こんにちは。ハンドレッドの友です。
今回はタイトル通りの小学生新聞読み比べ。うちは受験当時、読売KODOMO新聞を取っていたのですが、同紙含む新聞3紙(朝日小学生新聞、毎日小学生新聞)を取り寄せ、改めて読んでみました。
何を隠そう、私自身、元・弱小新聞社勤務、後に雑誌編集に転向した人間です。そんな目線からざっくり特徴をあげれば
読売KODOMO新聞(週1回)――3紙でもっともエンタメより。新聞というより雑誌に近い。やや高学年向き。タブロイド判20ページ。月額550円。
朝日小学生新聞(毎日)――3紙でもっとも中学受験を意識した構成。低学年からでも。ブランケット版8ページ。月額1769円。
毎日小学生新聞(毎日)――3紙でもっとも時事ニュースに強い構成。やや高学年向き。タブロイド判8ページ。月額1580円。
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①学習ポスター3点セット・きょうこ先生の目で覚える!算数
・国語に強くなる 小学校6年間で習う漢字
・実物大ずかん クラゲ編
②週イチニュースでQuizKnock)
以下、詳しく見ていきます。
読売KODOMO新聞(週間)――もっともエンタメより!雑誌感覚で読みやすい
前述した通り、うちでは子どもが小学生の時(5~6年)に取っていた新聞です。
実をいえば、月額500円(税込み550円)だったからです。
読売新聞を取ってなくても大丈夫ですしね。当時は他紙を取り寄せることもしませんでした。
当の娘は朝日小学生新聞に憧れを抱いていたようですが、「毎日では読まずにためそうだ!」と親が判断したことも大きい。
「編集部には雑誌出身の人間がいるのでは?」と思わせるちょっと凝った紙面作りも個人的な好みでした。
で、今回よく見ると特別協力に小学館の文字が!実際、紙面には小学館の『くらべる図鑑』から派生したようなコーナーもあります。
読売KODOMO新聞は毎週木曜日発行で20面オールカラー、3紙で唯一のタブロイド判です。
紙質も、もっともいいのではないか。指でめくった時の質感がいいのです。写真の画質もきれい。
特集に紙面の半分を費やせるボリューム
朝日小学生新聞、毎日小学生新聞とも8面ですが、読売KODOMO新聞は20面あるので特集ボリュームも大きい。
2020年1月16日号はオリンピック・イヤーということで特集の10面を割いていました。選手へのインタビューや「注目選手のスゴ技」や「過去のメダリスト一覧」「日本人選手の強さのひみつ」などのコラムもある。
なお、1面にバドミントンの桃田選手の写真もありますが、本紙はくしくもマレーシアで事故に巻き込まれた数日後の発行。
けれど、事故については一切触れられていませんでした。編集部員はおそらく「あ~~~」という気分になったでしょうが、週刊であること、もっと言えば子ども新聞の特性というか、その辺は何というのか。
本家、読売新聞とのコラボ記事も
もちろん、ありますよ。台湾総統の選挙とか国際ネタもちゃんとあるし。面白いと思ったのは本家「読売新聞」とのコラボ?記事。
本家の方と同じテーマをイラスト、図解入りで説明するページが毎回。
「『龍』と『象』は仲良く踊れるか」(読売新聞)に対し、「仲良くなれない龍と象」(読売KODOMO新聞)という見出し。
(1月16日号。※龍は中国、象はインド。両国間の歴史と現状を解説)
語り口は優しいですがね。読売新聞取っていたら読み比べが楽しいですが、もちろん、KODOMO新聞単体でも楽しめます。
で、勉強モノでいえば、ポケモンABCやコナンの時事ワード(単行本にもなってるシリーズ)や中学受験に直結する用語なんかの解説もある。
この号では受験当時、娘が苦手だった「輪中」をめちゃくちゃわかりやすいイラストで解説していました。何故、当時やってくれなかったのか!?
そのほか、「読売KODOMO新聞」の特色としては雑学のページやカルチャーのページもある。小学女子に向けた「コーディネートのアドバイス」みたいなのとかね。書評ページはほかでも見かけますが、同紙には音楽や映画のコーナーもあったり。
あとは、すべての小学生新聞に共通することですがマンガも多いですよ。
硬軟合わせ、やや軟より。
個人的なイメージでは『月刊 NEWSがわかる』あたりが好きな子どもに入りやすい新聞かと。
知ってますけど、個人的にはそれに近いイメージなのです。『ジュニアアエラ』はちょっと違うかな。ちなみに、私は小学生向けのニュース雑誌なら『月刊 NEWSがわかる』派でした。
・小学生新聞を取りたいけど、毎日は読まなさそうな子どもに。
・時事とエンタメ、学習物のバランス感がよく続けやすい。
・雑誌っぽい作りで、芋づる式に他の部分も読みたくなる。
・新聞初心者の1紙目にも良いですが、どちらかといえば高学年向き。
※読売KODOMO新聞のフリガナについて。
以前までは「小1レベルのものには振らない」「同じ漢字は二回目以降に振らない」というルールがあったようですが、今回見たところ、ほぼ撤廃された模様。
「小さい」とか「手」にもフリガナはついていました。「3人」の「にん」とか「97年」の「ねん」は振ってなかったかな?
朝日小学生新聞――中学受験を第一に考えるならやはりコレ!
楽しそうに読んでましたよ。週一回ですし、特にためることもなく。ただ、朝日小学生新聞への憧れは最後まであったようでした。
朝日小学生新聞が受験唯一の楽しみだったのに!
というのもね。
娘の同級生が朝日小学生新聞を愛読していたのです。愛読の文字通り、かなり好きだったようで。
が、その家では受験直前期に購読をやめたのです。もう忙しくて読めないからと。時事問題目当てで考えると、入試に出るのは前年の9月までのニュースですし。
同級生は大いにがっくり。
「朝日小学生新聞が唯一の気分転換だったのに!!」って。
難関校狙いなら6年秋以降は勉強ばっかりになりますからね、本当に。ちなみに朝日小学生新聞の購読が功を奏したのか、購読したけど直前にやめたのが功を奏したのか、その子はムリと言われた豊島岡に合格しました。
ともあれ、聞いた娘は「そんなにいいのか!朝日小学生新聞」、ずっと思っていたそうで。
いわく「読売KODOMO新聞も面白かったけど、こういうシンプルな感じの方が自分は好きだな」って。今さら言われても、いや、当時もほのめかしはあったわけですが、まぁ、どうにもこうにも。
で、その親自身、つまり、私のことですが、想像した以上に取っかかりやすい印象を持ちました。
一日8面、ほぼカラー(月額1769円)。毎日届きますが、読むのに時間は掛からなさそうな紙面構成。そこは他紙同様、すべてにフリガナつきで低学年でも大丈夫。
「読まずにたまる」のを恐れて当時は試しもしなかったわけですが、その点でいえばムリのないボリュームではないかと。中学受験のムリのありすぎるボリュームに比べれば全くなんてことはない。
そこまでは言いませんが、そもそも全部読む必要はないですからね。
子ども新聞は少しづつ興味を広げていきつつ、新聞の読み方、もとより時事や論説タッチの文章にも慣れましょう、みたいな目的があるわけで。「最初からがっつり、しっかり読まなきゃ!」みたいな敷居の高いものではない。本当はね。
中学受験向けの情報知識は三誌ダントツ
で、朝日小学生新聞の特色ですが、三誌の中でもっとも中学受験より。もちろん、どの小学生新聞でも中受への意識は高いですが、やっぱり朝日がダントツ。
正直、今、中学受験生なら親の方もこっちに気持ちが振れてた可能性は高いかも。
受験を意識した連載が非常に多いです。
「記述力アップ講座」とか「ロジカル算数」とか「参上!四字熟語妖怪たぬし」「都道府県ファイル」「知りたい!公民」「まかせて受験 理科ルーム」等々。連載はその時期によって変わるでしょうが、公立中高一貫校向けのシリーズもあったりね。
で、1面の記事は国語の読解問題や適性検査によく出そうなタッチのニュースが多い。
動物ものだったり、心温まる系のニュースだったり、SDGs絡みの話だったり、科学発明もののニュースだったり。
なお、時事ネタは必要最低限の印象。大人の新聞のように一面トップで出てくることはまずなく、1面下の「ニュースあれこれ」で大切なものをピックアップしている感じ。
ただ、これで足りないかというと経験からいって中受には必要十分量とも。1月8日の紙面には「イラン核合意」や「去年の交通事故死が過去最少を更新した」ニュースが載っていました。
時事ネタはコーナーでまとまっているので、そこだけスクラップもしやすそう。なお、クイズ形式でその週の時事ネタを復習できる連載もあり。振り返りができるのは親目線としても有難い。
読売KODOMO新聞のような遊びっぽいネタは少なめですが、マンガはやはり多いです。お母さんと作る料理コーナーもありました。
広告は多いものの、価値ある情報も
朝日小学生新聞はブランケット版、要するに通常の新聞サイズです。他の2紙はタブロイド判。
これは好みが分かれるかもしれません。
タブロイドの方が読みやすいと思うか、「このサイズがいい。お父さんやお母さんが読んでるのと一緒!」といった子どもの虚栄心をくすぐる仕掛けと望ましく思うか。
そう!
三紙で一番多いです。
ただし、私はこれがイヤではありませんでした。朝日小学生新聞の広告って一般誌には載っていない中学受験情報や子ども向けコンクールの情報が盛りだくさんなのです。
子どもの公募ガイドに使える、というのか。
この時の紙面には「こども環境大賞」(作文とか絵画とか。大賞は西表島に親子でご招待!)とか「コツコツ短歌コンクール」や「ECO壁新聞コンクール」とかね。
極めつけは「『花鈴のマウンド』イラストコンテスト」です。人気漫画のイラストを描いて応募すれば、全員に一巻分をプレゼント!(興味のある方は検索してください。応募締め切り2020年2月15日まで)の大盤振る舞いです。
小学生に限る、そうですが。
広告の話に寄られても……、そう思うあなたもいるかもしれませんが、この手の広告が朝日にばっかり載っているのはそれだけ訴求効果が高いってことなんだろう、読んでる小学生が多いのだろうと思ったわけです。
ちなみに、池上彰氏は『朝日小学生新聞』と次の『毎日小学生新聞』の二紙を取っています。
『毎日小学生新聞』で連載を持ってるってこともあるでしょうが、わかりやすい解説のヒントにはなりそうな。池上さんが著書で勧めていたことから、敢えて小学生新聞を購読する大人も増えているのだそう。
朝日小学生新聞
・何より中学受験をする親子に。
・1面記事の内容からコラム、学習モノまで明らかに中受を視野に入れた構成。
・3紙の中では低学年からでもとっつきやすい。
・広告は多いものの、朝日小学生ならというのか、意識しないと手に入らないような情報も多い。
「朝日小学生新聞」を新規でお申し込みの方に
■■全員プレゼント■■
①学習ポスター3点セット、
・きょうこ先生の目で覚える!算数
・国語に強くなる 小学校6年間で習う漢字
・実物大ずかん クラゲ編
②週イチニュースでQuizKnock
くわしくは朝日小学生新聞・朝日中高生新聞
朝日中高生新聞ー受験後の中だるみ防止にも
朝日中高生新聞も取ってみたのでオマケとして。
小学生新聞は毎日発行8面ですが、中高生新聞は週一回日曜日の発行で20~24面。タブロイド判で月額985円です。
1面トップはいわゆるニュースネタではなく、小学生新聞同様、独自取材による企画もの。1月5日発行のトップ記事はSDGsのワークショップ報告でした。
なお、同紙では毎月1度はSDGsの特集をしているとのこと。小学生新聞の方にもありましたが、この辺は編集方針でしょう。
また、高校や大学訪問だったり、お仕事ファイルの連載も充実。小学生新聞で連載中の「はずんで!パパモッコ」の英語マンガもあります。
小学生新聞→中高生新聞に移行した子はちょっと嬉しいかも。中1英語レベルではやや難しめかもしれませんが。
ありますよ。
週刊なので中高生に知ってもらいたいニュースをピックアップしている感じでしょうか。
ほかのページは基本「ですます調」文体ですが、ニュースページはなぜか「だ、である調」です。大人の新聞を意識せよという意図なのか、どうか。
なお、この回は年始の号ということもあり、「2020年のニュース(予定される出来事)」を一覧にしたページもありました。7月からレジ袋は有料になるんだよ、とかね。
オシャレと部活と芸能以外、あとはぼっーとしがちな中高生を持つ親には手取り足取り系のこうしたコーナーは嬉しい限り。
天声人語の200字作文や英語ディベートのページもありますが、俳優のインタビューや芸人のエッセイやグッズ紹介など小学生新聞より、エンタメ色はやや濃いめ。
でもって、娘は言いました。
「朝日中高生新聞、取ってよ」
当初、その気はなかったのですが、現在、本気の検討体制に入っています。
朝日中高生新聞
中学受験後の中だるみ防止に。新聞読んで社会について考えて欲しいけど、その実、テレビ欄見て終わりになりがちなわが子に。トレンドにも時事にも強くなります。
毎日小学生新聞――1面トップは大人の新聞ばり
さて、小学生新聞に話を戻しましょう。
毎日小学生新聞は一番歴史の古い小学生新聞です。その前身は1936年に創刊。なんと!
読売KODOMO新聞同様、サイズはタブロイド判。発行は毎日で1日8面(月額1580円)。もちろん、全てフリガナつき。そこは他と変わりません。
広告は3紙の中で一番少ないです。あったと思えば、毎日系の広告だったり。逆に大丈夫なのか?と心配になるほどに。
ほぼオールカラーですが、読売KODOMO新聞や朝日小学生新聞と比較すると、印刷の質はやや粗い感じ。紙面デザインもそこはかとなく地域の広報紙っぽいような・・・。要するに、子どもが好むような凝った作りではない。
時事ネタ多し。1面トップに他紙にはないゴーンの記事が
ただし!
毎日小学生新聞にしかないものがあります。
それはニュースの扱い。2020年年末年始はゴーン逃亡で持ち切りでしたが、他紙ではほとんど触れられていないか、ベタ記事扱い。が、毎日小学生新聞は一面トップです!
まぁね。
逮捕4回拘留130日みたいな話を子どもに読ませたいかどうかは意見が分かれるかも。ちなみに読売KODOMO新聞にはなかった「桃田選手の事故ニュース」も掲載がありました。
1月15日号の一面トップはトヨタ自動車が、インターネットの実験都市を静岡県裾野市に作るというニュース。読売KODOMO新聞と朝日小学生新聞もこの話題には触れています。扱いはそれぞれ違って、毎日が一番大きい。
こういっては元も子もないのですが、毎日小学生新聞は予算のある編集部ではないのだと思います。朝日と読売に予算があるといいたいわけではないですよ。紙媒体の厳しい時代ですからね。
ただ思うに毎日は、独自の企画を次々打ち出すほどの余裕もない。本体の毎日新聞と取材ネタなどを共有している部分があるのではないのかと。
逆に、これが他の二紙にはない特色になっているのは事実。大人版の新聞に対し、文字通りの小学生版、そんな構成の日も珍しくありません。
子ども特派員など読者参加型も多い
また、子ども参加型の企画が多いのも同紙の特色。
子ども特派員による著名人インタビューがあったりね。読者投稿欄はどの媒体でもよく見かけますが、毎日には習字とか詩の投稿ページもあって、なんだかほっこりしました。
デザイン性は他紙に劣るものの、地域紙っぽい手触り感は毎日小学生新聞なら。
誉めてます。
なお、小学生向けの勉強ネタもあります。ただ、受験情報があるかと思えば大学入試改革についてであったり、要するに中学受験には特に目を向けていない印象。
まぁ、中受目線なら『朝日小学生新聞』、意識しないなら『毎日小学生新聞』、その中間のバランスなら『読売KODOMO新聞』と棲み分けは出来ているのかなという気はしますね。
小学生新聞は力になる!
というわけで、最後にもう一度まとめるとこんな感じ。
朝日小学生新聞
毎日小学生新聞(毎日)――3紙でもっとも時事ニュースに強い構成。やや高学年向き。タブロイド判8ページ。月額1580円。
新聞ですから取ってすぐどうこうという話ではありませんが、積み重ねはやはり力!
中学になると新聞レポートは増えます。長い目で見ても差は出たかなと感じる今日この頃です。