中学受験の算数

【わが子の答案用紙を大公開】書き込みが少ない子は「算数ができない」はホントか?

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こんにちは。中学受験100%ウカルログ管理人ことハンドレッドの友です。本日はテスト用紙(問題用紙&答案用紙)と成績の相関関係を検証していきたいと思います。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
テスト用紙のキレイさと成績は反比例。

例外はありますが、多くの場合、その公式は当てはまりそうです。算数に限らず、国語も、理科も、社会もですね。プロからすると「テスト用紙を見ればその子の成績は大体わかる」とかなんとか。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
オレもわかると思うよ。

 

本当ですか?
では、中学受験時代の子どもの問題用紙と過去問の答案用紙をアップしますよ。その書き込みを見て予想される成績を答えてくださいね。先生なんだから、しっかりと当てるように。

なお、本編の最後で「算数の答案用紙や書き込み」について言及した受験本&算数本も紹介いたしますよ。

算数答案、書き込みアップで「できない子」の成績もアップ?

まず、下記は4年生最初の模試の問題用紙です。

途中式なし、図形にマーキングなし。なんというのか、どういったものか。白紙にもほどがあります。「数字や図形とまだお友達になれてないのね」とでも言いましょうか。

 

さて、この時の娘の成績は?

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
悪いだろ。よくて偏差値40台ってとこか?

残念でした。偏差値56です。よくはないけど、そこまで悪くもないでしょう。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
なんだよ!角度、苦手ったじゃんかい。
角度の求め方がわからん?四年生で算数につまづきまくり【偏差値60前夜】こんにちは。中学受験100%ウカルログ管理人ことハンドレッドの友ですよ。 中学受験は6年生の1年間があまりに濃すぎ、4年の...

↑この記事ですね。テスト用紙ではなく事前知識での判断ですか。それは先生にあるまじきズルというもの。

ともあれ、悪くはないと言ったものの、入塾後初めての模試です。大半の親が「子の圧倒的な賢さ」にまだ期待する時期です。

かつ、娘はこの当時のみ、上位難関クラスに所属しておりました。合格実績でいえば、渋渋やら早実やらが射程距離にあるようなクラスです。「圧倒的な賢さ」に期待したくもなるってものです。

なのに、肝心要の算数が偏差値56とはいかにもチンケな感じがします。結局、「圧倒的な賢さ」どころか子の飲み込みの悪さを無視できず、親の方からクラス落ちを申し出ることになるのですがね。

話を戻します。テスト用紙の美しさ。これがチンケな偏差値の原因のような気がしました。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
結局、途中式もないから偏差値60取れないってことね。

おっしゃる通りのハンドレッド。
で、「図形にはわかっていることを書き入れなさい!」「途中式も書きなさい!」と家庭学習でも口酸っぱく言い続けたわけです。

その結果が2か月後の模試。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
字が雑だけど書いてるだけマシだね。で、60取れたと。

いいえ、取れません。この時の偏差値は52でした。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
下がっとるやんけ!

おっしゃる通りのハンドレッド。

娘は飲み込みが悪いタイプでしてね。

親というもの、ある勉強法を今月始めたなら、今月中か遅くとも来月までに結果が欲しいところですがそうは問屋が卸しません。長い目で見ませんと。

で、さらに二か月後。4年夏くらいの塾模試です。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
おおお!キミのガンバリは伝わったぞ。今度こそ60越えか。

いいえ、超えません。この時の偏差値は49でした。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
ますます下がっとるやんけ!書き込み、まったく意味ないやんけ!

前半部はおっしゃる通りのハンドレッド。しかし、後半部は言ってはいけない、ハンドレッド。

勉強の成果はすぐには現れません。長い目で見ませんと。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
ほおお。果たして、当時もそう思っていたのかね??

 

思っているわけ、ないでしょう。
当時はムカムカムカムカしましたよ。やってもやっても取れないのが大嫌いな母ですからね。

書き込んだことで試験終了気分になる「できない子」

ともあれ、テスト用紙に、たくさんの書き込みがあると親としても「よく頑張った!」と言いたくなりますし、最初はそれでいいと思います。

しかしながら、子ども本人はたくさん書き込んだことで「どうもこうも、達成感。どうもこうも、これで試験終了気分」になっている可能性が否めません。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
書いたことで「何かヤッタ気分」になってしまうと。

おっしゃる通りのハンドレッド。

娘の場合はまさにそれでしたね。例えば、国語の線引きなどでもそうですが、やり始めた当初はかえって成績が下がることもあるわけです。

問題を解くより、意識がそっちにいくことでね。慣れない作業がプラスされることで思考スピードがコンマ数秒ほど落ちるわけです。算数の書き込みも同じですね。

本来は、問題文にアンダーラインを引くのも、途中式を書くのも、図形に線を入れるのも、思考を整理するためにやるわけです。

例えば、何かの資料を読む時に大人は似たようなことを無意識のうちにやっていたりするわけですね。

考えを整理するために手を動かしているわけで、手を動かすこと自体に意識が行くのがおかしいわけですよ。順番が逆ってものです。

ただ、多くの子どもは「途中式を書く意味」やら「図形に直角マークの意味」だとか「補助線を書き込む意味」とか「線分図を書く意味」をよくわかっていない気がするわけです。

「よくわからないけど、先生に言われたからやっている」みたいなね。

「なんの役に立っているのかよくわからない」けど「書いている」状態では成績に反映されるはずもないってものです。

 

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
じゃあ、やっぱり意味ないんじゃね?

 

そうとも言えません。
武道などで「型から入る」のと同じように、やがて、そこに意識を取られることもなくなるわけです。

「なんの役に立ってるのかよくわからない」状態から「考えを整理するために手を動かす」状態へーー。

どうシフトするのかは私にも不明ですよ。

シフトの時期すら不明ですが、続けていれば本人の中で腑に落ちる瞬間がある気がします。

先の続きになりますが、偏差値49まで落ち込んだ二か月後の答案です。

いかがでしょうか?

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
3度目の正直で60越えか!?

今度こそ、おっしゃる通りのハンドレッド!

確か62くらいは取れたような。

その後も紆余曲折はあったものの、5年になる頃には「どちらかといえば算数得意」くらいなポジションには持っていけましたね。

やがて、これら書き込みは完全に「問題を解くためのツール」として本人の中で定着した気がします。「なんの役に立っているのかよくわからないけど書いていた」過去など、すっかり忘れた模様でした。

「算数ができる子」は書き込む。「さらにできる子」は目で解く。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
ただ、国語の線引きではムリすることないって、言ってたよな。算数はどうなの?
【国語は線引きしないとダメ?】実際のテスト用紙を公開!得意だったのに取れなくなった理由かい今回は国語の線引きについて。 「国語という教科は何もしなくても取れる子は取れる」「国語力というものは衰えるものではない」「国語は成...

確かに、両者とも「考えを整理するため」のツールに他なりません。

ただ、国語の場合、「なんの役に立っているのかよくわからない」と思いながら引いている子どもはもっと多そうですね。

一方の算数は備忘録の意味合いがより強いわけです。

計算式をメモしておく。数字を忘れないようメモしておく。確かめがスムーズにできるように、途中の流れをメモしておく。慣れれば、誰もが自然発生的にやるようなことに過ぎないわけで。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
男子とか、グチャグチャ過ぎてわけわからんって子もいると思うけど。

 

いるでしょうね。そもそもが読めないような字を書くタイプだったりね。問題と問題との間に区切りがなかったりね。ここに書いてある数字がどの問題に該当するのかわからないとかね。

そうした児童について、以前、塾の先生が言っていました。

「点数が取れてるならいいです。本人にしかわからないセオリーがあるので、無理に書き方を修正しなくてもいいです」とね。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
点数が取れている場合の、書き込みナシのテスト用紙は?

 

例えば、4年生、5年生。

娘の最初のテスト用紙のように、書き込みはないけど「基本はほぼ取れている」場合。短期記憶に優れてるとか、暗算が得意なタイプですね。

しかし、「応用は取れていない」場合。

こういう子どもはカリキュラムが進むにつれ沈んでいく可能性があります。複雑な問題になるとミスも増えます。ですので、多少の時間は掛かっても書かせるクセはつけた方がよいでしょう。

一方、同じ4年生、5年生でも書き込みなくして「基本も応用も取れている子」。要は、算数はぶっちぎりで成績一覧に載るような子どもです。

問題を解く時、こういう子の脳は普通の子どもとは違う働き方をしている気がしまするテストの書き込みと同様で、自分なりのセオリーが既にあるのではないかと。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
下手にやり方、変えない方がいいんじゃね?

断言はできないのですが、個人的な意見としてはそう思います。心当たりのある親御さんは、塾の先生に一度相談なさってください。

なお、このブログでも何度か紹介しましたが、『スピードアップ算数』などの名著を生み出した栗田哲也先生は「できるだけ鉛筆は使わず目で解くように」と言っています。

今までの話と矛盾するじゃろ!と言われそうですが、これも確かに一理はあるのです。書き込みが定着した娘に、この訓練をやらせますと解くスピードがぐっと速くなりましたからね。

数学に感動する頭をつくる


数学に感動する頭をつくる (ディスカヴァー携書)

タイトルに数学とありますが、算数含。こちら、3、4年生の頃の愛読書でした。親のね。数学力を鍛える方法が網羅されてますよ。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
普通の子は「目で解く」算数をスパイスに、普段は書き込むのがベターってことね。

過去問の答案用紙を公開 大問1をミスってはダメです

続いて、答案用紙にいきましょう。

以下は娘が解いた過去問ですが、これについてどう思いますか?

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
どうも何も。解いた時期によるけど。69点ならそこまで悪くないんじゃね?

おっしゃる通りのハンドレッド。
過去問算数で7割取れれば善戦です。しかし、この時の合格者平均点はおそろしく高く81点だったのですね。善戦したと思えば、がっくりでした。

それはともあれ。
偏差値60前後の女子校を目指す子どもにとり、この答案は微妙です。大問1で2つもミスがありますからね。

志望校にもよりますが、過去問や6年時の模試などは大問1のミスは1問まで。

小4や小5での範囲の決まったテストなら大問1含み前半部分は限りなくパーフェクトを目指しましょう。

偏差値60の学校を目指すならね。

正答率で言えば「20%の問題を取れているが50%の問題をボロっと落とす」子よりも「30%は落とすが、40%以上はパーフェクト」の子の方が有望といわれます。

前者は算数センスのある子でしょうが「まさかの不合格」リスクが高いのでね。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
前半にずっーと〇が続いている方がいいのね。

 

少なくとも偏差値60前後くらいの学校を目指すならね。

女子学院以外の男女御三家や豊島岡、渋渋ほか算数で点差が開きやすい学校はその限りではないでしょう。過去問の前半部を落とすのはまずいですが、後半の正答率の低い問題を取れる資質なくして勝負にはなりませんからね。

うちには無縁の話でしたがね。

テスト用紙を制する者は受験を制す!算数本4選

ともあれ、テスト用紙の考え方はプロでも少しづつスタンスが異なります。

当たり前といえば、当たり前で志望校によっても、子どもの資質によっても変わってくるところでしょう。自分の子に近いケースを探して、参考にしてみるとよいと思います。

6年生からの大逆転メソッド

きょうこ先生の本はもっとも当てはまる層が多いのではないかと思います。
本書には実際の答案が載っていますが、「正答率の高い問題」をくまなく取れているタイプが「合格最短距離」型。これは塾などでもよく聞かれる説ですね。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
オレもこの説に賛成!

 

先に述べた通り、偏差値60前後までの学校ならこれが答案のスタンダードな気がします。

なお、答案関連の記載は少しですが、本書は塾の使い方から過去問対策まで「家庭教師として知っていることを惜しみなく公開した」感があり、読後の充足感は高いですよ。

「6年生から」とありますが、4年生からでも十分参考になると思います。

算数ができる子を育てる

同書は算数が得意な子、または算数をなんとかして得意にしたい子向け。

著者は、よく言われる「答案用紙をすべて埋めろ」式には懐疑的ですね。すべて埋めることよりも「取れる問題を確実に取る」、「埋めた問題で正解を取る」ことを重視します。

算数はヤマ勘だとか、あてずっぽうで解くような学問ではないという立ち位置で、より本質的といいますか、算数的な考え方が全遍を貫きます。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
でもさ、入試の時に空欄出すのはマズくね?

 

おっしゃる通りで、入試の時は埋めた方がいいと思います。テキトーな数字であろうともね。

ただ、著者の考え方には頷けるところもありますね。「とにかく解答欄を全部埋めること」は6年以降はよいですが、まだまだ修行中の身に近い4、5年時にはデフォルトではない気もします。

「全部埋めること」に注力し過ぎるあまり、ケアレスミスを連発する子とかね。

テキトーでも「全部埋めたこと」に満足して見直しもちゃんとやらないとかね。

だって、解答欄をすべて埋めると、その完成感たるや、すごいわけですよ。先の書き込みの話ではありませんが、その時点で「試験終了感」が漂います。で、余った時間で端っこにマンガ書いていたり。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
…確かにいそうだな。

 

ですので、心当たりの方は一読をおすすめします。非常に算数的ですが、わかりやすいですよ。

答案の書き方や途中式、問題メモの取り方もしっかり載っていますしね。

ただし、作者の求める生徒像はやや高め。一部の算数センスあふれる子以外はこの通りには行きませんが、子どもに使える部分をアレンジするつもりでどうぞ。

文系ママでも大丈夫! 中学受験 わが子を算数嫌いにさせない家庭学習の進め方

メーンはお母さんに向けた算数勉強法の指南書ですが、巻末に計算や図形問題などの生徒の答案をがっつり掲載。

できる生徒の答案あり、もう一押しの生徒の答案あり、「どう書くのがベストなのか」詳細なアドバイスがあります。

タイトルに「算数嫌いにさせない」とあるように、ターゲットは算数苦手から中の上くらいまででしょうか。苦手克服のための対策が具体的でわかりやすいです。4年生の頃に、何度も目を通した本でした。

算数の戦略的学習法 難関中学編

いったい、同書を何度紹介したことでしょうか。
数ページではありますが、最難関志望の子に役立ちそうな「正答率別状況」による分析が載っています。正答率10%や20%の問題をどの程度まで解けるか、など類書ではない部分に言及しています。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
キミとこ、まったく関係なさそうなのに何故買った?

 

この部分は確かにまったく関係ございませんが、最難関志望以外も役立つ記事は多いのですよ。

特に5年以降の学習法には詳しいです。最難関はムリだけど他の難関受験者と差をつけたい人たちにはおススメですよ。

なお、SS−1テラスのカウンセリングでは子どものテスト用紙を分析してくれます。こちらは有料ですが、答案用紙の分析など無料コンテンツも多いオンラインサービスです。中受親は登録しておくと重宝する時が絶対に来ますよ。

ハンドレッド先生
ハンドレッド先生
ウカルログも愛用中
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「志望校の合格可能性20%」でも偏差値60校に全勝した体験記です。 ※本ブログをkindle書籍化した「足りなくても勝てます」が子育てジャンルで1位を獲得