こんにちは。中学受験100%ウカルログ管理人ことハンドレッドの友です。
日能研のように6年1月まで模試ラッシュが続く塾もありますが、ほとんどの塾は12月で模試も最後。実力は受験本番まで凍結となります。
最後の模試なのにボロボロだった、嘆くあなたもいることでしょう。その気持ち、わかりますよ、ええ、わかりますとも。
わが子も最後の模試はボロボロでしたからね。
そんなもの、2月に帳尻が合いさえすればよいのですよ。
中学受験というもの、ポジに寄るよりネガに寄ることの方が圧倒的に多いわけです。
知人の子に偏差値80で「チャレンジ校なし」といったネタのような人間もいましたが、彼以外の親ほぼ全員は絶望に寄る方が多いのです。
今の今も「大団円」といった気持ちでいる親よりも、まったり沈んだ親の方が多いことでしょう。この局面をどう考えるか、どう利用するか、すべては親次第なのですよ。
本当の「大団円」を呼び込むために、何をすべきなのか?
最後の模試のボロボロ体験から、みなさまとともに考えてみたいと思います。
志望校対策に特化したら模試が下がっても仕方ない
わが子が12月に受けた最後の模試「合不合判定テスト」は第一志望の合格可能性が35%とか40%とか。
しかし、合不合からのダメ出しはもう慣れたというのか、それほどのショックは受けませんでした。「一に過去問、二に過去問、三、四がなくて、五に過去問」という時期でもあり、模試の重要度も低くなっていたからです。
本ブログで何度か紹介してきた熊野本のアドバイスも心の糧となりました。
“6年後期に普通の模試の成績が上がるのは、必ずしも良い兆候であるとは限りません。最終的に難関校に合格した受験生には、6年後期に普通の模試の成績が少し下がっていたという例が意外に多く、その逆(6年後期に成績が上がり、難関校に不合格になる)の例も少なくありません。”「算数の戦略的学習法 難関中学編」熊野孝哉著
この本のターゲットは偏差値60レベルというより、65以上や最難関のような気もするわけですが、それはともあれ。
著者の言いたいことは、志望校に特化した勉強を進めるべし、また、特化する以上、ランダムに出題される合不合やサピックスオープン、合格判定テスト等々の点数が下がるのはやむなし、ということですね。
それも、おっしゃる通りです。
親が用心深く見極めていく必要はありましょう。わたくしがチェックしたのは模試と過去問との差異でしたね。
「模試では取れていないけど、過去問で取れている」なら模試がどれだけ悪くてもスルーです。その逆に「模試では取れているけど、過去問では取れていない」ならマズイわけです。が、同時に、過去問の点数アップにつなげるヒントが隠されているといえるのです。
合不合と相性がいい?それは全く意味がありません
娘の最後の合不合に話を戻します。
答え合わせをしたところ、算数は取れていたわけです。
何度か同じ模試を受け続けますと、たとえば「算数なら100点プラスαで偏差値60行くか、どうか」みたいな線が見えてきますね。で、この時点で「第一志望の吉祥ラインは超えた」とガッツポーズをしたくなったわけです。
が、蓋を開ければ平均点が珍しく高騰。算数偏差値が60を超すこともなく。成績表を見ながら、しばし固まったことでしょう。
算数さえよければね。
志望校と傾向が似ていたわけではないのですが、他教科よりは連動が見られる気がしました。親の「算数崇拝」も多少は入っていますがね。
結局、偏差値60に届いたのは社会だけ。
しかし、この段階で過去問の社会はまったく取れていません。合不合の社会とは相性がいいのか、ずっと安定していました。
おっしゃる通り、一時的に気分が上がるだけで何の意味もありません。
むしろ、このことで油断し、社会対策がギリギリになったところもありましたね。「社会はギリギリでも伸びる」という素晴らしい教科であるため、致命傷にはなりませんでしたが。(参:「直前期にまだ新しい単元をやっていた話」近日公開!)
一方、理科は6年9月ごろまで偏差値40台の常連でした。
「これでもか!これでもか!」と力技的な勉強を繰り返し、6年10月に偏差値10アップへ。12月はそれより下がりましたが、偏差値50台は死守しました。問題を見ますと、吉祥女子で頻出ではない単元が。だから、いいのです。もういいのです。
稼ぎ頭のはずが、一番悪かったのは国語でした。
なんと偏差値40台です。
しかし、既に海千山千、5年時から模試を受けさせてきた親としてはこんなこと、もう慣れっこなのです。
合不合の国語なんて、まともに取れた試しがないのですよ。
信じられないでしょうが国語は娘の得意科目でした。塾では、5つあるうちの一番上のクラスにいました。
ということは、娘が偏差値40台なら、塾の子どもたちのほとんどが偏差値40以下になるということ!!
「その塾こそ、大丈夫か?」思う向きにお答えしますと、娘と同じように、合不合がボロボロでも合格者は続々でした。
しょせん、模試などそんなもの。
合不合国語が最悪だった娘ですが、吉祥女子の国語はかなりの確率で合格者平均が取れていました。
というわけで、この教科に関する結論は一つ。
12月時点での学力など信用なりません
娘の場合は極端かもしれませんが、模試と過去問の出来とが連動するとは限りません。その距離感を図り、模試で取れたとしても安心はせず、取れなかったとしても必要以上に焦らないことが大切だと思います。
これまで良かったものが急に下がると「焦るな」という方がムリでしょうがね。
しかし、小学生の成績に乱高下はつきもの。3年間中学受験をやってきたとして、多くの方にとっては何もこれが初めての急降下ではないはずです。
最後の模試が悪いのはむしろプラスになることもあるでしょう。
おっしゃる通りのハンドレッド。
エンジンに火がつく頃合いと、怒涛の直前期特訓が重なることが望ましいわけですよ。
エンジンが掛かっていないと、たとい塾や家庭教師やはたまた親が最高最強のカリキュラムを組んだところで効果は薄そうですね。
以前も書きましたが、肌感覚でいえば、ある子どもの12月対1月対比では1、5倍~2倍くらい賢くなってるんじゃないかと思うほどです。直前期とはそれくらい、伸びるものです。
逆に言えば、12月時点の学力はまだまだ信用ならないわけです。
けれど、模試にせよ、過去問にせよ、悪いと親はしょんぼりしますし、こう本番が迫ってきますと絶望的な気分にもなりましょう。
イヤな気分を払しょくしようにも、まとわりついてダメな時。そんな場合の対処法もお教えしましょう。
絶望した気分のままでいいので、お母さん、お父さんは最後の模試と過去問の出来とを照らし合わせてみてください。「模試はできたが、過去問はできない」「模試はできない、過去問もできない」科目を中心に見てください。
その時に「あれもダメ」「これもダメ」、さらなる絶望感が襲ってくるかもしれませんが、そこは無視して続けるのです。模試の解説を見てもいいし、分析結果を調べてもいい。本当なら、試しに自分も解いてみるのが一番いい。
時間は掛かるかもしれませんが、必ずや学習のヒントが見えてくるはずです。ヒントが見えてくる頃には絶望も軽くなっているはずですよ。