こんにちは。中学受験100%ウカルログ管理人ことハンドレッドの友です。
吉祥女子社会・歴史編に続く、地理編です。特に社会が得意なわけでもない親が実際に解いてみた、やり過ぎ感のある過去問対策です。
わたくしの自虐などどうでもよいのです。数は少なくとも、この記事を熱望している人が必ずいるはず。そんなあなたのために書きますよ。
塩田とか干潟とか干拓が好き
干潟と干拓と塩田の違いは言えますか?
おっしゃる通り。都心の小学生にとって「だいたい多分そんな感じ」の存在が干潟、干拓、塩田です。あるいは「かくかくした漢字の多い何か」くらいの印象でしょう。
しかし、カエルでそれを知らないのは生命の危機に関わりますよ。ハンドレッド先生は干潟には住めます。しかし、干拓や塩田には住めないでしょう。
潮干狩りで有名な干潟は砂や泥などの形状から自然とできるものですが、干拓と塩田は人工的に水を干上がらせたりしますね。干潟だと思って干拓にいたら、干上がりますよ、ハンドレッド。
ともあれ、吉祥女子を受ける子はこの3つを写真などで見てその違いをクリアーにしておくのがよろしい。
30年第1回には干潟を尋ねる問題がありました。
「千葉県にあるラムサール条約で保護された干潟は何ですか?」
「答え:谷津干潟」
この干潟、実はわたくしは知りませんでした。
しかし、過去問を遡ってみると伏線がありましょう。
「千葉県にある谷津干潟は水鳥の生息地のため、ある国際条約によって保護されています。それは何ですか?」
「答え:ラムサール条約」(27年第3回)
そうなのです。歴史の際にも書きましたが、吉祥社会は過去の登場事項が再登場するのです。
シリーズ物のファンサービスのようで、そこに着目すると楽しめますよ。だから、繰り返しが大事なのです。問題文含め、記号選択肢の正解以外の文章を含め、繰り返し、繰り返し、読み込むのです。
なお、塩田つながりでいきますと、吉祥先生は塩の話も好きです。過去には歴史で「塩の製造販売を独占した藩」を問うような問題も出ていましたよ。
地学分野で使われる用語は要チェック
あとは「三角州」や「棚田」なども過去に出題されたことがあり、要注意です。
一般常識のないわたくしはカテゴライズに困りますが、海外線を含み土地の形状やら改良やら、吉祥の先生はお好きです。そもそも地理は土地あってのものですから、当然といや当然ですがね。
これに近いところで「関東ローム層」が30年に出題されていますが、理科とかぶる用語もたいへん多いですよ。
「フォッサマグナ」とか「カルスト地形」とか、「フェーン現象」や「ヒートアイランド現象」などですね。
「フェーン現象」は理科の方でも過去に出題されたことがあったような、なかったような。つまり、社会でこれらを固めておくのは理科対策にも通じるということですよ。
頻出のカタカナ用語、過去には二度出た問題も
また、吉祥地理ではカタカナ用語を問う時事問題が頻出です。30年第1回では「ポートアイランド」「バリアフリー」「ユーロ」と3つ出てますね。
大人はそう思うのですが、小学生はそう思わないらしいのです。わが子は「バリアフリー」と「ユニバーサルデザイン」をたびたび間違えました。「ノーマライゼーション」とかもですね。
英語もろくに知らない子どもの場合、「塩田」とか「干拓」以上に想像しがたいものらしいのです。表面のツルツルしたつかみどころのない言葉を覚えさせられているというのか。
31年度はおそらく出ないでしょうが、その翌年以降はわかりませんよ?というのも、吉祥は過去に出たカタカナ用語を再出題しているのです。
過去に2度出題されたカタカナ用語
「アイヌ」 29年度と25年度
「ユネスコ」 29年度と26年度
「セーフガード」 27年度と25年度
あとはまったく同じではありませんが、「Uターン」の出た数年後に「Jターン」を問う問題もありました。次は「Iターン」かもしれません。「リデュース」は過去に出ましたが、「リユース」「リサイクル」などの仲間用語もしっかりチェックした方がよいでしょう。
というわけで、過去に出されたからといって暗記事項からカットしてしまうのは危険です。何度だって書きますが、吉祥の入試問題のヒントは文字通り過去にあります。
なお、そのまんま「このカタカナ用語を答えなさい」という形式でなくとも、他の出題形式で関連事項を聞かれる可能性は高いです。
吉祥先生の出題はかなり筋が通っています。つまり、「受験生にこれを知っておいて欲しい」という事象にブレがないのですよ。
過去問の答えを見て、用語を抜き出しましょう。「その用語」+「その用語に関連するカタカナ用語」をまずは覚えてしまうことが効率的だと思うのです。
雨温図はハードル高め 同じ県内での比較も
毎回、2、3問は出てますね。これに関しては最新の「日本のすがた」でチェックした方がよさそうです。
雨温図も出ます。しかも、結構難しいのです。というのも、北海道の3都市比べであったり、同じ長野でも野辺山と諏訪あたりを比較するものが登場したりするのです。
雨温図って基本中の基本くらいの気持ちでいましたから子が間違えた時は「いらっ!」とするものですが「テキストに載っている主なもの」を見比べるだけは足りない場合もあります。
出るといっても、3回の試験のうち1回か2回ですし、たった2点なので基本を覚えたら後は捨てるという作戦でもよいのかもしれません。
あとは地形図を見て、正しいものを選ばせる問題も良く出ますが逆に娘はこれを捨てました。難度の問題ではなくそもそも苦手だったからですがね。地形図などは覚えてしまえば、応用が利くはずの分野です。
が、直前期に入ってどうも解決できないものは、潔く切り捨てるのも戦略の一つだとは思います。
どこの地域が出やすいか?
は、正直わかりません。けれど、しつこいほどに言いますが、過去問にヒントがあります。過去に出てきた場所や事、それらは吉祥合格のための最重要案件ですよ。次に例を挙げましょう。
『I LOVE ポートアイランド』???
以下は吉祥社会で出た記号選択肢の一文です。
”Bの海岸線には六甲山地の土を利用した埋め立てによる人工島がつくられ、コンテナ輸送用の設備が整備されたため、神戸港がさらに発達した”(25年第3回の記号選択肢から)
文中にある埋め立てによる人工島、これは神戸のポートアイランドのことですね。ポートアイランドは翌々年に再登場します。
”かつて神戸港の沖合だった場所には、現在は市の中心部とポートアイランド線で結ばれた人工島があり、その北東部には工場や発電所がある”(27年第1回の記号選択肢から)
で、さらにその翌々年の問題を見るとですね。次のような一文がありました。
”関西国際空港は兵庫県神戸市のポートアイランドの沖合を埋め立ててつくられ、24時間運用の国際線専用空港となっている”(29年第2回の記号選択肢から)
「関空は大阪の泉佐野じゃろ!」と言いたいところですが、たとえ知らなくても、ポートアイランドをしっかり復習しておけば×とわかる問題でしょう。
というわけで、もうさすがにポートアイランドは出ないだろう、やらなくていいだろう。
そう思ったでしょう、今、あなた。
ところが、です。
”六甲山地の山を埋め立ててつくられ、神戸空港とつながっている人工島を何と言いますか?”(30年度第1回)
おっしゃる通りのハンドレッド先生。
こういうことがままあるのです。なお、先ほど関空が出てきましたが、大阪国際空港(伊丹空港)の騒音問題も何度か登場しています。
”Dの地域では、国際空港における航空機の離着陸をめぐって、周辺住民が騒音・振動に悩まされた”(25年第1回)
”大阪国際空港は、かつて航空機の騒音が問題となり、現在原則として夜9時以降の離着陸が禁止されている”(29年第2回)
もちろん、再登場するのは関西ネタばかりではないですよ。わたくしが言いたいのは、吉祥の先生は熱望組を取りたいということ。「過去問をしっかりやってくれた子に入学して欲しい」、そういう想いがちゃんとちゃんと現れています。
繰り返す、繰り返す、何が何でも繰り返す、わかりましたか?
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