中学受験塾なんて「どこもそう変わらんでしょ」とお思いのあなた。でもね、テキトーに選ぶと300万くらい損しかねません。つまりは大金払って第二志望以下に行くことになりかねない。
関西の中学受験塾は関東よりも個性豊かなんでね。「合う、合わない」は関東のそれよりもはっきりしています。でもって「合わない」塾は合格のポテンシャルをダダ下げる。
中受のママパパには「ここまで調べるか!」ってくらい事前リサーチはしてほしい。ネットよりもHPよりも、なんだかんだ紙資料が一番まとまっているから取り寄せは必須です!!
というわけで、関東で中学受験した私はその重要性を体感済みですが、今回は自分が大阪住まいとして「再び中学受験をやる」仮定で6塾の資料を取り寄せてみた。
以上、6塾。
中学受験って関西と関東、全然違うよな。
関西は、浜、希、馬渕、能開に日能研あたりが大手やぞ。
希が月謝ヤバくて、人生掛けてそうなイメージ— 澪標 (@shasilik_party) February 9, 2021
だからそれは子どもによるんだって!!ムリヤリ結論をいえば、浜学園のバランスの良さは魅力に感じたけどね。いくつか記事にしたくらいで。
とはいえ、口酸っぱくいいますが、中受をお考えの保護者には全塾に資料請求するくらいの気持ちでいて。
以下、各塾の紹介となりますが、やはり生の声がないとつまらない。関連塾のヘンテコツィートもついでに集めてみました。
浜学園――関西での中学受験塾のスタンダード
「東のサピックス、西の浜学園」と呼ばれるように、知名度、実力とも高いのが「浜学園」ですね。
浜学園2023年度 合格実績
灘中 92名
東大寺学園中 150名
西大和学園中 260名(内、女子42名)
洛南高附属中 137名(内、女子31名)
大阪星光学院中 100名
甲陽学院中 83名
神戸女学院中 47名
四天王寺中 118名
洛星中 88名
白陵中 86名
須磨学園中 166名
良くも悪くも関西の中学受験は「灘中」を既定路線でカリキュラムを組んでいる。その中で、浜学園は「その通りに進めれば最短コースで灘に行ける」あたりが一番高い印象です。
そりゃ、どの塾を選ぼうと最難関への道は遠いです。
でもね、浜学園から灘への距離が1キロあるとして他の塾の場合、それが1、3キロだとか場合によっては2キロくらいあるかもしらん。どちらにせよ遠いには違わないが浜学園はその中の最短ルートであるはず。
講師の指導力はピカ一です。授業見学もOKでしたし(コロナ後の今はどうかな)、2ヶ月に一回授業アンケートも実施して高いレベルを保っている。
その疑問はごもっとも。
コースが多岐に渡る浜は四年生でも週5みたいな猛者もいるときくしなぁ。
最難関に向けたカリキュラムは偏差値50くらいの子にはオーバーワークにも過ぎる。東も西も、いずれの中学受験塾でも親が抱えるジレンマとなる。で、転塾したり、中受やめるか!となったり。
ただね、浜学園をみなにお薦めやすいのは前述の通り、コースが多岐にわたるゆえ。通常のマスターコースの他に土曜週一コースとかWEBコースがあるわけですよ。
もちろん、土曜コースもWEBコースもレベルは高いですが、家庭での勉強量は調整しやすい。テキストの解説も詳しいので自学自習しやすい作り。わからない問題はメールなどで解答もしてもらえるし。
うむ。入塾まもなく「いや、わが子にはこのペース感やっぱり合わんわ!」って時に転塾せずとも軌道修正しやすいラインナップだと思うんですね。
「灘、灘、灘!」といいますが小六の学校別特訓だって灘以外に34コースもあるし!
何しろ母体の大きい塾です。
次に紹介する希学園は「ほとんど最上位層」ですが、親としては最上位に入れなかった線も考えておきたい。どちらにも振れることのできる自由度の高さもまた、浜学園の魅力だと思うのです。
希は内容もいいけど月謝びびるほど高いから、例としては極端すぎます。
浜学園とかなら灘に行くコースでも月10万もいかんですよ。(ちなみに内容すごくよかったです。横で親がweb授業聴いてても面白いレベル。へんな教養番組の100倍面白い)
うちの娘が通ってたクラス(Sクラス)で月5万程度です。— seeker@AS (@oldking_HSP) July 19, 2020
浜学園の特徴
・灘中合格、日本一!最難関に強い
・復習主義。オリジナルテキスト使用
・メールなどでわからない問題を解説してくれるサービスあり
・休んだ時はWeb授業で補講可能
・お悩みを聞いてくれる個別の相談員がつく
・週一の土曜コースなどラインナップが豊富
エリア
大阪・京都・滋賀・兵庫・奈良(※関東は別部隊)
費用(参考)
4年 50万〜
5年 100万〜
6年 150万〜
浜学園
※浜学園65周年記念 夏期特別キャンペーン実施中!
入塾で夏期講習受講が無料に!
しかし、このポスト↓だけは気になりました。計算用紙黄色いの?しかもキモいの?
中受で浜学園の模試受けたことある人が思うであろうこと
計算用紙黄色はキモい— ともともき (@YTAaDncEF868B9q) June 18, 2023
ちなみに資料請求は公式HPからチャットがラクチンですよ。
↑トップページのオレンジ色のボタンはチャットになってます。
希学園に向いてる子は?
さて、希学園。
個人的には日本中で一番気になっている進学塾ではある。
希学園かいや。本家の浜学園ともども関西プチブルの御用達学習塾。昔から月謝が高い高いとは聞いていたが本物の明細見ると腰が抜ける。 https://t.co/1L72hemiik
— ヤボ夫 (@amareviewer) July 19, 2020
3年で下手すると400万から500万かかる!
関西の皆さんには何か申し訳ない(?)のですが、中学受験は関西より関東の方が安いのです。下手すると総額100万近く違う場合もある。
東京の塾に通っていたわが家は3年で200万前半、250万は絶対にかかっていない(おそらく平均的)。が、関西は平均300万以上はかかりそう。
その中でも希学園は!!
驚愕しますが、それだけの濃さはあるようなのですね。指導時間は関西随一。
個別や家庭教師はいらないんじゃないかとも思う。授業カリキュラムに家庭学習にかわる自習時間も組み込まれている。
希学園はもともと浜学園の講師が独立して作った塾(なので、復習主義だったりチューター制度のあたり、特色がかぶる)ですが、生徒の人数に対し、最難関度数は浜以上です。
灘の日本一合格者数は浜学園ですが、合格率は希学園の方が上なのですよ。
灘の合格者数を希学園が馬渕教室を抜いたのは衝撃的。日能研も21年は30名だったのが22年、43名となり今年は51名と伸びてきてる。
灘 大手塾合格者数
浜学園 92
希学園 64
馬渕教室60
日能研 51
能開 10— ケイ (@n10cbaXxpQwPeHg) January 29, 2023
スーパーエリート塾と謳うだけはあって入塾テストは日本で一番難しいんじゃないでしょうか。「これ、低学年で解ける子いるんかい!」くらいの難度だと聞きます。
合格の目安は総合計点の半分といいますが、それが高いのか低いのかもなんとも。
浜の入塾テストも易しいわけではないですが、入りやすさからいえば浜でしょうね。希の方がトップ・オブ・トップの争い感はある。
希学園の灘コースに通い、今年度から灘中に通うようになった甥っ子に薦めてもらった問題集。
希学園が作った問題集ということで、さすがに難易度高め。
今は、瞬発力を高めるより、思考力を鍛えたい時期なので、ゆっくり解き進めていこう。#問題集#希学園#3年生#算数的思考力 pic.twitter.com/DH6nPMV197— saori@小学校非常勤&オンライン家庭教師 (@RkuIRnDvVlWBjFV) May 16, 2023
ちなみに、エリート問題集は別冊の「どんぐり問題」目当てで購入したことがありますが、本体もかなりよくできている感じ。「最レベ問題集」と対張ります。
チューター制やオリジナルテキスト、復習主義であるあたりは浜学園と少し似ている。一方、浜は宿題チェックが甘いと聞きますが、希学園は先生がコメントを書いて返却してくれるとも。
これははっきりしています。
・めちゃくちゃ頭がいい子
・財力のある親
中学受験を志す子は基本的にみんな頭がいいです。
小学校でクラスNo.1くらいザラでしょう。でも、希学園の入塾はそれだけでは心もとない。
はっきりとくっきりと勉強大好き感が見えるとか、気がつきゃ勝手に「計算して遊んでる!」「辞書見て喜んでる!」くらいの特性があった方が望ましい。
といいつつ、小一とか小二で季節講習くらい受けさせてみたい気がしますが。希学園、資料請求すると分冊の合格体験記も届きます。
ちなみに同封されたクリアーファイルに地味に感動。
これほど透明度の高いクリアーファイルは見たことがありませんでした。どうでもいい情報ですみません。
希学園の特色
・少数気鋭性。なにしろ賢い子ばっか
・復習主義、オリジナルテキスト
・チューター制度あり
・自習室が充実
・予習や復習に役立つWEB講座あり
・面倒見はとにかくいい!
・おそらく日本で一番費用が高い中学受験の進学塾
展開エリア:大阪・京都・兵庫・奈良
費用(参考):
4年 120万〜
5年 140万〜
6年 160万〜
馬渕教室に向いてる子は?
馬渕教室は調べる前から印象の良い中学受験塾です。
父である桜井さんは親塾で中受をしようと、馬渕教室の膨大なテキストを譲り受けます。が、当然素人には簡単には解けないような代物ばっか。
やぶれかぶれ、行ったことすらない馬渕教室に電話する。で、馬渕の人、通ってもいない子のために解き方を熱心に説明、中受のアドバイスもしてくれたというのです。
好きだからこその熱心さともいえる。プロですね。
実際、「わかるまで帰さない」塾ながら成績順で席順は決まらない。保護者への連絡もまめ。
アットホームなイメージですが馬渕教室は関西中学受験の最重鎮のひとつ。最難関にも強いです。あっ、高校受験でも有名ですね。
公開模試のたびにクラス変えがありますが、前後合わせて計3回分テストの総合学力で決まるということ。
一発で逆転も難しいのでこれは好き好きかもしれませんが。
また、面白いと思ったのは「反転授業」なる予習動画。授業の前に今日習う勉強を10分程度でなぞることができるってことですね。
先駆的な取り組みをやっている馬渕ですが、ポストを調べていくとネガティブ評価(というかトホホ評価)も最も多かった塾でもある。
馬淵教室は人使い荒すぎて、中学受験部の教師がどんどん辞めてる。算数の先生が国語やったりしてもう人が足らなくてめちゃくちゃらしい。
さすがブラック塾だわ。— コキ働きマン。 (@kokibattarakima) January 18, 2015
いや、それは違うと思いますが。桜井さんの中学受験は10年くらいは前でしょうし。でも、これも8年くらい前か。
ただ、馬渕は先生の入れ替えが激しいとは別の口コミでも見たな。
馬淵教室の試験監督のバイト、
だんだん時給が下がって来てる。
前は1300円だったのが
今、1000円に、ジョブスでも、
1100円らしいし、もしかして
ケチってる馬淵教室。
来週は、ちょっと上がって1100か、#馬淵教室— 悠樹レン (@saksakimi34) November 2, 2019
すみません。少し面白かったもので。
一方、親に特に嬉しいのは塾のバス送迎があること。少し離れた場所でも通いやすいですよね。が、こんなポストも。
馬淵教室の送迎バスがレッカーされていた。人生で馬淵教室の送迎バスがレッカーされていくのを見るとは思わなかった
— kirakira (@gbNUMBERGIRL) May 15, 2015
……人生にはこういう日もあるってことですよね。
なお、ポストにあるように馬渕は馬淵と間違われがちです。「渕」が正しいです。
費用面でいえば、希学園>浜学園>馬渕教室の順。といって、馬渕が安いわけではないのですが、夏期講習は新塾生は小六でも無料だったりする(四科で14万相当)。
まぁ、リスクは大きいですけどね……。
馬渕教室の特色
・オリジナルテキストで改訂も多い
・徹底したサポートシステム
・保護者との連絡が密
・中受経験者の学生チューター
・スクールバスあり
・予習用の動画あり
展開エリア:大阪、京都、奈良、滋賀、兵庫
費用:(参考)
4年生 56万〜
5年生 65万〜
6年生 90万〜
日能研(関西)に向いてる子は?
東でも西でも強い日能研。全国で一番有名な中学受験塾は日能研ではないでしょうか。
大規模塾ゆえ、中堅校から最難関までこれまた層が広いのですが、どちらかというと「絶対トップ狙い」というよりも「上を目指せたらそれはそれで」というスタンスの親子の方が向いてるかも。
浜学園や希は5年で中学受験範囲を終わらせる。
一方、日能研は中学受験の範囲が終わるのは6年前半です。関西はわかりませんが、関東の日能研に通ってた子は過去問をやり始めるのも11月とか遅いイメージだった。
うーむ。
一般的には最難関になればなるほど「早めの受験範囲終了」はよしとされる。6年まるまる復習に使えますからね。余談ですが、中高一貫校が大学受験に有利なのも受験範囲を高2までに終わらせるから。
とはいえ、知人の子は日能研で第一志望校にしっかり受かっていました。灘の合格率だってすごい。テストの順位ごとに席が決まるとか競争好きな子じゃないとハードです。
灘の合格者数を希学園が馬渕教室を抜いたのは衝撃的。日能研も21年は30名だったのが22年、43名となり今年は51名と伸びてきてる。
灘 大手塾合格者数
浜学園 92
希学園 64
馬渕教室60
日能研 51
能開 10— ケイ (@n10cbaXxpQwPeHg) January 29, 2023
あとは理科に強く、国語はがっつり語句文法を教えるイメージ。語句の名問題集を出している塾だけはあります。
日能研関西の特色
・最難関から中堅までの対応力
・進度はゆっくり、復習テストでがっつりマスター
・席順も成績で決まる
・費用など公式HPでオープンにしている
・全国展開するだけに東京の学校を受けたい人も
展開エリア:大阪、京都、奈良、滋賀、兵庫、岐阜、愛知、広島、岡山
費用(参考):
小4 40万〜
小5 60万〜
小6 120万〜
能開センターに向いてる子は?
掲示板でスレッドが立つくらいですからね。
20回以上の模試を受け、本番シミュレーションをするのだとか。国語苦手男子のための記述トレーニングなど特化授業も多いようです。
その分、拘束時間は長い。これは関西の塾全体にいえることではありますが。中学受験には珍しい予習主義で、星光だけではなく難関に強い進学塾です。
以下は口コミ。
フォローアップは授業延長になることが多いですが、先生方は大変熱心に指導して下さいます。親からの相談にも親身に対応してくれますよ。
大手塾がここまでしてくれるのかと感謝しかありません。いいですよ、能開センター。
帰るのが遅いという情報も。
能開の先生方のご指導は熱いですが、小5から月水金になり、特訓が土曜日にあります。授業が9時まであり、フォローアップはそのあと10時までと土曜日です。
塾内で宿題などもやって来るのでよいところもありますが帰る時間が遅くなり、学校の宿題をするのが大変になります。
個人的に面白いなと感じたのが「能開ダイアリー」や「能開ノート」などの取り組み。専用の手帳を用い、小学生に「自己マネジメントと自己コントロール」を指導するってあたり。
なお、能開センター公開模試の過去問はオンラインで購入できます。大手を振ってこういう対策ができるのはいいですね。メルカリやなんかでテスト対策のために過去問買うのは少し虚しいので。
能開センターの特色
・オリジナルテキスト使用
・難関校から中堅校まで幅広い
・欠席してもオンライン授業がある
・拘束時間は長め、面倒見が良い
・予習主義
展開エリア:大阪、奈良、滋賀、和歌山、京都
費用(参考):
小4 48万〜
小5 72万〜
小6 100万〜
進学館ーーアットホームで関西ではゆったりめ
少人数制でアットホームなのが進学館です。中学受験塾の中ではゆったりめ。
もちろん、6年生になれば相応にハードにはなるでしょうし、「灘コース」や「最難関コース」は別格ともいえる。宿題提出だったりテストの直しだったりはかなり厳しく指導されるようですし。
相対的に生徒と講師の距離が近く、子どもが楽しく通っているという口コミも多い。
低学年クラスも群を抜いて面白そう。劇場型学習「シャウト」ではその名の通り、理社の基礎知識をシャウトしながら飛び級で学習する。
読書プラグラムの「わくわく文庫」は速読あり、クイズ形式の読解ありで国語力を鍛えていく。
実際に体験したのは通信教材の方ですが、これは小4、小5くらいにもおすすめ。
資料請求ですごいボリュームの無料テキストが送られてきてまずびっくり。こちらは進学館ではなく玉井式の方に資料請求しないともらえないかもしれませんが。
「子どものキャパシティの中で無理なく」というスタンスならば、候補に入れたい塾です。
進学館の特色
・少人数制でアットホーム
・オリジナルテキスト
・最難関志望というより無理なく第一志望へという方
・宿題チェックは厳しい
・基礎を重視した授業
展開エリア:兵庫、大阪、奈良、京都
費用(参考):
小4 56万〜
小5 70万〜
小6 115万〜
資料請求で電話かかってきたらヤダな
以上、関西で中学受験を考えている人の参考になれば。お父さんお母さんも資料請求は面倒くさがらずに。転塾希望なんて場合はなおのこと。
わかるうー。ただ、「未だ検討中」とでもいえばあっさりしたものです。何しろ比較検討から始めるが塾なのでこのプロセスは避けられまい。「合格につながる道」と考えたし。
繰り返しますが、中学受験塾は「どこも一緒ではない!」
体感的には塾愛の高い親子ほど合格率は高い。これ、本当に。不合格の3分の1くらいは進学塾選びの失敗なんじゃないかとすら思う。なので、ここは膝突き合わせじっくり調べてみたほうがいいですよ。
浜学園のように1週間の無料体験ができる塾もあるので、それができればさらにベストですね。
意外な情報源としては家庭教師センターや個別塾。考えて見りゃそうだよなって感じですが各塾を研究しつくしている。
SS-1
ちなみに【個別教室のトライ】
何のための性格診断かというとその子に合った学習法を探すためのものですね。塾選びの参考にもなると思ウ。