中一の12月、娘は右手を骨折しました。テスト前にね。
うむ。それはもう、誰もが妄想する、小6冬の代表的悪夢です。
が、この時の結論から左手でも3週間で筆圧は安定するとわかった。
補助グッズがあれば翌日でもなんとか書けなくはなかった。ゆっくり書字にはなるけどね。
というわけで、その時にリサーチした左手で書くためのグッズ等を紹介したいと思います。
※2023年10月加筆修正。身バレをおそれ「知人の子」として話を進めてきましたが、少し前の話なのでもう解禁。実はわが子の体験なのでした。
どうにかして左手で書けるようにする!!
かつて、子どもはTVドラマ版の『下剋上受験』を観ていました。
ドラマ版は「原作者は果たして、どう思ったのか??」と気になるくらいに脚色されておりましたが、その中で娘が右手をケガするエピソードがありましたね。
その前にも、おぼろげな記憶ながら、お父さんが「手をケガしたら困るから跳び箱はするな!!」「体育やるな!」みたいなことを言っている場面があったような、なかったようなね。
中学受験親のデフォルメっぷりに少々イラっともしましたが、小6の直前期となると、親の心境は言わずともそれに近く。
感染症も過敏性腸症候群も怖い、しかし最悪の事態は利き手の骨折です。直前期ともなると、子がドッジボールや跳び箱をやる度にハラハラしたことでしょう。
一方で、ネット検索しますと「骨折受験生」の悩み相談は結構な数でヒットしますね。でもってさらにリサーチすると、どうにかして左手で受験するというパターン。
意外と何とかはなる。
うちはテスト数日前の骨折だったので、にょろにょろの文字で半分くらいしか答案は埋められなかった。といえ、その「がんばり」を認められてか、通知表は思うより悪くなかった記憶がある。
ともあれど。
受験生やテスト前の子どもが利き手をケガした場合、しばらくは利き手で書けそうもない場合。選択は一つしかありません。
利き手以外でペンを持てるようになること。
うちの場合は3週間ほどで筆圧は安定しました。子どもの場合、遅くとも1か月もあればスムーズに書けるようになるとか。
と思ったら、こんな記事を発見しました。
一橋大学広告研究会の学生がトライした「一時間で左手で文字を書けるようになるのか」
骨折受験生にとり、その親にとり、なんと希望の持てる記事でしょうか!!
直線練習から始まり、図形、ひらがな、漢字までたった1時間でこれだけ書ければ見事なものでしょう。
受験本番が明日であろうと怖くはありません。
おっしゃる通りのハンドレッド。
そこで私も一橋生に倣い、左手で書いてみました。練習前の書字からして雲泥の差でしたね。
ついでに、わが子にも書かせてみました。なんか結構うまいじゃんか。
手の筋肉とか、若さも関係しそうです。それでも、1時間も練習すれば自分だって一橋生の初めての左字くらいにはなれるかもしれません。時間の関係でここでは省略いたしますがね。
お子さんが骨折受験生になった場合は親御さんも一緒に練習するとよいですよ。結構、楽しいものです。ヘタくそな文字というのは心和みます。利き手骨折の絶望感も和らぎそうですね。
非・利き手で字を書くことをサポートするグッズ
次に、利き手以外で書くための補助グッズを探しました。
バリアフリーデザインやユニバーサルデザインに目を向けますと、重宝しそうな商品がいくつか出てきましたよ。
で、わが子が重宝した「くるくるグリップ」
鉛筆やスプーンにうねうねしたグリップを巻き付けて握りやすくするものです。(ちなみに結構目立つので、学校に事情を話して断っておいた方がよいと思われます)
ネタか!みたいなフォルムになりますが、クラスメイトが面白がり「貸して貸して!」「えらい書きやすい!」と話題に。
ある程度太さがあった方が持ちやすいですし、書字の安定もしやすい。ちなみに、自分もこのグリップを借りて、再び左手で書字したところ。
他にもフォルム的にインパクト大なグッズを発見いたしました。
試験会場に持ち込むとなると、かなり目立つデザインではありますが。使用者によると、手の大きさで使い勝手は異なるようですね。
慣れない左手で字を書いて疲れた時にはサポーターを。利き手をまったく使えないわけではないけど「少し痛む」程度の怪我にも重宝しましょう。
もう一つ。さらに本格的な補助グッズです。
「マヒや怪我により利き手で字を書く事が難しい方に。非利き手での書字をサポート」とありますね。
写真ではイマイチ形状がわかりにくいのですが、手の甲に巻き付くフレームと、掌の内側におさまる土台を利用し、手の書字姿勢を安定させるのだとか。
1万円弱とお試しで買うにはなかなかの価格帯ですが、受験時の骨折であったら購入してしまった気はする。
販売元はフランスベッド。もし、ご使用になることがあれば実際にどうだったのか、サイズ感はどうなのか、教えて頂けますと幸いです。
やめてください、ハンドレッド。そういうことをすると骨折を呼び込みそうです。
筆記対策ではないですが、骨折者におすすめをもう一つ。お風呂のギブス濡れを防止するやつ。これは買っておいて正解でした。
利き手ケガしてもできる学習!見る聴く声に出す!
ところで。
利き手以外を使うことは脳を活性化しやすい、といわれますね。真偽については諸説ありますが、利き手以外しか使えない状況下なら、信じた方が道は拓けそうです。
中学受験ものの算数本で個人的に大好きであった熊野孝哉氏の著作本の中には「たまには左手で計算練習するのも効果的」だと書いてありました。
読んだときは「何じゃ、それは」と思ったのですが、氏曰く「なるべく書かずに済ませようとするため自然と暗算力が鍛えられる」とのこと。なるほど、おっしゃる通りの熊野先生。
とかく受験勉強は「書き」に偏りがちですね。
「書くこと」の有効性はもちろんありますが、五感をフル活用することは勉強のコツでもあります。
「音読すること」「目で覚えること」「聴いて覚えること」「頭の中だけで問題を解いてみること」
意識しないとなかなか出来ませんがね。
一方、利き手骨折者はこれらの勉強を中心にせざるを得ない状況に置かれます。
おっしゃる通りのハンドレッド。
基本「頭の中だけで問題を解く」用の問題集も出ているくらいです。実際は紙に書いて解いている子がほとんどだとは思いますが。
栗田哲也先生のスピードアップ算数〈基礎〉
中学生用ですが、タイトルもズバリ「目で解く幾何」という問題集もありました。
特に図形問題は脳内でイメージできるかが勝負ですもんね。80Pの無料教材が届く「図形の極」でも似たようなこと言ってた。
こちら、動画もあって回転図形の動きだったりを、見て覚えることができるのね。
ともあれど。受験生なのに利き手をケガでもしようものなら、親子ともども「まったり絶望」気分は当然です。
しかしながら、親子でしばし絶望したのちは「これまで使ってなかった五感強化月間」くらいに視点を変えられると良いことが起こりそうです。
傷が癒える頃には「両利き」の上、「暗算力も図形イメージング力も上がり、紙に書かずとも問題を解けるスキル」とが身についているかもしれませんよ。