中学受験直前期、わが子は1日8時間以上勉強していました。Y偏差値60以上を目指すならば、最終的にそれくらいの勉強量にはなるでしょう。
まったくもって、おっしゃる通りのハンドレッド。
こんなこと、心を強く保たないと書けるものではありません。
今にしてよくもやれたなと思いますし、中学受験真っ最中の4年生や5年生、ましてやこれから中受を考える親御さんは恐れをなして当然です。
正直、ムリだと思っていました。中学受験をするにあたり、一番ネックになっていたのも噂に聞く、この「壮絶な勉強時間」だったのです。
小4の頃、既にサピックスでガンガンやっていたママ友すら、この事実には
「睡眠時間……のことじゃないよね?」
と驚愕していました。
というわけで、わが子が「いかにして8時間勉強ができるようになったのか」。「4年5年で何時間勉強すればY60に到達できるのか」。実体験の中から考えてみたいと思います。
偏差値60を目指したわが子の学年別勉強時間
4年生:1時間半
5年生:前期は2時間、後期は3時間
6年生:平日は3、4時間、土日は一日8時間(中心は塾)
【中学受験・学年別の勉強時間】4年生の勉強は1日1時間半程度
さて、4年生。入塾したばかりの頃は、塾に通う前と勉強時間はほとんど変わりませんでした。日に1時間半あるか、ないか。
5時間とか8時間とか10時間とか、後年どんどん増えていく勉強時間を目にした後では「なんという少なさか!」という気すらします。
この勉強時間では算数しかできない、というかほぼ算数しかやっておりませんでした。あとは宿題の漢字練習。テスト前に理科と社会を少し。週二回の通塾日を抜かせば家庭での勉強時間は週11時間から12時間程度でしたね。
理科は悪く社会は平均、国語は上位、算数は平均よりは気持ち上といったところでしょう。
4年のころは理社はどうでもよかったのです。しかし、算数が平均そこそこであったのが親としては許せない感じがしていました。
当時は「こんなにやってるのに何故できないのだ!!」くらいに思っておりましたが、今思えば「1時間半しかやってないからだ!!」と突っ込みたくもなりますがね。
ちなみに国語の好成績は半分は低学年の頃の書写、もう半分は「ブンブンどりむ」
3時間の勉強を1時間半で終わらせる子
さて、四年の勉強1時間半。
おそらく塾によって、先生によって、勉強時間へのスタンスはまちまちだと思われます。
わが子の塾では「4年の間はこれくらいで十分だと思いますよ」と言われました。
なお、同じ塾で女子学院に合格した子もこの時期、勉強時間1時間半。彼女は成績優秀者のトップ常連でしたので「なんでじゃろ、なんでじゃろ」と心がザワザワしたことを覚えています。
要約してしまえばそうでしょうがね。
5年生の秋、振替で女子学院と娘とが同じ授業を受けることになりました。たまたま算数の演習回で100問に及ぶ一行題のテストでした。
結果は女子学院が92点、娘が91点。
数字の上ではそうでしょう。一応断っておきますが、娘は解くのが決して遅い方ではありませんでした。
100問に1時間半掛ったのですが全体ではむしろ早い方でした。が、しかし、女子学院は50分で解いたのです。50分で解いて92点です。
それは、密かなチャレンジ校だった女子学院が完全に消えた瞬間でした。その子の4年時勉強時間は1時間半。
しかし、その1時間半で普通の子がやる3時間分くらいの勉強が出来ていたに違いないのです。
【中学受験・学年別の勉強時間】5年生の勉強時間は2~3時間
おっしゃる通りのハンドレッド先生。されど他人の子の勉強時間。中学受験母というもの、わかっていても気になるものです。
家庭学習の濃度は親のフォローの有無も関係します。
子に任せっぱなしの3時間と、親がついての1時間対決であればよほど優秀な子以外は後者の方が有利です。
問題コピーを子に任せれば、やたら時間も掛かりますし、マル付けを親がするならばその正確さはもちろんのこと、時間の短縮にもなりましょう。
この意味でも自分は「親が子の勉強を見る」を推奨しているのですが。
続けますよ。
一日1時間半であった家庭学習時間は4年の1月ころから、たまには2時間の日もある、くらいにはなっていきます。
そして、5年生。通塾回数は4年の週二回から週三回へ。一回あたりの授業時間も長くなり、宿題も増えましょう。
一日2時間の勉強時間が5年7月には2時間半になり、12月には3時間に。
けれど、塾のある日はほとんどやりませんでしたから、週にすると15、6時間程度でしょうか。塾での成績は比較的順調でした。特に算数は4年時から比べると頭一つ抜けたであろうという感触でしたよ。
「悪い点を取った時こそチャンス!」と下の記事で書きました。
ただ、書いておいて何ですが、私にはこれができなかったわけです。お里が知れるというものです。
実際にやったのは、かなり「セコイ演出」でした。
4年1月から5年1月までは「勉強時間スタンプノート」というものを作成してましてね。スタンプがたまれば「文房具1000円買いたい放題」みたいな企画をやりました。
スマホの前のあなたが、今、何を思ったか想像はつきますよ。
教育雑誌には「モノで釣ってはいけない。モノを与えられないと勉強しない子になる」などと書いてありますね。
しかし、世の中には綺麗ごとで片付けられないことがあるのです。
そもそも中学受験生、小学生として驚くほど勉強しています。中学受験というもの、「子どもが自発的に勉強するような時間数」をある時点から超えざるを得ないってことですね。
というわけで、夏にはカラーで景品カタログまで作成しました。
正直なところ、親が作るのが楽しかったわけです。そりゃそうでしょう、勉強見るよりずっと楽しいに決まってます。
小6になると勉強スタンプや景品カタログは自然消滅しましたがね。
その心配は無用でした。言葉は悪いですが、「塾」や「周りの環境」がそれを許さなくなってくるわけですよ。「勉強しない」なんてこと、だんだんありえなくなってくるわけです。
「4、5年生の長時間勉強」と「6年生の壁」
さて、6年2月からは通塾が週4回となり授業時間も一気に増えます。うちの場合は、6年前期から日曜日もGWも朝から晩まで塾でした。
家庭学習時間は逆に減ります。塾での一週間の勉強時間が20時間くらいになると、それらを自宅でもれなく復習したり、徹底反復したりが不可能になりますね。
ここで、ジレンマが生じます。4年、5年生から「長時間学習をしてきた子」「徹底反復をしてきた子」ほど壁にぶつかりやすいというね。
「徹底反復で成績上位にいた子」は「徹底反復」できないことにより「成績上位者」を保てなくなる恐れがあるとかね。
自分でも時々「真逆の理論を展開しているな」とは思うのですが、結局のところ「程度」の問題なわけです。「子どもの資質」「親の資質」諸々も併せてね。
塾の先生による受験本に「4年、5年で勉強時間を取り過ぎないこと」という論調を見かけることは多いのですが、最難関志望なら「取り過ぎないと」合格が難しいのも、また事実であったり。
前述の女子学院志望者のように、そもそも余裕のキャパがある子以外は。
その辺りのことはまたいつか書きたいと思います。
ともあれど。「最初から走り過ぎると3年間持たない」ともいいますが、「勉強の手の抜き方(メリハリ)を4、5年で体感する」ことがより大切な気がしました。6年になるまでに勉強の取捨選択が上手になれば、怒涛の日々も少しはマシになるってものです。
【中学受験・学年別の勉強時間】6年生、塾の勉強時間が1日8時間!?
6年生になると、塾のカリキュラムがそうなっていきます。
朝9時から夜7時までとか。特に6年秋以降はまとまった家庭学習時間が取れません。「家庭学習で一日8時間」というより「塾での授業時間が一日8時間」がデフォルトになるというのか。
「わが子が8時間もの勉強をできるのか?」以前の問題で、塾側が「これ、当然」とばかりにやらせるのですね。
ですので、「できるか、できないか」で言えばできるようになります。もちろん、椅子に座って一日中シャーペンの柄を見ている「だけ」の子もいるでしょう。
ここが悩ましい問題で、塾の講習を休ませて家で不得手分野の勉強をしたり、個別に通わせたりの親御さんも出てくるわけですよ。
一方、塾のない日の家庭学習時間ですが、うちの場合、平日は3時間から4時間程度でした。
子は4時半ごろ学校から帰宅し、10時過ぎには寝ていたので6年を通じて最長でも4時間半だったような気がします。
塾のない日曜日や休みの日はどうだったのか? 夏休み頃から一日8時間のような日もぽつぽつ出現し始めました。
家でそんなに勉強できるものなのか?
朝から晩まで私が付きっ切りだったこともありましたね。
一方で、専業主婦だろうと仕事がヒマだろうと親の8時間付きっ切りなんて何度もできるものではありません。その場合は期間限定と割り切って一部を家庭教師に振るか。
6年夏以降はたまの祝日や塾のない休みの日は希少となります。塾のない日曜日には公開模試が入っていたり。
不得手分野に割ける時間は受験が近づくにつれ取れなくなる。必然的に、塾のない休みの日になんとかするしかない。「子どもが家で勉強しない」などとは言っていられない。
ちなみに経験者から怖いアドバイスをすると、小6秋にかけ「中学受験を見られる先生」が本当にいなくなります……。
【中学受験専門】個別指導塾ドクター
家庭教師も似たようなもので、大手どころの【家庭教師のトライ】とか学研の家庭教師とか数社に電話かけて確保できるかどうかってところ。
どのみち家庭教師は派遣まで最低2週間くらいはかかるので「勉強せんぞ!」「もしやヤバい?」と思った時点で方々にチェックしておくのが吉です。
結論:1日8時間勉強は自然とできるようになります
さて、中学受験の勉強時間まとめ。
4年生の時、塾の面談で聞きました。「6年になったら1日8時間とか勉強するんですよね??」
先生は言いました。「徐々に徐々に、勉強時間を伸ばしていくので……(大丈夫でしょう)」と。
当時の私がその答えに満足したはずはありません。けれど、振り返るに先生の言う通りでした。特別なコツがあったわけではなく、気が付いていたらできていた、くらいの話なのです。
しかし、それが出来た子が中学生になった今、一日8時間勉強をするかといえば絶対にできないのです。5時間でもできないし、3時間でも嫌がりますね。
振り返ってみれば「塾の力」と「その環境(塾友もやっている)」は非常に大きいのです。
塾は時として「そこまでやらせるか!?」ということをします。親塾であればなぁなぁにしてしまうようなところを、きつくきつく締め上げるのです。結果、受験生は一日8時間の勉強にも慣れていくのですね。
偏差値60を目指したわが子の勉強時間まとめ
4年生:1時間半
5年生:前期は2時間、後期は3時間
6年生:平日は3、4時間、土日は一日8時間(中心は塾)
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