先取り学習の弊害なんて言われますが、中学受験経験者からいえば、学年先取りしてる子は圧倒的に強かったと思う今日この頃。
教科書の先取りから予習シリーズ的な中学受験学習のハードな先取りまで。ただ、自分(の子)が低学年に戻ったとしたら最優先でやっていたと思うのが「漢字と計算」。
ヌルく思えるかもしれませんが、費用対効果でいえば「漢字と計算」のパフォーマンスは最強です。まずそこを盤石にして図形の極
「漢字と計算」貯金は入塾後、思う以上に力を発揮します
本ブログを見に来るような方はそれなりの教育マニアだと思うのです。
それ、まさにかつての私のことですが。
幼児・低学年の学習本で「まずは読み・書き・そろばん、お手伝い」みたいなことが書かれていると「はいはいはいはい」という気分になっていた。
なので「漢字と計算をやりなさい」と言われたところで当時はまったく刺さらなかったでしょう。今の今、これを読んでるあなたにも刺さっている自信、まったくナシ。
でもね、それでもね、中学受験経験者として言いますよ。
入塾前に小学校課程の「漢字と計算」を終わらせておくとものすごーく楽になります。あなたが想像する以上に楽になります。今、刺さらなくても後でかならず刺さります。
進学塾だって教科書レベルから始まります。が……
たとえば、分数計算を入塾前にマスターしていれば、そのとば口でごにょごにょやる時間をまるまるカットできるんですよ。算数苦手っ子はたいがい入門基礎でごにょごにょやるんです。
あまり言われていないことですが、中学受験の算数も教科書レベルから始まります。
分数にしたって、何も習ってない前提で初めから教えてくれますが、小学校と違うのはまぁスピードの早いこと、早いこと。
チンタラとは失礼な。
ともあれ、塾の場合は入門基礎やったかと思えば、その10分後には標準問題(ここから教科書を逸脱する)に入っているみたいな。
「飲み込みが格別よくない普通の子」はあれあれあれって感じで、ついていけんのです。
一方、先取りしているような子はこの辺、余裕。初学の子との差は大きい。
塾は「先取りしなくて良い」というけれど現場の実感として、少なくとも計算くらいは「していた方が絶対有利!」
先取り自体はあんまりやってなかったわが子は初出単元の連続である4年が一番きつかったという……。
中学受験算数中、もっとも易しいといわれる、角度の計算ですらつまづきましたからね。
漢字学習に1日30分取られて詰んだ小5時代
計算だけではなく、漢字もね。これがまた。
進学塾では小5までに全範囲を終わらせますが、うちの塾では画数順だったので最後の方っておそろしく画数が多くなる。
小5の頃はたかが漢字のために30分もの時間を取られてしまっていた!ただでさえ勉強の時間が足りんのに、この時間配分はちょっとありえんでしょ。
漢字に関しては一年分くらいは先取りしていましたが、そんなチョビチョビ言わずに6年まで終わらせておくべきでした。
低学年の頃の勉強ってね、うちは思考力あげる「〇〇パズル」的に費やした時間の方がぐんと多いです。というのも、漢字と計算って親がみてもつまんないんですよ。一緒にやりがいがないというかね。
だけど、パズルやるより入塾前に漢字と計算、少しでも多く先取りしていた方がよかった。つまんないけど、中学受験準備の貯金としてはこれに叶うものはナシ!だと思う。
単純計算は子どもの考える力を奪うって!?
一方で、あなたは思うかもしれません。
大前提として「子のキャパを超えた先取り」だとか「遊ぶ時間削ってまでも小学生過程を終わらせてやる!」みたいな親の執念はダメですよ。ここでわしがいうのは常識の範囲内と認識してね。
ともあれ、中にはアンチ公文じゃないですけど「単純計算は子どもの考える力を奪う」みたいなことを言う教育者は少なくない。
絵で解く算数で知られる、どんぐり問題の発案者の糸山さんがそんなこと言ってたな。
面白いコンセプトですよ。複雑な文章題を絵に描いて考えていくみたいな。
上記は絶版のようですが、どんぐり問題に興味がある方はスーパーエリート問題集 算数 小学2年[新装版] (中学受験を目指す)
中受とどんぐり、コンセプトが相いれないんじゃ?大人の事情か?と当時邪推もしたくなったものですが、ユーザーにとってはかなりお得な問題集です。
計算ドリル2倍量で算数偏差値は急上昇
話を戻します。
どんぐり問題の影響もあり「計算なんか!」と嘯いていた親でしたが、算数の偏差値が一番上がった時って計算を倍量やった時と重なっているのですね。
ある本の体験談で「1日1頁の計算ドリルのノルマを2~3頁に増やしたところ、偏差値が一か月で上がった」みたいなエピソードを読んで。
本当に急上昇した!
小5の夏休みかな、計算問題のルーティンを毎日の2倍にしたらば、9月に算数の偏差値ががばっと上がった。で、受験ラストまでクラスの一番手でいられたわけだ。
やはり、確かな計算力とスピードこそ中受算数の土台だったと今にして思う。
ちなみに漢字の場合、先取りしたところで偏差値急上昇!とまではいかんかもしれぬ。ただし、先取りしておくと「漢字を覚えなければならない」といういまいましい時間をカットできます。
中学受験がスタートするとやることいっぱいあるからね。
中学受験塾の「予習するな」の真の意味は授業妨害対策!?
塾に通い始めると「予習はしないでください」と言われる保護者も多いでしょう。
今思うと調子に乗りやすい子の授業妨害対策なんじゃないかと思うわけですよ。「それ、知ってる!知ってる!」攻撃をやられたら実の親でもイラっとしますし、周囲の子の士気も下がる。
そもそも中学受験の単元まるごと、予習シリーズのようなテキストを先取りするなんて普通の親ではムリ。
一方で、漢字や計算の先取りに関してまで目くじら立てる先生はあまりいないんじゃないですかね。公文やってる子の存在は塾の方も折り込み済みだろうから。
中学受験、漢字の先取り学習におすすめの教材は?
以下は漢字と計算の先取りにおすすめの教材をランダムに。
なお、先取りの秘訣は「広く、浅く」です。意味するところは完璧を期さない。だいたいでいいんです。だいたいってどれくらいかというと6割程度でいいんです。
おすすめの「漢字の先取りドリル」
まず、先に漢字。
読みが先です。読めない漢字を書き取り練習させないよう。
音読み訓読み完璧を期する必要はなく、下記のような教材でまず口で覚えると効率がいいです。
これだけはね、最初の1冊として譲れない感じ。類書がありそうでないから。リズミカルに口ずさむだけなので、小6までの漢字全てを最短で1週間程度で終えられます。
上記を終わらせた後であれば、下記も一定効果があると思う。
「10問を30秒で覚えてテスト」を繰り返す方式。学習時間の始まりにささっとでできるのも良い。まぁ、5時間で終わらすのはさすがに難しいけど。
で、学年別の漢字問題集に取り掛かるのはこれらの後で。最低限、読みだけはマスターした後の方がいいです。
で、この時の学年由生ドリルはぶっちゃけ何でもいいですが、がっつり系じゃないものの方が向いてる気もする。
要は薄いものとか、子どものモチベーションが上がりそうなもの。たとえばあれ、「よりによって、うんこドリルか!」などと思うものでもOKです。
どちらにしてもね。
一冊やっただけでは普通の子は覚えられません。「忘れて当然」くらいの気持ちで次々進むのでいいです。「だいたい何となくやったことがあるような」くらいで十分。
6年生まで進んだところで「4年生の漢字もう忘れてるし!」という事態に陥ったりもするでしょうが、あまり気にしないように。
6年まで進んでまた4年に戻ればいい。その時に余裕があれば、語彙力もつきそうな、がっつり濃い系(?)ドリルをやらせるのもいい。
個人的には出口はおすすめです。
あとは時々、漢検を受けて勉強にメリハリをつける、と。
計算をゲーム化するには時間を計るに限ります
まず、小1レベルね。うちは計算に特化したトレーニングって少なかったわけですが、「100マス計算」だけは毎日やってたな。
よくあるやつね、とあなたは思うでしょう。でも、算数で将来的に偏差値60いきたいならここでトップを狙うべし。必ず時間を計って毎日やる。
計算ってつまりませんね。それを面白くする唯一の方法は時間を計ることです。
シンプルですが、マラソンだってただ走るより時間計った方がモチベーション増すでしょう。タイムを計るのはゲーム化の1番の方法です。
かつ、1週間もやればタイムはみるみる縮むから。足し算の100マスならば、いずれは1分30秒くらいでできるようになる。
そのレベルになるとクラスで1番とか2番になれます。そのレベルになると、あゆみは「算数オールよくできる」になります。
ああ、まぁフツー。それが現実です。
100マス1分30秒はフツーで、偏差値60に向けた受験算数の準備段階に過ぎない。
その先まで進めておかないと塾の小四スタートダッシュはフツーに終始する。「フツーかぁ」と残念に思う人は小四以降の先取りをできるだけしておけ!って話につながります。
「いっきに極めるさんすう」で極められるか
うむ。つまりはそういうことなのです。
漢字とはやはり勝手が違います。
かけ算くらいならまだなんとか。
くもんの「いっきに極めるシリーズ」は学年超えで進めやすい。ボリュームも多すぎないからね。ただ、いちいち教える手間はどうしても生じますね。
その後の分数はさらに奥が深いし。
初期はこの手の知育玩具系の力を借りて進めるかってところ。以下も参考にされたし。
先取り進めるには結局、公文か通信教材か
でもね、帯分数とかその割り算とか分数が逆になる感じとか、今となっては説明できる気がしませんね。
説明できないものを教えようとすると親のイライラも増す。でもって、子どもの理解も遅々として進まず、親子関係は悪化の一途を辿ります。
うちは正直、算数の先取りは割り算プラスαまで出来たかどうかってところ。しかし、4年の初見学習が大変だったのは前述した通り。
で、ここからは「入塾前に遡って、やり直すとしたらどうするか?」という話です。
① 公文をやる
② ベタな通信教材で学年ガンガン進めておく
ああ、ありきたり。コイツ、長々書いてつまんないこと言ってんな、と思われてるかもしれん。
中受を目指すような子どもたちはあの手の教材の1か月分を三日で終わらせてしまいます。なんとなーく損した気分じゃないですか。なので、当時は積極的にやらせようとは思わなんだ。
でもね、この1、2年で小学生通信教材事情は急速に変わった。
教科書準拠のカリキュラムにプラスαして「漢字と計算は無学年式」みたいな通信教材がスタンダードになってきた。
タブレット自体が先取りにもってこいですしね。本来、紙教材派の古い世代ですが、予習ってことを考えるとざっくり進めた方が絶対的に効率はよい。
無学年式のすらら
先取りはね、100%正答を目指しちゃダメなんです。「なんとなくわかってる」くらいの感覚で進めた方がよろしい。いずれ、がっちがちに深掘りする時期が来るのですから。
長くなってしまいましたが、天才肌系ではない小学生であれば、計算と漢字の先取りが一番と思う。それが低学年の中受準備の最適解だなぁと思うわけです。
なお、「ベタすぎてつまらんわい!」というかつての自分のような向きは、計算と漢字をやりつつ、通信特化「図形の極」