6年生、朝から晩までの夏期講習がようやっと終わりました。それはつまり、どこの塾であろうとも中学受験の全範囲が終わったことを意味するわけです。
4年や5年の頃は6年生の9月などはるか彼方、10年くらい先のように思えたことでしょう。やがて2月1日が訪れるだなんて想像もつきませんでしたよ。
それはいいとして。6年秋、われわれ母の元にはどんな地獄が待ち受けているのか?
伸び悩んでも半年後に合格を勝ち取るために親は何ができるのか? 探っていきたいと思います。(※「6年秋には何かが起こる?2月1日合格にむけて親ができること」を加筆修正)
※2月までの半年間の流れは「6年9月から本番までのスケジュール」でチェック!
勉強する小6生の大量発生で成績が上がらない!?
まず、この時期に遭遇しがちなこと。
やっているのに、成績が上がらない地獄です。
6年9月といえば、合不合など公開模試は月単位となり、多くの塾で過去問演習の始まる時期です。
「あれだけやった夏休み」ですから何某かの効果を期待して当然。しかし、期待を裏切られる方も大量発生します。何故なら「あれだけやった夏休み」は受験生の数だけ存在するからです。
やっていない受験生にしても6年春や5年生、もとより4年生と比較すると、やっぱりやっているわけですよ。
つまりは、みながみな、自分との戦いの中では相応に勉強してきたわけです。自分と戦い続ける小学生の大集団はいったい何を起こすのか?

仮に6年春のテストで正答率38%だったような問題でも、6年9月のテストでは正答率54%くらいになるわけです。これ、娘の時の実体験です。
全員のレベルが急上昇しますから争いはし烈に。
その発想は斬新ですが今年はもう間に合いません。戦う小学生が既に大量発生していますからね。
だからといって。
戦う小学生が多かろうと、母が見るのは目の前のわが子のみ。「みんな頑張っているから上がらなくても仕方ない」そう言われて誰が納得できるものですか!

子の費やした勉強時間、親が費やした教育資金、それらが「大量発生により伸び悩んでます」言われた日には身体中の水分が干上がってしまいそうです。
9月の模試は死闘すぎ!10月以降は取りやすくなる
勇み足ならラッキーです。
ただ、言わせてもらえば、もう伸びないと思った後にさらっと伸びるのが子の成績です。

感覚からすると、9月の模試は別格で死闘めいています。
ここで取れなくても絶望する必要は一切無し。逆に取れたら歓喜してください。
10月、11月、12月あたりの模試は9月よりはやや取りやすい気がしますね。上位層が模試より過去問へとシフトするせいもあるかもしれません。
9月も悪く10月も悪い、そんな時はどうするか?
まっとうなことを言えば、あきらめる前に模試をしっかり分析しましょう。何ができていて、何ができていないのか。そもそもが「あきらめる」とは「明らかにみる」から来た言葉です。絶望の原因を明らかにして進みましょう。


テスト分析は他でちょこちょこ書いているのでここでは省略しますが、「志望校に出ないところなら、落としていてもOK」です。この期に及んで学び直す必要すらありません。
その場合は、今日明日での解決は難しいのでね。
塾の先生と相談したその後は、親は頭使わず動くことです。母がぐるぐる考えていたところで子の成績は上がりません。
幸いなことにこの時期、文化祭、学校説明会シーズンと重なります。大集団に埋もれた成績のことは忘れ、第一志望は無論のこと、今まで見たことのない学校に出向くのも良いでしょう。
説明会は4年、5年のうちにたくさん行っておくもの、巷ではそう言われています。
一方で、母の直感が冴えるとすれば6年の直前期にほかなりません。
どこかで書いた気もしますが、4年生と6年生とでは子ども当人の趣味や趣向も変わっていたりもします。その辺りを踏まえつつ、4年で行った学校をもう一度見るのもよし。



豊富な学校情報はこの先心が折れそうな時の友となりますよ。「中学受験のお守りは説明会に行った数」です。
この期におよんで中だるみする小学生
もう一つの地獄(やや緩やかな地獄ですが)として、子のモチベーション問題に遭遇することもあります。要は、6年秋なのに中だるみするってこと。
「6年9月」と「中だるみ」、親からすると非常に相容れない気がしますが、実はわが子がそうでした。
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夏休み中、お友達とも遊ばずに極限まで勉強をし続けた彼ら彼女ら。しかし、全員が戦う小学生集団ですから成績は上がらない、どころか下がりもする。本人もがっくりです。
そこへ新学期、戦う小学生集団ばかりではない小学校へと行き、勉学以外の日常を再開します。
自分は見てないテレビの話で盛り上がったり、髪の伸びたクラスの女子が可愛くみえてドキドキする。運動会で応援団を務め、振り付けを覚えてないのに赤白応援合戦したりする。


「ああ、清廉」、思うかどうかは別としてある種の小学生らしさを取り戻すのですよ。
「6年9月から本番までのスケジュール」では珍しく先生らしかったのに、反動なのか、受験親の仇みたいな発言が多いですね。
けれど、ハンドレッドの言う通り、人として普通でしょう。9月に子が「ダラけモード」に突入しても焦る必要はありません。


それもこれも頑張った夏の反動。10月も11月もそのままダラダラなんてこともままありますが12月には帰還します。大丈夫、必ず子は帰還します。
もし、しなかったら?今年は冬眠しないハンドレッド先生が何とかしてくれますよ。
それも一理ありますね。勉強のやる気など普通の小学生は持ち合わせてはいません。「怠けモード」上等、そのまま勉強を始めましょう。
脳科学者の池谷裕二氏も言っていましたが、始めてしまえば脳はその気になるらしいですからね。
苦手克服は6年10月がリミット
でもって、この時期の家庭学習ですが。
想像はできるでしょうが、6年秋以降、フリーの土日祝日はほぼ失われます。
合不合などの公開模試は月単位となり、これにプラスで志望校別模試。はたまた朝から晩までの日曜特訓、志望校別講座。
たまの休みは過去問演習。加えて、秋は小学校の行事も多いのです。運動会、学芸会と準備や練習で帰宅が遅くなることもあります。
はたして、苦手克服はいつやるのか?
ハンドレッドにそれを言われた記憶はないですよ。それが中学受験の黄金則だとして苦手とは夏休みをかけても克服できないからこその苦手なのです。
この期に及んで、苦手単元がブラブラ、ブラ下がっている小学六年生はおそらくたくさんいることでしょう。


幸いなのは秋以降は塾の宿題が少なくなること。
その空きを苦手単元にあてましょう。あてられなければ未来はないですよ。
ただし、全部やろうとしてもダメ。苦手がブラブラたくさんあるなら、2つ、3つをチョイスしましょう。その他はどうするのか。とりあえず、あきらめましょう。
全部やろうとすると中途半端になりますよ。ここでも苦手を「明らかに」すればよい話です。
選別は第一志望の過去問が基準です。
「過去問に出そうで子が苦手なところ」です。
過去問を分析できていない?? 大丈夫、あなただけではありません。子の苦手単元を書き連ね、塾の先生に提出してください。「〇〇校の入試対策で優先すべきはどれですか?」、そう聞いてみましょう。


なお、苦手に時間をかけるのは10月までと考えてください。「これが本当に最後の最後の最後!」くらいの意識で取り組みましょうね。
11月からは得意科目を強化します。極端に苦手とする子は別として暗記に本腰を入れるのも11月以降で結構です。
最後の最後といいましたが、字義通りに受け取り過ぎってものです。
わが子の場合、夏に100時間やっても理科が苦手でした。そこで、9月10月は化学の計算と力学を交互にやりました。
暗記の社会も9月にまったくやらないというわけではないですよ。塾で確認テストがあったりしますからね。当時は理科7、社会3くらいでしたでしょうか。
この比率が11月以降に逆転します。11月、12月、1月も理科の問題はもちろん解きましたが、出来ないものを深追いするのはあきらめました。ですから、11月以降は出来ているものを時々繰り返し、忘却を予防する時期ということですね。
一、夏の成果が秋に出ずとも大丈夫、2月に出ればよいと心得よ
二、学校説明会、直前期ならのインスパイアはきっとある
三、9月なのに中だるみ、小学生ならごく普通
四、苦手克服、10月中に絞り込んで食らい尽くせ









