受験本番になって「併願対策、失敗したか!?」と感じてしまった怖い体験をお届けします。
第一志望はもとより、併願校も固まりかけている人もいるかもしれない。けれど、敢えて問いますよ。「その併願校で本当にいいのですか?」と。
秋以降の第一志望はね。偏差値がどのようなことになろうとも、6年秋以降は変えない方がよいと思います。
けれど、併願校はフレキシブルに。過去問の問題はあるとはいえ、1月校の合否を見て、2月受験を変更する生徒もいるはず。
今回は「併願校あるある」と、そこでありがちな失敗談を考えたいと思いますよ。
併願校の掟:滑り止めは滑り止まらなければ意味はない
↑の出典は失念してしまいましたが、どなたかの本の目次に書かれていたことです。
まぁまぁ。「まったくもってその通り!!」と思いましてフレーズ丸ごと覚えていたのですね。併願は第一志望より10ほどは落としなさい、とかね。
ですので、4年、5年時には第一志望の吉祥に対し、偏差値50前後の併願校を幾つか見つくろっておりました。入試日によって偏差値50に満たないところもありましたが、「校風が気に入ったからそれでよし」「偏差値に惑わされない母ステキ」くらいに考えていたのです。
ただですね。
5年生くらいですと「第一志望とその他」くらいの概念しかないのです。
少なくとも私はそうだったわけです。「気に入った」といってもその時点では、現実に通うつもりなど露ほどもありません。
併願校が「その他」でなくなるのは6年の後期くらいでしょうか。
過去問が取れなかったりですね、合不合が不発に終わったりしてですね。「その他」に行く可能性を現実的に考える局面がやってきます。
で、そういう視点で改めて併願校を眺めますと「たとい、滑りどまっても、物足りない」感じがしてくるわけですよ……。
ここはお咎め覚悟で書きますと「偏差値60目指して偏差値50以下はないだろう!」とかですね。校風いいから母ステキ、みたいな清廉な感じは吹っ飛んでしまうわけです。
冬が迫るにつれ、「少しでも偏差値の高いところへ欲」がドロドログログロとね。
併願を受ける本当の意味!「私立受かったけど、入学辞退したらしいよ」の効果ときや
まったくもって、おっしゃる通りのハンドレッド。偏差値で斬るだけでよいのなら、説明会に行く必要もなくなります。
偏差値のワナにはまりかけた自分が言うのもなんですが、それって実に危険なことだと思うのですよ。
おっしゃる通りのハンドレッド。
中学受験で「全落ち」したところで、長期的な人生において大きな影響があるとは思いません。しかし、短期的人生においては大いに影響がありましょう。
「ダメなら公立でいいし。行かせるつもりのない学校を受けてもね」その意見は正論です。ただ、子どもの世界に正論を持ち込むのは意味がありません。
よく言われることですが、「全落ちで公立に入った」子と「私立に合格したけど、公立に入った」子では心理的ポジションに大いに差が出ます。
私は公立優位の地方出身ゆえ、子どもの頃、中学受験のことは、ほとんど知りませんでした。
しかし、級友から「あいつ、全落ちだったらしいよ」と聞けば、「塾行ってたのにバカなのね」と残酷にも思ったことでしょうし
「私立受かったけど、入学辞退したらしいよ」と級友から聞けば、「よくわからないけどスゴそう!」と思ったことでしょう。
2年ないし、3年間頑張ってきた中学受験生です。
仮に公立に行くことになったとしても、後者のポジションになるべく、ぜひ親が「絶対に受かる併願校」を見つくろってあげて欲しいと思うのです。
受験後に「この学校には通えない」と気づく絶望ときや
併願校問題はほかにもあリます。
うちは併願として品川女子の算数入試を受験しました。品川はね、めちゃくちゃ気に入ったてました。
「第一志望残念でもここなら喜んで通わせたい」くらいのことを思っていた。
……が。
本番のその日。
第一志望受験を終え、午後受験で、品川女子へ。試験最中に校長登壇の説明会(本番でこれは非常に珍しいのです)があったことにも母は満足。
終了後、JR品川駅に向かったのは17時過ぎ。
自宅は山手線経由。
で、JRに乗った途端、
「これはムリだ。これはムリ!うちのチビッ子にはムリ!受かっても通わせられない!困った!参った!併願に失敗した!」
隙間のない車中で絶望しました。
いや、自らにうんざりしましたよ。
たいていの説明会はラッシュ時には当たらない時間帯。山手線の怒涛の込み具合はなんとなく知っていても、普段、満員電車に乗らないのでその辺乏しくなっていた。
山手線に並び、小田急線、井の頭線あたりの混雑具合は地下鉄の比ではないでしょう。
沿線内に学校がある場合はあらかじめ、通学時間帯に乗車してみた方がよさそうです。(※追記:中学入学後、子どもはそれでも慣れるものだと思うようになりましたが)
他に、併願校失敗あるあるは、受験後に子どもが「この学校はちょっと……」と言いだすこと。
頌栄女子を受けた知人の子は試験終了後に「ここは合わない気がする」と衝撃の発言を!
「文化祭では楽しんでたくせに!」母は嘆いていましたが、本番で帰国子女の多さに気圧されたようでした。
この子にしろ、先の品川女子の子にしろ、第一志望に合格したので問題はなかったのですがね。
実際のところ、併願校の場合、子どもが足を運ぶのは「受験当日が初めて」ということもありえます。
そうならないよう、親は4年、5年と文化祭に連れて行ったりするわけですが、成績やら過去問との相性やら第一志望の合否やらを場合の数のごとく、入れ替えたり、何だりするうちに「よくは知らない学校」が残ることもあります。
「よくは知らない学校」が必ずしも悪いとは言わないわけですよ。
「よくは知らない学校」でも合格が決まったのなら、それも何かの縁ですからね。
1勝3敗くらいののち、4日、5日あたりに「今まで行ったこともないけど、ダメもとで受けてみるか」とチャレンジし「見事合格!」というパターンだってありえます。
渦中の親の心情は推して知るべし、というところですがね。
ともあれど。
受験本番中は予期せぬ出来事、予期せぬ感情の振れ、予期せぬ行動などが起こりうるということです。
ネット出願が主流になった今、当初は思いもよらない学校に出願するケースはさらに多くなりそうです。
というわけで。
仮に、今の併願校に満足していたとしても、学校情報の収集はギリギリまで続けて欲しいと思います。
最悪の事態、最高の事態を共にシュミレーションし、併願を組み直してみることはもちろん、先のように通学時間帯に併願校に行ってみるのもオススメです。その時間帯なら生徒の様子も確認できますからね。
数時間でいいのです。第一志望のことは一旦忘れ、併願校に通う子どもの姿をシュミレーションしてみましょう。
「それって落選?」とか余計な疑念は必要ありませんよ。純粋にその学校のことだけ考えてみてください。見えてくるものが必ず、あるはず。
なお、併願校に関してはSS−1テラス
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