こんにちは。中学受験100%ウカルログ管理人ことハンドレッドの友ですよ。今回はタイトルそのままで、それ以上の話ではないのですがね。
いえいえ、勘違いしないでください。うちのことではないのですよ。
確かに娘は第一志望で合格可能性20%を取りました。過去問も10回解いても合格者平均点に届きませんでした。
が。
高望みだったとは親子ともどもまったく思っていなかったのです。塾の先生にだって、戒められたことはただの一度もございませんし。
そうでしょうとも。
ともあれ、ここでの「高望み」を定義すると偏差値60のポジションすら不安定なのに、御三家とか慶應とか筑駒とか狙おうとするようなイメージです。楽天家のハンドレッドですら「いやいや、それはちょっと……」と思うような。
大丈夫ですか? イメージできましたか? それでは話を進めますよ。
女子学院と書いて笑われたらどうしよう
さて、以前読んだ本の中に「入塾したばかりの頃、多くの親はわが子が御三家に入る可能性もゼロではない、くらいの気持ちではいるはずです」みたいなことが書いてありましてね。
入塾しばらくはうちだって「あわよくば女子学院」くらいの気持ちを持っていたのは事実です。けれど、4年時の志望校アンケートでは「吉祥女子」とか「桜修館」とか書いていたわけですね。
なぜ、女子学院と素直に書かなかったのか?
これはもう、お察しの通り、恥ずかしかったからです。御三家と書くのは恥ずかしい。同じ最難関の渋渋や豊島岡にはない、独特の恥ずかしさが伴うわけです。
もちろん、塾の先生からすれば、入塾当時の親の高望みなんて慣れっこのはず。うちが女子学院と書いたところで、影でみんなで笑ったり、「図々しいやつめ!」みたいなことは思わなかったことでしょう。
それでもね。その時はもう少し偏差値が近づいたらに留め置こう、くらいに思ったのですよ。この先、成績がぐんぐん上がり「女子学院とか、どうですか?」みたいなことを言われる状況を夢想していたのかもしれません。
私は何も、スマホ前のあなたが同じ経緯を辿るとは言いませんよ。
言いませんけど、その後のわが家の話をさせてくださいね。
成績はあわよくばぐんぐん上がることはなく。「女子学院とか、どですか?」なんてことを言われることもなく。
4年の時に書いた学校に進学することになりました。もちろん、そのこと自体は満足しています。今回の主題は別にあるので脇に置きますがね。
桜蔭を受けるなら偏差値50校を滑り止めに
2つ目の例に行きましょう。小学校の同級生の話です。
その子と娘は学校では同じくらいの成績でした。塾は違いましたが、その時点では両者間に大きな差はなかったはず。ともあれ、ママとは、よく話をしましてね。ある時、彼女がこう言ったのです。
ママ友「〇〇ちゃん、志望校どうするの? 女子学院とか?」
この辺はよくあるやり取りです。とりあえず、儀礼上としての御三家です。
いやいやいや、私はやんわりと流しました。「女子学院とか、どですか?」とか塾から言われることを夢想しているなどとはおくびにも出さず。
でもって、「〇〇ちゃんこそ、どうすんの?」と返したらば。
ママ友「うん、桜蔭がいいかなぁって思ってる」
思ってませんよ。といいつつも、難しいだろうなとは思いましたがね。
一方で、その言い切りに眩しさを覚えました。私なんてママ友ヅラして隠しごとをしているわけです。人としての大らかさとか、度量とか、なんというか自分にないものをこの人は持っているのだなとね。
さて、半年経ち、1年経ち。
桜蔭を目指しているだけはあって親子はよく頑張りました。大規模校ながら塾のクラスも上の方でしたしね。気がつけば、すっかり水を開けられたようです。
さらに6年生。夏前の志望校面談の直後に彼女に会いました。
かなり蒼然としていました。
ママ友「2月1日、桜蔭受けていいって」
ママ友「ただし、2日は偏差値50のところを受けろって」
思ってませんって!いったい、どれだけ性格悪いと思ってんですか!
性格悪いのは私よりも、その塾の先生でしょう。1日受けてもいいも何も、はなからムリって引導を渡されているようなものじゃないですか。
彼女は泣く泣く桜蔭をあきらめました。
ここで補足しておきますと、東京の中学受験は2月1日に始まり、5日くらいまで続きます。多くの子が1日に本命校を受験しますね。
合格すればそこで受験終了となりますが、残念だったら翌日以降に再チャレンジ(※合格発表日の兼ね合いで例外もあり)。前日に、より高い学校を受けた層が集中する背景から、2日以降の学校偏差値は倍率とともに難度が上がります。
ママ友の場合、2日の滑り止めに偏差値60程度の学校を考えていたようです。が、1日に受けるならともかく「娘さんの実力では2日の60台は厳しいでしょう」と言われたとか。
ともあれ。彼女に友情を感じていましたから「ほら、みたことか」までは思いませんでしたが、「やっぱりな」みたいなことは思ったかもしれません。「高望み」はするべきじゃないなともね。
続きがあるのですよ。
親子は豊島岡を第一志望に変えました。
豊島岡!志望校アンケートに御三家と書くよりも気持ち的にはまだラクな新興校ですが、しかし偏差値は70です。難しさ的には桜蔭とはほとんど変わりません。
ただ、この学校の入試は2月2日がスタートです。1日に偏差値60前後の学校を受け、そこで勝ちを取ってからチャレンジしようという戦略ですね。
塾の先生にしても、ママ友にしても1日の偏差値60校はともかく、豊島岡には合格できるとは思っていなかったようですが。
結果的に。
2月1日は合格。2日の豊島岡は残念だったものの、3日で合格。
1月校を併せると合格した学校はすべて偏差値60以上でした。偏差値50を滑り止めにしようとした塾の先生はどう思ったことでしょうね。
戦略があれば、どんな学校でも合格の可能性はゼロではなくなる
直前期の激伸び現象は確かにあちこちで見られます。
しかしながら、ママ友がもし、そのお子さんがもし、「いきなり桜蔭」ではなく「あわよくば桜蔭」みたいなセコイ考え方であったら、豊島岡もどうだったのかなーなどと勝手に思った次第です。
桜蔭志望のつもりで2年以上勉強してきたからこそ(その時点では学力が開花していなかったとしても)、最後の半年で桜蔭に匹敵するくらいの豊島岡に合格できたのではないかと、しごく勝手に分析しているわけです。
結局、最難関クラスの中学に行く子というのは
1、 ぶっちぎりで学力センスの高い子
2、 そこにどうしても行きたい子
で構成されますね。
1のタイプであれば、最初に偏差値60くらいの学校を設定していたとしても「女子学院とか、どですか?」と言われる可能性も高いでしょう。
しかしながら1以外の普通の子、たまに出来たり、そうかと思えばほとんどは出来なかったりみたいなタイプの子が「女子学院とか、どですか?」と言われる可能性はとてつもなく低く、よって、その子が女子学院に行ける目はほぼゼロに近いでしょう。
一方、出来たり出来なかったりは同じでも「女子学院に行きたいんです!」と明言するご家庭であれば、先生はその方向で策を練ってくれるでしょう。
その子が女子学院に行ける目は少なくとも上記よりはずっと高いはず。
仮に女子学院に届かなかったとしても、もともとのポテンシャルより高いところに行ける可能性は高くなる気がします。
いや、うちはムリだったでしょうがね。
ただ、成績はもう少し違ったものになっていたかもしれません。仮に御三家を目指すと公言したら、先生のアドバイスも違ってきたでしょう。親としても御三家情報を真剣に集めたことでしょう。
で、偏差値60を目指すなら4年生は算数を頑張ればいいのですが、御三家を目指すなら理科も社会もしっかりやらなきゃならんと気づいたはずです。桜蔭を目指していた子もその時期から4科がっちりやっていましたしね。
何にしても実際の受験より、ハードなものになったことでしょうが、意識したり、決意する者のところへ情報は集まりますね。
情報が集まれば、方向性というか戦略が決まります。
戦略が決まれば、どんな学校であれ合格の可能性はゼロではなくなります。
えっ?と思うような子が逆転合格するケースは
メンド―そうに思えるかもしれませんが、なんてことはない、塾に通っているなら、先生に聞けばいいだけのこと。
うちのように自意識過剰になるのはただただ損です。すぐ傍にコンサルタントがいるのに、相談しないのと同じことですね。
とはいえど。
豊島岡のママは戦略的だったと思いますが、たまに「知ってる学校をテキトーに選んでないか?」という方もいるわけですよ。
「ほんとにそれで大丈夫なのか?」と失礼ながら思ってしまうようなね。
たとえば、6年11月時点で偏差値40前半なのに早実と筑駒志望という、恐るべき男子がいたのですね。さすがに受けさせてもらえませんでしたがね。
ギリギリで志望校総入れ替えみたいなことになったのでしょうが、フタを開ければ偏差値40前半にして偏差値50強の成城中に合格。これはこれで大団円でしょう。
もう一例。5年生で渋渋と十文字を志望校にしていた女子がいました。両者間の偏差値差は25くらいありますかね?
このセレクトの是非はともあれ、実際の偏差値は限りなく十文字よりだったようです。
が、最終的に彼女が入学したのは偏差値60の頌栄女子でした。志望校の選択基準についてはすみませんが、わかりかねます。
私個人は「情報をあるだけ集めて」「比較検討して」「戦略を立てて」というような面倒くさいことを好むタイプなのですよ。完遂できるかどうかは別の話ですがね。
けれど、そうではない人たち、少なくともあまり戦略的には見えなかった親子が持ち偏差値より高い学校にあっさり合格するケースも時々見かけるわけです。
傍で聞いて「えっ?」というような志望校を掲げる人たちほど、最後のパワーはすごいよううなね。最初のパワーもすごいのですがね。
彼らは周囲が思う以上の着地点を見せてくれます。何が起こっているのか、一度話し合いたいくらいなのですが。
そんなつもりはさらさらないのですがね。
というわけで、最後のケースについては未だ探求中ですが、現在、「高望みかな?」と思う学校を志望しているあなた。戦略があろうと、なかろうと、ひとまずは自信を持っていきましょう。
どちらに転んでも未来はそう悪くないですよ。