中学受験を控えた皆さま、ハンドレッドの友です。
わが子は道中、絶望組ながら、どうにかこうにか100%合格で中学受験を終えることができました。
「こんなにグダグダでよく受かったものだ!」と思う一方、「経過はグダグダではあったけれど『ものすごーく』が100個つくくらいは頑張ったのだ!」と思う自分もいたり。
おっしゃる通りのハンドレッド。
あくまで個人の体験です。合格のコツなんて偉そうにと思うあなたは100%正しいのですが、そこは心を大らかに。4年生から直前期まで、「うちはこれをやったからこそ合格できた」ことを振り返ってみます。★の数による重要度付きで!
第一志望に合格するための11ヶ条
その1: 4、5年生は算数ファースト!理社で上位クラスを目指さない ★★★★
理社は算国よりも成績上位者一覧に載りやすいです。順位が上がると親も子もモチベーションが高まります。よってその作戦に頼りたくなる気持ちは非常にわかる。
ただし!理社に頼りすぎると、5年後半あたりから成績急降下、6年で志望校変えのリスクも高くなります。
くれぐれも4、5年生は算数ファーストで!クラスがなかなか上がらなくても算数ファーストで!
理社で瞬間成績上位者=上位クラスの甘い蜜に惑わされないよう。もちろん。全科がよい場合はこのアドバイスは余計なお世話となりますが。詳しくは以下に。
でもって、次の2つは算数ファーストに則った法則ですね。
その2:親が子どもの苦手を把握する ★★★★★
得意を伸ばす、その作戦はごもっとも。
ですが、成績の伸び幅をより感じられるのは「今、できないことをできるようにすること」です。得意科目にだって理解の乏しい分野はあるものです。「わかっていると思ったら、実はわかっていなかった」なんてことはよくある話で。
おっしゃる通りのハンドレッド。
勉強を見るのは、子どもの苦手を知るためです。小学生というもの、自分の苦手すらよくわかっていないのが普通なのです。
「塾の先生は?」 期待したくもなりますが、それは限界があります。なぜなら子どもの苦手って1つや2つや3つでは済まないですからね。桁が2つくらい違うってものです。
新しい単元を習うごとに「できない、よくわかんない問題」は必ず出現します。塾任せ、本人任せにしてしまうと、そのほとんどが流されて行きます。
親の役目は「子どもの苦手」をネチネチいつまでも覚えておくこと。覚えておいて、子どもが忘れた頃に出題する。本当にわかっているのか、何度も何度もチェックするわけです。
バトルなど恐れるな!ということです。
そもそも勉強を見なくとも、親子というのはケンカになりやすい共同体です。
子どもというもの、机の上はいつも汚いし、学校の提出物を当日の朝になって「用意して!」と言ってきたりする。傘はもう10本くらいなくしてるし、宿題やってるフリをしてマンガを読んでいたりする。
もちろん、子どもの苦手を把握するのは難技ですよ。
テキストやノートのチェックは面倒くさいし、こっちだって意味わかんない。だけど、あなたはやるのです。やりさえすれば、子どもの合格率は3割程度は増すのではないでしょうか。何故なら、やっている親は少ないから。
「いいや、うちは子どもの勉強は見ない方針で」というあなたは家庭教師や個別の先生に頼みましょう。「とにかく今日の苦手をネチネチ覚えておいて何度も繰り返させてください」
その3:何はなくとも基本の反復 ★★★★
矛盾しているようですが、要は程度が大切ということです。
数の性質の宿題が出たとします。基本から応用まであり、「応用は余力があればやってください」みたいな指示だったとします。
「よし、頑張るぞ」と応用まで1回やった子どもと、応用を捨て基本・標準問題を2、3回繰り返した子とどちらの成績がいいか?
データを取ったわけではありませんが、ぶっちぎりの賢さを持つ子以外は後者のはず。
応用問題を解くのは、基本や標準レベルの問題がスラスラになってからです。
スラスラになっていない段階で応用に行くと、費用対効果として実りは乏しい。
そういうことになりかねません。
基本標準パーフェクト!まではいかなくとも「9割くらいは大丈夫」くらいの段階で応用に移りましょうね。
なお、基本を繰り返せと言いましたが、わが家のようにテキストの同じ問題ばっかり5回も10回も繰り返すことのなきよう。類題を探してください。
要は程度の問題ということです。
実は、4年や5年時の応用は1年ほどして再登場します。標準問題になってたり、入試レベルの基礎問題くらいの立ち位置になってね。
今の今、無理に応用までやらなくてもいいんですよ。いずれまた塾でやるのですから。学年が上がるに連れ、基本問題がレベルアップしていくわけです。
つまり? 基本問題をしっかりやり続ければ学年が上がるごとにレベルもアップしているということ。
その4:算数は前回のテスト範囲もやるべし ★★★
4、5年生、組み分けテストが終わったら、次は新しい分野が始まります。次のテストのため、今度はそこに掛かり切りになる。
当然です。ほとんど皆がそうだと思います。というわけで、ライバルの裏をかくつもりであなたがた親子は過去の単元も意識して復習しましょう。
大変です。面倒です。
1日10分、15分程度でいい。毎日やらなくてもいい。算数だけでもいいです。というか、基本的に算数しかできないと思います。
その積み重ねが実るのは4年生なら1年から2年後です。ただし、効果は絶大です。
その暁には同偏差値帯にいるクラスメイトの5から10は上を行っていると思います。
「4、5年でパッとしたなかったのに6年で爆伸び!」する子の何割かはこのパターンではないのかなと。
その5:テストには一喜一憂してよし。ただし、分析とセットで ★★★
良ければ天狗、悪けりゃ絶望。そりゃ当然です。たかがテストなんですから思う存分一喜一憂しましょう。
ただし、答案の分析は忘れずに。
「なぜ、間違えたか?」「ケアレスミスなのか、そもそもわかっていなかったのか?」「その問題の正答率は?」「その問題は志望校に出そうか?」
全科目とはいいません。算数だけでもいい。あるいは苦手科目だけでもいい。正答率の高いものだけでいい。全体の10点分だけでもいい。その10点分が次の2点分、その次の4点分、その次の6点分につながります。少しずつ積みあがって合不合の差となるのです。
その6:第一志望には何度も足を運ぶこと ★★
成績の乱高下が激しいとか、プレッシャーに弱いお子さんは特に。同じ2月1日でも「まずまず見慣れた風景・見慣れた校舎」で受けるのと、「ほとんどなじみのない風景・なじみのない校舎」で受けるのとのではエライ違いです。
文化祭、オープンキャンパス、模試会場、何もない日でも校舎の周りを歩くのでもいい。本番のリラックス要素を作っておきましょう。
その7:外部模試は早いうちから受けておく ★★
こちらは通っている塾であったり、子どもの性格であったりで優先度も変わってくることとは思いますが。
いつも同じ顔ぶれでテストを受けているような生徒やプレッシャーに弱い子どもは、違う環境や違う塾の模試の荒波に飲まれておいて損はありません。
たぶん、最初は(あるいは、うちのように最後まで)いい点数は取れないかもしれません。お金払ってさらに親子ともどもイヤな気分に陥るのは気が進まないというあなた、しかし、それも合格修行と考えて。
その8:塾は頼ったもの勝ち ★★★★
「世の親たちがどのくらい塾とコンタクトを取っているのか?」は今もって謎です。しかし、私の場合でいえば、塾が行う面談以外でも、電話をしたり、メールをしたり、定期的に相談ごとを持ち込んでいた気がします。
そうして、私のメールは長文の上、たいてい添付資料つきでした。「現状の問題点」「科目別の苦手」、時には「過去問の分野別正答率一覧」をエクセルで表にしたりね。今思うと神経症としか思えないような悩み相談まで書いて送ったりね。
そうでしょうとも。小心者なので「塾内で『ああ、また来た』とか話題になってたらどうしよう!」とか心配にもなりました。
「さすがに長すぎるのでは?」と半分くらいに削ったり、論点が伝わりやすいように推敲したりなんだり、仕事の文書でも作っているみたいな気分になり何度虚しくなったことか。
けれど、それでよかったと思います。結局、「塾は頼ったものがち」です。
頼ったけれど「コツコツ繰り返してください」みたいな、一般的なことを言わて終わりなんですけど、そう言うあなたもいるでしょう。
それでもコツコツしつこく訴えてかけてください。多分、塾の先生は「前回答えたことをまた聞いてくる」お母さんだと思うでしょう。
大丈夫、保護者というもの、ほぼ全員が毎回同じことを聞くものです。
それでも何回もやり取りを続けていると、受験直前期には以心伝心。これ本当。
塾の先生は最後はほとんど「わが魂のかたわれ」くらいの存在でした。
直前期にこの存在は、母にとっての最強のお守りになりますよ。
まったくもってその通り。
その9:学校説明会は最強のお守り ★★★
その6とも重なりますが、学校情報の多さは、子どもの保険である以上に親の心の保険となります。
少なくとも、子どもの前での狼狽は避けられます。入試本番直前期はどんなに心の強い方でも、強く保っていられない瞬間があります。そのための保険やお守りは多く持つに越したことはありません。
その10:苦しい時の神頼み ★★
無宗教ながら割と本気で言っています。
うちの場合、受験直前期、子どものリュックにぶら下っているお守りは10個を下りませんでしたし、親のやることが減っていく(入試問題が難しすぎ、親の手に負えなくなる)6年後期は神に祈ってばかりいた気がします。
なお、個人的なおススメは原宿の東郷神社です。
その11:わが子は絶対ウカルと信じること ★★★★★
アレコレ書いてきましたが合格の道は決して一つではありません。
当たり前ですが、ここで書いたことを「よし!わかった! 明日からやってみよう」と思いながら、結局、永遠にその明日が来なかったり、「4、5年で理社を頑張りすぎた。しかし、今さら言われたところでどうしてくれよう」と思ったり、「あなたの言うことはよくわからん。こんなんで合格できるはずがない」と思い、まったく真逆のことをしたとしても、受験に成功する人もいます。
そう、わが家とは別のやり方を取ったとしてもウカル子は絶対にいるでしょう。それもたくさん。なぜなら、合格の道は一つではないからです。
けれど。
ほかを無視したとしても、この最後の項目は無視しないでください。
おっしゃる通りのハンドレッド。
親も人ですから「困った!参った!万事休す」になることもあると思います。
模試の合格可能性が20%になったり、10回以上過去問解いたのに合格者最低点を超えない状態で「絶対合格!」が揺らがないような精神は少しおかしいとも言えます。
それでも「これはマズイ。本当にマズイ」とよぎった時にあなたは負けてはいけないのです。不吉な予感が過った時は「お黙りなさい!絶対受かる」と強く言い返してやりましょう。
合格を信じられないなら決めてしまうのです。「どうであろうとウカルのだ」と。特に6年の直前期。どんな事情があろうとも、親があきらめることだけはあきらめてください。
あなたのお子さんは受かるのです。