こんばんは、中学受験100%ウカルログ管理人ことハンドレッドの友です。
わが子は本屋に行くと『グレッグのダメ日記』やマンガのサバイバルシリーズをねだるような、今どきの小学生でした。
『本は無理に読ませるものではない』『名作ばかり与えられると逆に本嫌いな子どもになる』はセオリーです。
が、しかし、娘の選ぶラインナップを見て「トホホな気分」に陥っていたのも事実でしょう。
「読書しないと国語の成績は上がりませんか???」でも触れましたが、策を練りグレッグ一辺倒になるのを人工的に防ぎました。
なんとでもおっしゃい。情報量の少ない子どもに、情報量の多い大人が情報を与えるのは至って自然なこと。
なお、上記記事でも触れましたが、本を多く読ませる一番のコツは「子どもが気に入るシリーズものを見つける」ことでもあります。
読書量を徐々に増やし、6年生になる前までに「中学受験に出そうな小説」を読めるようになるのも裏の目標だったりしましたが。
といわけで。シリーズもの含め
「親がトホホな気分にならず」「娘も気に入った」小説ガイドをお送りします。なお、かなり長いです。
目次からおおよその学年を選び、そのほかはヒマな時にでも読んで頂ければ。
「まなの本棚」以降は低学年から高学年順になっています。最後には中学受験に出そうな読書ガイドのガイド(?)も載せましたよ。
(※以下、加筆修正)
目次
『まなの本棚』は中受生の読書バイブル?
リンク
いきなりブックガイドか!と思うかもしれませんが、今夏、娘が購入しまして。現在、芦田愛菜のおすすめ本をとっかえひっかえ読んでいます。今、娘は中学生ですが「これ、中学受験生のいる家の所持率は高そうだねー」という話もしています。
愛菜ちゃんがこれまで読んできた本ですから、対象は幼児(絵本)から中学生までと広いわけです。『おしいれのぼうけん』から始まり『ハリーポッター』やあさのあつこ、辻村深月や森絵都やら村上春樹、後半には森鴎外やカフカの『変身』が出てきたり。
読書家のお父さん、お母さんにとっては比較的おなじみというか、意外性のあるラインナップではないのですが(中学生でこれだけ読んでいるのがすごいですがね)、逆に正統派だからこそ使い勝手もいい。小4で買ったら6年間くらい使えますね。全部で100冊弱ですかね。うち60冊くらいは詳しく紹介されているかと。
カエルの分際で愛菜ちゃんを呼び捨てにしないでください。体裁はライターによる聞き書きです。スコブル読書家とはいえ中学生ですから、ものすごい深いことを言っているわけではない。『天と地の方程式』(富安陽子)を読んで「わたしにも不思議な力があったらなぁー」みたいな児童の読書感想文みたいなことも口にしています。
同じことを娘にも言われました。でも、だからこそいいんです。こういう素直な感想の方が子どもには伝わりやすいでしょ?愛菜ちゃんの育ちの良さが伺えるレビューになっています。
同書は本のレビューのほかに、山中伸弥氏や辻村深月さんとの対談も収録。余談ながら、愛菜ちゃんは辻村さんの大ファンらしく、2つの対談の温度差(辻村さんとの対談は熱くなっているのがわかる!)が紙面からも伝わってきて面白いです。
とはいえ、個人的には山中先生との対談が好きでした。ここはスルーせず、子どもにもしっかり読んでほしいところだと思います。難しい研究をやさしい言葉で伝えようとする気遣いにちょっと感動しました。
※『アエラウィズキッズ』春号でも本特集をやっています。ちなみに、娘はこの手の教育雑誌がとても好きでした。一種、自己啓発系ですね。
AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2019年 春号 [雑誌]
未就学児への読み聞かせ&低学年におすすめの本
『大きい1年生と小さな2年生』
レトロな表紙イラストだけに、小学生のウケはよくありません。本屋に行って自主的にこれを持ってくる子どもはあまりいないような気がします。
しかし、読み始めたら一気呵成です。一行でいえば、気弱な小1男子の冒険と成長の物語。小1になったかならない頃だったか、娘には最初だけ読み聞かせましたが、その後は先が気になり過ぎたのか勝手に読破してくれました。私も結局、先が気になり過ぎ読破しました。
本作は茂木健一郎氏が未だに所蔵しているという小説でもあります。うちも例外ではなく、かつてあった児童書がメルカリやブックオフに流される中、いまだ本棚にありますね。古田足日は芦田愛菜ちゃんおすすめの『おしいれのぼうけん』や『ロボット・カミィ』あたりも良いです。
『旅のはじまり (黒ねこサンゴロウ 1)』
続編を合わせて全10冊。シリーズものには1作目が気に入れば芋づる式に読書量を増やせるお得さがあります。
その分、本代はバカになりませんが、カバーイラストにしろ、旅や宝さがしなどのキーワードにしろ、元文学少女だった親の心をくすぐるに十分。主役は猫。児童小説ながら、抒情的であったり、ちょっとハードボイルドな雰囲気も好きでした。
ベタ好きな娘も大好きなシリーズでした。字が大きいので未就学児からでも読めますよ。
『エルマーとりゅう』
お馴染みですね。3冊シリーズです。こちらも未就学児から読めます。なお、幼稚園~小3頃までは動物ものを好むお子さんは多いでしょう。しかし、高学年女子ともなると動物離れが進み、等身大の小学生の話を好むようになります。今のうちですよ。
「親が子に読ませたい本」と「子が読みたい本」は年齢が上がるにつれ、離れていくということです。正直、子が小さいうちは親の好みを押し付けやすいわけです。
なお、この章で紹介するものは、小学初期と未就学時代に読んだ(読んであげた)本がごっちゃになっております。その頃、親が気に入り、子も気に入った本といえば、ほかに
『きつねものがたり』
『いやいやえん』
『小さいおばけ』
あたりでしょうか。
『ふしぎなテレビのいじわる作戦』
上記とは毛色が変わりますが、小1の頃、娘が好きで読んでいた本。テレビにばっかり夢中になっている少年のちょっとブラックなお話(最後はハッピーエンドですがね)。
ゲームがやめられない子にもよいかも。字が大きいので小1なら一人で読めます。
ふしぎなテレビのいじわる作戦 (文研ブックランド)
『小さい“つ”が消えた日』
最初に読んだのは小2か、小3か。当時はあまり深く考えずに購入したのですが、これは子どもに絶対読んでほしい話。大人が読んでもほろりときますし、娘もこの本が大好きでした。中学生になってからも読んでいましたっけ。
登場人物は日本語の50音。音それぞれにキャラクターがありまして、主人公は小さな「っ」。促音の「っ」って地味な存在ですから皆にバカにされて家出しちゃうのです。けれど、日本語から「っ」が消えてしまうと困るんですよ。
「はっきりと断った」が「はきりとことわた」になったりね。
「失態(しったい)をさらす」が「死体(したい)をさらす」になったりね。
絵もストーリーも可愛いですが、言葉の大切さがよくわかる本。「っ」と「つ」の表記が雑だったりする小学生にも読んでもらいたいところ。なんと著者はドイツ人ですが、ある意味、大人になって日本語を学んだ人の感性ならという部分も。50音の性格付けも秀逸です。
「か」さんは自信がなく哲学者みたいに疑り深い。「やろうか?それとも、やめておこうか?」とか。「ん」さんは謙虚、とかね。
日本語の魅力を再発見した気分になります。
『マジックツリーハウス』
年長から小1の頃、娘は『マジックツリーハウス』も好きでした。これは小学生の人気者シリーズですがね。
マンガっぽいイラストは親の好き嫌いが分かれるところですが、歴史絡みのエピソードも多いので低学年コースにして中学受験向き。19年9月現在、シリーズは46冊あるようなので一旦気に入ったなら読書三昧コースは完成しますね。
『100さつ読書日記』
本ではなく、読書感想文ノートですが。子どもが小さければ小さいほど、こういうものがあると読書習慣は進めやすいです。
うちでもモチベーションアップのために購入。既定の本を読んだらシールを貼れる仕組みです。この「本の表紙シール」がかなり可愛い!小学校3年から高学年用もあります。
小3~小4生におすすめの読書ガイド
『デルトラ・クエスト』
小3の頃、男児っぽい趣味だった娘は当時ついていたキラキラカード欲しさに購入。
7つの宝石を巡り、少年が旅に出るお話。海外ファンタジーですが、展開も早く読みやすい。周囲を見る限り、男子の方がハマっていましたがね。何にせよ、ハマった子はこれで大読書大会がスタートします。確か、続編を併せて17冊くらいありました。
エミリー・ロッダ/オカダヨシエ 岩崎書店 2002年09月
『ぼくらの七日間戦争』
小3から小4にかけ、子どもが大好きなシリーズでした。シリーズ全体を通し「悪い大人を子どもたちがやっつける!」パターン多し。いつの世でも子どもたちが好む王道ストーリーテリングです。ただし、同シリーズの『天使ゲーム』には中学生の妊娠・中絶が結構な描写で登場しますので、なんとなく購入を見送りました…。
『びりっかすの神様』
岡田淳作品も小学生の王道組ですね。この本の主人公も小学四年生。ビリになると“びりっかすの神様”が現れるという話。
母はざっとしか読んでいないのでうろ覚えですが、娘が繰り返し読んでいた一冊でした。主人公、その神様を見たくてわざと「テストでビリになった」り、「徒競走でビリを取ったり」するわけですよ。順位付けの意味とか、手抜きをすること、本気で取り組むこと、連ねると説教臭くなりそうなメッセージを絶妙なエンタメに仕上げています。
『願いがかなうふしぎな日記』
これは小学生にはタイトルだけで引きがあるはず。思った通り、娘の大好きな本になりました。「書けば願いがかなうよ」と亡き祖母にもらった日記帳にお願い事を綴ると、本当に叶った!!
とはいえ、マンガちっくに次々叶うというわけではないらしく、主人公の男の子がそのために頑張る姿も良いらしいですよ。
『宇宙人のいる教室』
服装もなんだかヘン、流行りのテレビもゲームも知らない、普通の子と違い過ぎて「宇宙人なのでは?」と疑いたくなる転校生との友情物語。この宇宙人みたいな転校生がかなりいい味出してます。
個性や多様性を認めること、そこから生まれる絆などテーマは深いものの、ひとまずそこは置いといて。男の子のズレっぷり、純粋っぷりが際立ち、単純に面白いし、先が気になるストーリーテリング。子どもも一気に読んでいました。そのくせ、途中、大人でもほろりときます。
『じっぽ』
『ジジきみと歩いた』
これも『じっぽ』や『宇宙人~』が好きな子向け。つまり、ほとんどの小学生が気に入るシチュエーションかと思います。
どれかを気に入ったら、芋づる式にあと2冊の読書ができる!?
シリーズではないし、作者も違いますが、そういうことですね。
ちなみに、ジジとは「ジジむさい」顔の犬のこと。なんとなく情けない気分になるそんなノラ犬を子どもたちだけで買うことになったーー。
「子どもたちで!」というのは王道の入りですが、1人減り、2人減りで結局、主人公と友人の優等生しか世話をしなくなり、やがて優等生の悲しい境遇を知る。「目に見えていることがすべてじゃない」は『星の王子様』以来、児童文学の主要テーマですが、本書にもそれがリアルな例で取り込まれています。
『ホームレス中学生』
ひとまず、中学生でホームレスになることの是非はおいておき。かつてベストセラーになった本の児童版。小学生にとっての一気読み系本だと思います。
芸人が書いただけに語り口は軽妙、“一人で公園暮らし”、このシチュエーションに冒険心をくすぐられる子どもは多いでしょう。ウンコネタも随所にあり、本嫌いの小学男子にも文句なし、最後まで読み切れる小説だと思います。
しかし、これが実話って。やっぱりすごいですけどね。
『つぎ、なにをよむ?』
こちらはブックガイドですが、全頁カラーで子どもが選びやすい。「1、2年生版」や「5、6年生版」もあり、うちでは重宝していました。
どうやって児童書から文庫本にシフトするか?
さて、中学受験を考えますと、徐々に子どもの読書を児童書から大人向け(というか、大人も読む本)へとシフトしていかなければなりません。
イメージとしてはそうでしょう。
けれど、子どもが小4の頃はそう簡単にシフトできるのか、想像しがたかったのですね。小学生にとって文庫本って普通にハードルが高いわけです。「字が小さくて表紙もなんか地味!」とかね。
しかし、小6になると読書している時間はほぼありませんから、小5の間中になんとかしなくばなるまい。どうしたものかと。
が、徐々にならせば、意外とスムーズでした。児童書を購入の際、1冊くらい文庫本を入れるとかね。薄かったり、字が大きめのものをね。低学年の頃から児童書でも長め、字小さめの本をプッシュするようにしたり。
少々文学っぽい作品を読んだ後には、痛快コメディ的なものを入れたりね。硬軟かわるがわる、みたいな感じでした。
そうそう、角川つばさ文庫や青い鳥文庫などから、中受で出るような小説も発刊されています。当初は「マンガ表紙の名作なんて邪道!」くらいに思っていたのですが、これがシフトしやすい土壌を作ってくれましたよ。
まぁね。というわけで、以下は小4後半から小5くらいまでに娘が読んで気に入っていた本です。読んだけれど「つまらなかったもの」「読み飛ばしたと思われるもの」は抜いてあります。
なので、小学生向けの他のブックガイドよりも敷居は低いのではないかと思いますよ。
高学年のための読書ガイド
小学生はドハマりの設定!『9月0日大冒険』
8月31日「ああ、夏休みが終わってしまう……」と嘆いていた主人公が、31日と9月1日の間にある、9月0日の世界にGO! そこには同じクラスの人気者の女子や、やんちゃ男子もいた。3人は不思議な冒険ワールドに足を踏み入れ、助け合い、成長していくーー。
これはもう、設定からして「勝ち」でしょう。間違いなく、小学生の引きがあるプロットです。そう思って子に渡すと、案の定、夢中になって読んでいました。
作者は『宇宙人のいる教室』のさとうまきこ。この2冊が気に入ったら、他の本も探してみましょうかね。
『窓ぎわのトットちゃん』
いわずもがなですね。もはや名作系のくくりなので、子どもから進んで手に取るものではない気がしますが、読み始めたらこっちの勝ち!
学校なのに「ハダカでプール!」とか今じゃ絶対ありえないトモエ学園の教育を始め、トットちゃんの破天荒さには子どもも始終引き込まれた模様でした。
「変わり者=いじめられやすい」の構図が日本中をバッコしているものの、実は「際立つ個性」こそ知れば知るほど魅力的だったりするもの。そこに気づいて欲しいなぁと願いを込めて渡した本でもあります。
『悩み部の栄光と、その慢心。』
一編一編が短く、本嫌いな子にも好評だった『5分後に意外な結末』の新シリーズ。高校の「悩み部」メンバーが主な登場人物ですが、レビューを見る感じ、小5くらいの読み手が多いよう。娘も愛読していたのはその年代だったかと。
装丁などは児童書と一線を画し、単行本のソレなので「ちょっと大人な?本を読んでる感じ」は味わえるはず。「その感じ」がやがて来たる「大人な文庫本」慣れの前哨戦にもなるのではないかと。
中学受験生に人気!『都会のトム&ソーヤ』
小5くらいから娘は「ぼくらシリーズ」から「都会トムシリーズ」にシフトしました。というか、わたくしが最初に買ってきた気がするのですが、はやみねかおるは本来、親が見つける作家というより、子どもが見つける作家という気がします。先に紹介した芦田愛菜のおすすめ本にも載っていましたね。
中学受験生にも人気です。子の通う塾でも(特に女子に?)「新刊、買った?」といった話がよく交わされていた模様。
放り出してもある時また読み出す?『ハリー・ポッター』シリーズ
「魔法」の類が好きな子はすんなり物語世界に入るのでしょう。かくいう娘は小4の終わり、読みかけて途中で断念。しかし、小5の冬ごろか、クラスメイトが夢中で読んでいるのを見て再読。「続きが読みたい」といって続編を購入した覚えがあります。
おっしゃる通りのハンドレッド。うちではさすがに時期的に全巻読破とはなりませんでしたが。小4くらいで全部読んじゃうくらいなら、その子はもう、この先どんな本だって読めそうです。
なお、昔ながらの大型本もありますがコンパクトな文庫本が塾の行き帰りにも読めてよかったようです。文字も結構大きいですよ。
文庫本デビューにぴったり!『ウォーターボーイズ』
こちら小学生の文庫本デビューに最適。
けれど、本書は四コママンガが入ってきたり、ページの端っこにパラパラ漫画があったりで読みやすいです。
「男子のシンクロ」をテーマにした映画のノベライズで(矢口監督自らの書下ろし!)文学的な香りはやや乏しいものの、娘曰く「かなり面白い」らしい。
「文庫本を読んでいる」という大人な感じを味わえ、かつ最後まで読破できる! 「本好きになってほしけどまだそこまでじゃない」男子、女子にこそおススメです。
主人公は中学受験生!『ハッピーノート』
中学受験が出てくる小説は意外に少ないのですが、この本の主人公は中学受験のために塾に通う女の子。
女の子のグループと仲違い、同じ塾生との淡い恋・・・などと連ねると「ああ、よくある話ね」という気もしましょうが、おとなしかった主人公がボスキャラ女子に反撃したり、恋の相手が実はいじめにあっていたりと、意外な展開も良かったです(親も読みました)。
著者の草野たきは思春期少女の物語がお得意なようですから女子親は重宝する作家です。入試にも時々出ています。
青春文学の傑作『しずかな日々』
文庫本もありますが、小4くらいなら青い鳥文庫の方がとっつきやすいかもしれません。
世にある文学作品がマンガ的な表紙に取って変わられるのを不本意に思ったこともありましたが、この手の児童文庫で確実に中学受験生は楽になりました。
『ぼくらのサイテーの夏』
小学6年生の夏休み。やんちゃした罰としてプール掃除をキライなクラスメイトと2人でやる羽目になった主人公。「やな奴」と思っていた相手が、実は「いい奴」というストーリー展開は定番ですが、読ませます。
文庫本でも薄く、字もやや大きめなので取っつきやすいはず。
『きみの友だち』『きよしこ』『小学五年生』などの重松清作品
中学受験入試の常連作家ですね。『君のともだち』はいったい何度入試に使われたことでしょう。小6のお子さんなら必ずどこかで読んでいるはず。
わが子は読解問題で一部に触れ「続きが読みたい」と言いました。小学生が主役の重松作品は短編も多く子どもも読みやすいはず。その一方、短編の『小学五年生』は一編のみ(タイトルを見ればわかります)女子親として心がざわざわする内容があります。うちはこそこそ読んでいた気がしますが。
みんなが大好きなスポ根もの!『あと少し、もう少し』
こちらも入試で使われました。小5になると読解問題が本購入のためのガイドのようになってきます。
陸上の話ですが、本作に限らず、スポ根を好む子どもは多いですね。
主人公の失望→荒くれ時代→一念発起→血のにじむような努力→優勝!!
というようにストーリーがわかりやすく、スカッとしたカタルシスもあるからでしょう。
わが子はここからスポ根にはまり、
バッテリー (角川文庫)だったり一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫)であったり、走れ!T校バスケット部 (幻冬舎文庫)や先の『ウォーターボーイズ』であったり、武士道シックスティーンなどを旅していきました。
『永遠の出口』
中学入試御用達の森絵都の小説ですね。こちらは若いころに読み、個人的に「なんと凄い青春小説か!」と感銘を受けたもの。
自分の子どももこれを読み、またしても感銘を受けたりし、森絵都には頭が上がらない親子です。
ちなみに一人の少女の連作短編(子どもから、だんだん大人になっていく)です。小学生なら最初の3編くらいまででもいいと思います。森絵都はクラスメイツ〈前期〉 (角川文庫)あたりもおすすめです。
芦田愛菜もおすすめ!『かがみの孤城』
これは娘が中学に入ってから読んだ小説ですね。ですが、上記のような本が読めるなら小5でも大丈夫。長い話ですが、非常に読みやすいです。
ある事件がきっかけで不登校になってしまった中学生が、現実と鏡の向こうにある世界とを行き来できる設定。けれど、ファンタジー色が強いのは最初だけ。鏡の向こうにも、学校に行けなくなってしまった中学生のリアルがあります。ティストは現代の少しほろ苦い青春小説です。
本屋大賞を取っただけのことはあり、大人も一気読み。辻村深月はモノによってはちょっと暗いですが、ツナグ (新潮文庫)あたりもおススメです。愛菜ちゃんが大好きな作家らしいですね。
『もものかんづめ』
まぁ、こちらも紹介するまでもない、中学入試の定番ですが。
今回のブックガイドをご覧いただければわかるかと思いますが、娘の読書は小説に偏っていました。だからこそ、説明文で苦労したわけですがそれはまた別の話ということで。
さくらももこはほとんど唯一、小説以外で読んでいた本のような。たいへん、読みやすいですし、エッセイですから空き時間にさっと読める。諸々重宝していた本でした。
中学入試のブックガイド
以降は元中学受験生チョイスではなく、あくまで親の参考として。
意外と種類は少ないです。
『中学入試読解問題でねらわれる!定番作品120』
『中学入試に出る名作100』
2冊とも発行年月が若干古いのが何ですが、ばりばりの「現代小説」以外の定番を知る一冊にはなるのではないかと。
『中学入試にでる名作100』の方は作品のあらすじと解説が2~4Pでまとまっています。
小説はもちろん、随筆や詩などもあり。向田邦子や手塚治虫、五木寛之の随筆、井上靖とか三浦綾子とかね。
比較的新しいところでは重松清や江國香織、梨木香歩などの小説も紹介されています。
それぞれの作品が「どのように入試問題として出されたか?」があるのも◎。
その作品の出題校なども掲載されており、入試対策の参考になります。
もちろん、こちらから気に入った本を探すという使い方もできますよ。