本日は中受6年生の1年間を振り返ってみたいと思います。これから6年生の親御さんはもとより、4年生、5年生にも参考にしていただければ幸いです。
偏差値60以上を目指すなら秋以降はその可能性が高いでしょうね。行く先には「The 受験生」といった生活が待ち構えています。
「果たして、子どもにできるのか?」
ハラハラする保護者をよそに、形だけなら「The 受験生」はそう難しくありません。塾に通っているならなおのこと。授業時間が8時間超えるなんてザラですからね。
一方でやってもやっても勉強時間が足りないのが6年生。
おっしゃる通りのハンドレッド。
アンチ中学受験派から見れば、いえ、アンチでなくとも「いったい全体アンタたち何やってんの!?」とツッコみたくもなるでしょう。
逆に言えば、塾でそれだけやるからこそ復習が間に合わなくもなるのです。
4、5年までやってきた勉強法は一旦リセットするほかありません。今回はわが子の例を挙げつつ、6年生を振り返ってみることにしました。
6年になると授業の復習は出来なくなります
うちでは、5年生のころまで算数だけはしっかり授業の復習をしておりました。
宿題が出るから当然といや当然なのですが、一度きりでなくテスト前までに何度も繰り返したりですね。短期間で繰り返しますと答えを覚えてしまいますから、大量の類題を探したりですね。
しつような反復により、算数の成績は上がっていったわけですが。
授業の反復がいきなり難しくなるわけです。
5年で週3回だった塾が、6年になると週5回になったりします。後期には毎日曜日に10時間近い特訓講座が入ってきたりですね。
となると、家庭での勉強は平日夜と土曜の日中のみ。たまの休みと思いきや合不合などの模試が入ってきたりね。なのに、算数以外も本腰を入れなければならなったりね。
家庭での学習時間をいくら足しても「くまなく反復」はまずムリです。断るまでもないですが、眠たい子の睡眠時間を削っては絶対にダメですよ。
すべての授業どころか、算数の授業すら復習できなくなりました。
開いてもいない復習用テキストがものすごい勢いで積み重なっていきます。4、5年まで徹底反復をモットーとしていただけにテキストのたまりっぷりには胸が痛くなりましょう。
けれど、母はそれをガマンするしかありません。6年になると「買ったけど使わない」「やりかけたけど最後までやらない」「やったらやりっぱなし」といった雑な感じが増えていきます。
しかし、最後までやり切るより、効率を重視する方が大切です。
おっしゃる通りのハンドレッド。
「反復が大切とわかっているのに反復する時間がないジレンマ」
6年生を一言で表すとこうなります。一言にしては長すぎますがね。
5年生の段で「勉強しすぎないように」と書いた理由もここにあります。丁寧に、丁寧に、ストイックにやってきた親子ほど、6年時の雑さにジレンマを感じることになります。
まったく、と問われればさすがに「まさか」です。
「テキストの問題ぜんぶ!」とか「間違えた問題ぜんぶ!」みたいなことはもうしませんでした。子にとっての必要最低限の問題だけです。これは過去問や模試の直しも同様です。
ざっくりとした喩えですが、1週間の塾の授業で10のカリキュラムを扱うとしますね。われわれがしっかり復習できるのはそのうちの2か3程度です。
あとは捨てます。心配なら「授業中にわが子はしっかり理解した!」、そうマントラを唱えてから捨ててください。
家庭学習は「苦手」にのみフォーカスする
さて、授業の徹底復習をあきらめたら、物理的にも精神的にもスキマができますね。
そのスキマでやると決めた単元だけは「完全理解」を目指すのです。
大事なのは取捨選択です。親のスキルが発揮されるのは「6年で何をやり、何をやらないか」なのです。
成功すれば、優位に立てるというだけのこと。失敗しても大したことではありません。
われわれ6年生の親はギリギリの境地にいますので「いちか、ばちか」みたいな極端に走りがちですがそうではない。
トライアンドエラーを繰り返せばいいだけのこと。
取捨選択のキモは第一志望に出そうなところですね。出そう、かつ苦手な単元。6年初期から集中的に特訓できたなら入試日の勝ちは決まったようなものでしょう。
しかし、過去問の分析は簡単ではありません。試した私に言わせてもらえれば、プロでもない素人が目で見て得られる情報はほぼ意味のないものばかり。
「速さが出る」とか「図形が出る」とかね。そんなこと、見なくたって、私だって、すべての学校で言えますよ。
加えて、志望校がまだまだフラフラ定まらない、そういう子どもの6年前期は苦手克服です。1週間でも2週間でも期間を決めて一つ一つ潰していくのがおすすめです。
あれもこれもと欲張ってはいけませんよ。1教科1単元ずつ、プラス塾のどうしてもやらなきゃならない宿題とか小テスト対策少々で日々の家庭学習は目いっぱいになります。
とはいえ、6年になると課題は出されても任意のことも多いです。
過去問シーズンに入りますとその傾向に拍車がかかります。質量ともに最も大変な時期には違いありませんが、4、5年生と比較すると「個人の苦手」にはフォーカスし易いはず。
早稲アカや四谷大塚、サピックスあたりは5年で中受の範囲が終了します。
6年生の授業は「単元別の演習」だったり、「様々な学校の過去問」が中心になります。要は「4、5年の総復習」をやるわけですね。
授業で「総復習」をやってくれるわけですから、家庭では「個人の苦手」にフォーカスしましょう。6年生とはそういうもの、割り切ってしまえば効率の良い学習ができると思います。
なお、「親、大変そー」「あっちゃー」な気分に陥ってるあなた。6年は特に親の情報戦がモノ言います。模試と同時進行で行われるセミナーはもちろん、会場の外で配布されるチラシですら見落としてくれるな。
※上記は学研の家庭教師
「公民は図で覚えよ」とかね。塾や模試のお悩みQ&Aもあり。家庭教師を考えている人は資料請求するのもいいかも。
成績良さげなあの子だって「あっちゃー」な点数は取っている
おっしゃる通りのハンドレッド。
娘の塾では5月か6月頃には「算数ばかりやるのではなく、徐々に理科や社会の勉強時間を増やすように」との指導がありました。
4、5年生までの学習時間は「算数7:国理社3」の比率でしたが、6年前期は「算数4:理科3:国語2:社会1」みたいな感じになりました。
文系女子でしたからね。社会は前期で「1」もやってないかもしれません。
というのも、5年後期から本腰を入れ始めた理科が半年過ぎてもダメダメだったのです。
塾の先生とも話し、「得意(と思われた)社会は夏以降に着手する」として、7月頃までは社会の時間はほぼすべて理科に投入したのですね。
結果が出ないどころか。
もう何度も読んで飽き飽きの読者もいらっしゃるでしょうが、理科はやってもやってもダメでした。その上、勉強時間を大幅に奪われた社会の点数も落ちていきました。
確か6年6月頃の塾テストでは
「毎日1時間半勉強していた理科」と「毎日10分程度しか勉強できなくなっていた社会」が同じ偏差値
でした。
いくつか?ですって。
二教科とも偏差値46でしたよ!!
何故こんな話を持ち出したかというと、今回ばかりは娘のダメ自慢ではありません。
子どもそれぞれ形こそ違えど「あっちゃー!」となるのは中学受験でよく起こること。
特に6年になると「あっちゃー!」はますます増えます。
受験まで近いこともあり悲壮感も高まります。
けれど、安心してください。
みんなそうなのですから。
成績良さげなあの子だって、その親だって、口に出さないだけで全員「あっちゃー!」は経験しているのです。
それでも志望校には合格するのです。
今だから言いますが、私自身、ママ友の前では涼しい顔をしておりましたからね。
「理科が悪い、悪い」くらいのことは言った気がしますが、謙遜していると思われたようでね。敢えて誤解は解きませんでした。
「偏差値60台を目指していながら6年で理社ともども46だった!」とか「合不合で合格可能性20%だった!」とは思ってもみなかったことでしょう。
だいたいはおっしゃる通りのハンドレッド。
みんな、言わないのです。言わないのですが、みんな同じように苦しんでいるのです。
あなた一人ではありませんよ。
理社は「範囲なしの模試」で苦手度を早めにチェック
話が前後しましたが、科目ごとの勉強比率の話です。続きです。
6年前期の勉強比率は「算数4:理科3:国語2:社会1」くらいな感じでしたが、6年9月で「理科4:算数3:社会2:国語1」、6年11月で「社会4:算数3:理科2:国語1」と変化していきました。
別の角度から言いますと、苦手克服にかけるのは6年の10月ごろまで、11月以降は得意科目に注力するのが効率的です。
というのは、何かで読んだ受け売りですがやってみてその通りだと感じました。
さらに受け売りですが、暗記ものは夏休みにざっくりと復習し、細かい部分は10月、11月以降で集中投下するのが鉄則です。こちらもやってみてその通りだと感じました。
よほど苦手ではない限り、社会はギリでの巻き返しが可能です。6年6月に偏差値46だった娘ですら秋以降、偏差値60は取れていましたからね。
過去問が取れないなどのバタバタはありましたがやればやっただけ成果の出る、たいへん有難い科目です。
ちなみに、うちのように4、5年生で理科や社会をサボりがちだった場合、
「やっていないから苦手」なのか「本当に苦手」なのか、よくわからないことも多いはず。
6年後期に後者であったと判明したら、たいへん厳しい気持ちになります。ここは早いうちに確認しておきたいところ。
決め手は5年終わりから6年初めで受ける「範囲なしの模試」です。公開模試でも塾の模試でも構いません。
「やっていないから苦手」の場合はやっていなくても平均以上は取れます。逆に「本当に苦手」の場合は何回受けても平均点を下回ります。
この時、「やっていないから平均点を取れないのだ」と楽観的に考えないように。6年初めの時点で理社に力を入れている子は少ないのです。
子の「苦手さ」を踏まえつつ、それをどうカバーしていくか、考えながら計画を立てましょう。
「平均点を超えたり、超えなかったり」ならさほど心配はいりませんし、「何度やっても平均点を超える」場合はその科目が実は得意だということ。
「みんなが勉強する秋以降に偏差値を上げるのは難しい」と言われますが、後者の場合は60越えの難しさをあまり感じないと思われます。
おっしゃる通りのハンドレッド。
偏差値70や偏差値50を目指す場合は、その「得意」のレベルも「苦手」の基準も違ってくるとは思います。
また、国語や算数は必ずしもこの基準にはあてはまらないと思われます。特に算数は理社と比較し、殆どの子が、既にがっつりやっていますからね。
算数のグダグダは前期のうちに解決する
読者を脅すようですが、確かにそれもおっしゃる通り。
4年、5年時のような単元別学習ではなく、演習は全範囲のミックスです。
「倍数算」と名打たれた4、5年生までの授業なら「これは倍数算で解けばよい」とわかります。
が、入試問題では倍数算の問題の前に「倍数算」なんてヒントは書かれません。
ランダムに並んだ問題を見て、瞬時に「ああ、これは相当算ね」とか「倍数変化算で解くやつね」と閃かないとまずい、わけです。
ですので、それが閃かない子どもの6年前期の選択肢はひとつ。
グダグダ算数をどうにかすること。
塾では「理科や社会もやってください」と言われるでしょうが、算数のグダグダ解決が先決です。他教科が下がったとしてもここは信念を持って取り組みましょう。
なお、解法パターンが閃かない子はランダムな一行問題集がおすすめです。
以前にも紹介しましたが、パターンを瞬間的に選別するのに最適な問題集です。
もう一冊。
下剋上算数は基礎編もありますが、偏差値60を目指す6年生なら難関編がおすすめです。100回分の全てをやらなくても結構。
わが子は5年後期から6年初めにかけ20~30回分を解いたか、解かなかったか。間違えた問題のみ何度か繰り返しました。
これで、一行問題は過去問でもよく取れるようになりましたね。実際の受験生の得点表もあり、子どもは励みになったようです。
ともあれ、夏が過ぎると算数に十分な時間を割くことは難しくなります。
算数が苦手でも他3教科でカバーすることは可能ですが、まずは背水の陣くらいの気持ちで6年前半を費やしてみること。
なお、個別指導や家庭教師は探すつもりなら早い方がいいです。
「6年になったら空きがありませんよ!」は塾側のセールストークかと思いましたが、これ、ホント。SS-1
6年7月上旬の段階で「空き無し教室」ばっかり!頼みの綱と思ってクリックしたときのショックときや!中学受験専門の個別ほどシビアな状況になります。
うちは成績波乱気味だったので実は個別なんかの小冊子も結構持っていました。
結局、行かずに終えたもののこの手の冊子は役立ちますよ。
【個別教室のトライ】
※当ブログが本になりました!合格率20%でも全勝した体験記です。Kindle会員になればタダ。凹みメンタルに効きますよ↓