
念のため。言われる前にハンドレッド、自慢のつもりはございません。
市販の問題集でもそうでしょうが、自力で7割程度解けるものがその子の適正レベルと申しましょう。9割解けるものは自信にこそつながりますが、底上げは望めません。
子の場合、合宿で発展コースを取ったのなら7割どころか、4割、5割がいいところだったでしょう。けれど、ここで鍛えられたのなら、過去問算数であれほど苦労することもなかったような気もするのです。すべては仮定の話に過ぎませんがね。
さて、勉強合宿の総論です。
言えるのは「子が行きたい」というのなら合宿は行かせた方がよろしい。
「子が行きたくない」といっても「親が行かせたい」と思うのなら行かせてもよろしい。
ただ、どのレベルのコースを取るのかは慎重にした方がよろしい。
あるいは受けるコースが決まっている場合、その中身は何なのか、塾にしっかり聞いた方がよろしい。
勉強合宿の内容が、子にちょうどよいレベルであった場合、それが成績の起爆剤になることもありえます。本当ですよ。
夏合宿は塾にとっての営業ツール、けだし、非日常での勉強は受験生にとってそれ以上になりうる可能性もあるのです。
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