こんにちは。中学受験100%ウカルログ管理人ことハンドレッドの友ですよ。
中学受験は6年生の1年間があまりに濃すぎ、4年の記憶は薄れがちですね。
一方で一番情報を必要としていたのは4年生の頃でした。中受が初めてでしたから、なおのこと。
入塾しても横のつながりは早々できず、判断基準は先生の話のみ。あるいは、受験本や体験記で聞きかじった話のみ。
一般には「(中学受験は)4年生はまだラク。習い事の延長みたいなもの」とも言われたりもしましてね。
おっしゃる通りのハンドレッド。
塾に通う回数はまだ少なく、授業時間もまだ短く、家庭学習時間もそこまで多くはありませんでした。
しかし、ラクかというと、ラクかというと、そうとはいえない歴史があります。
「回数少ない、授業短い」、それは5、6年生と比較してのこと。慣れない「中学受験の常識」に対面するのは初めてですからギャップは当然生じますね。
実は勉強面で一番きつかったのは4年生だったかもしれません。
わが子のケースはレアかもしれませんが、今回は特に算数にフォーカスし「4年で既にへげへげになっている」「これから4年だができるだけへげへげは避けたい」お母さん、お父さんたちのために送りましょう。
「直線が180度だらけ」すぎて角度につまづく
さて、本格的な塾通いが始まった4年生。算数の始まりは「角度」でした。
保護者会で算数の先生は言いました。「角度はほとんどの子が取れます。この時期の塾テストで差がつくとすれば計算です。ご家庭では計算練習をしっかりやりましょう」とね。
おっしゃる通りのハンドレッド。
「角度」は一部の難関校の問題を除き、総じてつまずきの少ない単元ですね。
が、娘はいきなりここでつまずきました。
図が悪いですが、一応直線のつもりです。角度の基本中の基本ですね。
「ア=180度-75度」。ただそれだけの問題です。。
なのに、類題を娘に解かせるとどうもスラスラ行かないわけです。この基本中の基本にクエスチョンマークがつくとは……。
母「直線は180度だよね。180度から75度を引けばいいだけだよ」
娘「じゃあ、ほかの180度はどうなるの?」
母「ほかの180度って?」
娘「直線は180度なんでしょ。ほかの180度は足さなくていいの?」
何を言っているのやら、わかりません。
よくよく聞いてみると、いえ正確には要領の得ない反応をこちらが整理して、咀嚼してみると娘の頭の中はこんな感じ。
~娘の頭の中~
「直線は180度」
「直線と直線が交わるところは180度」
「直線が交わらない直線も180度」
「直線は180度だらけ」
「ア=180度-75度なら、ほかの180度はどうなるのか?」
「ア=180度-75度+180度+180度+180度+…になるはずではないのか?」
「そもそも180度は1つの直線上にいくつあるのか?それがわからないからわからない」
知る限り、算数や数学に不条理はありません。
整理していきますと、わけがわからないながらにも論理はあるようですが、「面白い着眼点だね!」と親子で解決していくようなスキルは持ち併せていませんでした。
どころか、娘の「わからなさ」にひたすらイライラしました。
結局、説明しようとするうち親の方がわけがわからなくなり、最後は「直線が交わるところだけ見なさい!」と言って力業で解決したような気がします。
通塾しているのに塾に聞けない?親のジレンマ
おっしゃる通りのハンドレッド。
塾は活用したもの勝ちです。根本理解に関わる部分ですから、そうすれば良かったと思いますよ。
一方で、言うは易しの面もあるわけです。
これは4年生に限らず、進学塾に通う親たちが間違いなく感じるジレンマです。
通塾していれば聞きたいことは山ほど生じるわけですね。
新しい単元を習ってくるたび、次々と「子のわからなさ」が出現します。
塾の方も子どもには「わからないところがあったら聞きにきなさい」と言いますが、わからない子どもは決して聞きには行きません。
「ならば、親が相談しろ」という結論になるわけですが、この「180度の不条理問題」のように図式化しないと伝えづらかったりですね。これが解決しても翌週に別のわからなさが発生したりですね。
この繰り返しになりますと、毎度の電話はタフな親でもためらいが生じましょう。
塾の方も「子のわからなさを抱えた親たち×3学年」から毎日毎日電話が来ますと業務が立ち行かなくなるのは目に見えています。
私自身は塾の先生にかなり頼った方ではあり、それが合格の一因だったとは思いますが、細かい「わからなさ」についてはある程度なんとかするしかありませんでした。
親が見るか、個別か、家庭教師か、あるいはいっそ自然にまかせるか。通塾が長くなるほどわからなさは増えていく、なんとも悩ましいところでしょう。
すべてが新出事項の4年生 理解が遅いと沈没します
ともあれど。
わが子の場合、4年時の算数はずっとこんな感じでした。
別ブログで「還元算が出来ないので11か月やり続けた話」を書いた気がしますが、その際も180度問題同様、娘の頭にのみ存在する別のルールがあったのかもしれません。
4年の半ば頃だったか、塾の面談で「今月習った範囲を今月のテストまでにマスターできません!」と訴えた記憶がありますね。
塾のカリキュラムはある単元を1か月でマスターするように進みます。
テストもだいたい月一で行われますね。2週連続で「円の面積」をやって次の2週で「おうぎ型の面積」をやるとか、ゆっくりじっくり進んでいきます。家庭学習も、ゆっくりじっくり課題を繰り返していくわけです。
ある時、気が付いたのです。
娘の場合、新出単元を1か月でマスターできず、1.5か月くらい掛かってしまう。
一言でいえば、理解力に乏しい。
言葉を選べば、理解に時間を要するタイプなのでした。
「理解に時間を要するタイプでも、コツコツ続けていれば伸びます」みたいなことを言っていた気がします。どこかで聞いたような台詞ですね。
これを聞いて「そうだったのか!ならば、安心」となる保護者はいないでしょう。
ともあれ。4年生は新しいことしか習いません。
「習うことすべてが新出事項」という状態は、理解の遅い子にはたいそう不利です。
となると、月々の模試がパッとしないとは当然です。わが子はどんどん遅れていきます。
結局、わが子は1か月タームをあきらめ、1.5か月かけて単元をマスターする方法を取りました。
「今月習う新しい単元」と、「先月マスターできなかった単元」を並行して進行するってわけです。まぁ、大変でした。大変でしたよ。
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「しつような反復者」が5年で逆転する時
このように、4年生がラクであるかどうかは、子の「飲み込みの良さ」「悪さ」で異なります。悪い場合の4年生はとても「ラク」とは言えません。
その状況で「5年、6年はもっと大変」と言われれば「4年でこれならどうすりゃいいのか!」気分に陥っても仕方がありませんね。
ただ、「飲み込みの悪さ」は中学受験において致命的ではありません。
3年間もあるわけです。
「続けていれば伸びます」という言葉は当時はまったく響きませんでした。
が、その程度の解決法しかなく、逆に言えばその程度で解決できる悩みでもあるということで。
できない子も少し前にあれほど悩んだ立体図形を、次の単元を習ったあたりではできるようになっているのです。(中略)今一緒に学んでいる子と歩調は合わないけれど、その差は実は数週間遅れなのです。常に遅れた状態が続くので追い付かないだけです。学力はわずか数週間遅れなのです。
「桜井さん、うちの子受かりますか?」(桜井信一)
本当にこれ以下でも、これ以上でもなかった気がします。
うちの場合、どう考えても基礎問題なのに「しつような反復」を繰り返せざるを得なかったり、けれど、「しつような反復」をしている割に「なんかショボい点数」を取ってきたりとがっくりの連続でした。
5年、6年はどうなることかと、おののいたりね。
確かに学年が上がると別の大変さも生じます。
が、「新しい単元ばっかり!!」という状況は4年から5年前半くらいがピークです。その後は応用に移りつつ、一度やった単元がまた出くるわけです。
「しつような反復者」が真価を発揮するのは実はこの時!
他の生徒より、その単元に関わってきた時間が多いだけに二度目に出てきた時はグッと伸びます。少なくとも、わが子の算数はこの時、確かに伸びた。
4年生、偏差値50前半をウロウロしていたのが、気づけば偏差値60くらいにはなっていた。
蓄積は神ってことです。
油断から復習がおろそかになると5年で逆転されますよ。何も妬みから言っているわけではないですよ!
というわけで、子の成績のパッとしなさにお悩みのあなた、「心には響かない」けど「これ以上はない真実の言葉」を私も最後に送りましょう。
「大丈夫、コツコツ続けていれば伸びますよ」
おまけ:無料教材にお得感ある中学受験のサービス・一覧
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無料テキスト80ページ分。1冊まるまる届くという素晴らしさ(笑)!図形苦手っこは一度取り寄せておいて損はない教材。
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無料テキスト40ページ分。付属の別紙も情報量がすごい。過去には個別並みに詳しい最難関の過去問分析が届いたことも。
●「ブンブンどりむ」
無料テキスト全学年分。これで国語好きにならない子はいないでしょうというくらい良教材。うちは模試で3位を取れました。
●WonderBox
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https://100ukaru.com/wonderbox/
●学研の家庭教師
前述しましたが、パワポで作った感じの「中学受験Q&A」が意外と役に立つ。
「物語文は口調の変化に印つける」「公民は図を書いて覚える」など学習ポイントになるほど!