こんにちは。中学受験100%ウカルログ管理人ことハンドレッドの友ですよ。
本日は中学受験初心者編、「中学受験を考えている」「まもなく塾通いが始まる」人たちに向け、お送りします。
おっしゃる通りのハンドレッド。
私は中学受験をやってよかったと思っている組です。でなければ、こんなブログ書いてませんね。
そうだとしても中学受験初心者だった私は、当時「一日中塾? いやいや、それはやり過ぎでしょ!」とか「小学生が家族で夕飯取れないなんてありえん!」とか「冬期講習で20万か……(泣)」みたいな状態には何度も陥りました。
けれど、いつしか慣れるのですね。
人間は慣れるのです。世間から見る「中学受験の非常識」もどっぷりつかれば慣れるものです。
どっぷりつかって慣れきってしまったわたくしが、今回ばかりは初心を思い出し、中学受験や塾のシステムにケチつけてみることにします。
塾だけで200万強?さらりと語りやがる中学受験
当然のことながら中学受験はお金が掛かります。塾は高いです。
類似の記事があるため詳しくは触れませんが通塾3年で200万~250万円は掛かった気がしますね。大手だろうと、地域密着型の小さな塾だろうと、そこまで変わりはありません。
さらりと語りやがる、とあなたは思っているかもしれませんが、私とて地方の公立出の人間です。
初めてそれを知った日には、なんとなく悪かった「中学受験イメージ」がますます悪くなりました。中身がよくわからない分、ボッタクリでは?くらいの妄想だって走りました。
私立塾の中でも、市進学院と啓明舎あたりはもう少し安かったと思いますが、とはいっても「公文行くもん」みたいな感覚で始められるような金額ではありません。
こちらの記事に書きましたが、考えていた時期もありますよ。行くにしても通塾期間はできるだけ短くしたい、とかね。
振り返るに、うちの場合は親塾で偏差値60はムリでした。
親自身が「中学受験塾関係者である」とか「時間があり、圧倒的なストイックさを貫ける」タイプでない限り、相当な困難が予測されると思います。
逆に「二科受験」であったり、「偏差値50」狙いなら穴場かもしれませんが。
というのも、進学塾は構造上「偏差値50」が目標ではないからです。カリキュラムは「最難関合格」を目標にして進みます。
要は「偏差値50」を目指す子にはムダな課題が生じがち、ということ。入試で出ないような応用や発展問題までやる羽目になったりね。それで、逆に基本がおろそかになったりね。
ならば、親塾でコツコツやった方が子どもの負担も少ない場合がある。
まぁまぁ。
こんなこと言いますと怒られそうですが、中学受験は一種、夢を与える産業です。ほとんどの親子は「より上位へ」、口にはせずとも「あわよくば最難関」を志し、中学受験をスタートするわけです。
で、1年経ち、2年経ち、ややあって現実を知るわけです。たまに絶望、たまに地獄だったりね。われわれのようにですね。
多くの子どもたちが結局のところは「最難関に行けない」にしても、最初から「最難関には行けない塾」にはあまり行く気はしないでしょう。そっちの方が損した気分になりそうでしょう。
ユーザー心理を考えますと、システム的にはむべなるかな、という気もしますね。
ちなみに、本格的な親塾とまではいかなくても、塾で成績を上げたいなら「親塾ミニミニ」くらいのスタンスはあった方がよさそうです。
やらなくていい課題を適宜カットしたりね、子の苦手を見極めたりですね。塾のカリキュラムを子に合わせて調整するのが大事です。
わかります。その気持ちはわかりますよ。
かくいう、うちでは子どもの「通いたい!」に押され、4年になる前にあっさり通塾を決断してしまったわけですが。
小学生なのに一緒に夕飯を食べられません
さて、実際に通塾を始めてみると、意外にすんなり日常に溶け込みました。
思った以上の「成績の上がらなさ」はともかく、4年生までは「これぞ、悪しき中学受験」みたいなものがまだ少なかったわけです。
「小学生なのに可哀想」に紐づく「勉強時間の長さ」やら「帰宅時間の遅さ」やら「夏休みも冬休みもずっーと講習みたいな生活」やら。
「これぞ!悪しき中学受験」は5年生で一斉にスタートしました。
特に折り合いがつけられなかったのが「帰宅時間の遅さ」です。4年生までは授業時間も短いため、夕食は自宅でとることができました。
が、5年生になるとお弁当休憩が入り、授業終わりが9時に近かったり。6年ともなれば、帰宅は常時10時を過ぎたり。
これに関するエクスキューズは浮かびませんでした。
「それはイカンだろう!」 私の中の昔かたぎが叫びます。
夕飯が取れる時刻に授業が終わる市進学院のパンフレットを取り寄せたのは5年の始めだったでしょうか。結局、転塾を考える前にその状態に慣れてしまったわけですが。
当の子どもの方は塾弁タイムを楽しみにしていたのですね。
夜、親抜きで友達とご飯を食べる。小学生はその非日常感にワクワクするようでした。
通塾すると時々聞くようになりますが「塾、楽しい」という子どもは意外に多いです。そして、この非日常感が「塾、楽しい」の正体だったりします。
なお、最難関御用達のサピックスは「お弁当不要の塾」としてワーキングマザーにも人気ですが、夕飯時刻までに終わるわけではありません。
休憩時間がなく、要は「お弁当を食べる時間がない」。子どもたちが空腹をガマンするというだけの話。
「なんと過酷な!」
聞いた当初は思ったのですが、通塾生によると、それもやがては慣れるそうです。その分は早く終わるし、むしろ「合理的でいいのでは?」みたいな声も聞きました。
さまざまな塾に通うママ友と話しましたが、不平不満はあれど2年も3年も通ってしまえば塾への愛情も育つようで。ですから、ママ友の子が通う塾の悪口を決して言ってはなりませんよ。
個人的な感想をいえば、中学受験の成功率は塾愛に比例する気もします。
1日8時間勉強?ウソだと思えば本当でした
冒頭で費用の高さにボッタクリでは?などと書いた私ですが、これは訂正します。オプション授業を次々取らせるような塾はまた別問題ですが、時間数にするとそこまで高くはないのです。
仮に月4回、1回1時間の加圧トレーニングに通ったとします。たとえが悪いですね。英語教室にしましょうか。どちらにせよ、月1万くらいはするでしょう。
ひるがえって中学受験塾、6年になると週4回とか5回とか。短い時でも3時間とか。
日曜日などは朝8時に始まり夜9時に終わったりね。
季節講習だけで100時間近かったりね。
時間数で割ってしまえば習い事としては、適正価格か、むしろ安いくらいなのです。
一方で、これこそが中学受験最大のデメリット!!
拘束時間が長すぎるのです。ことに6年生になると、他の生活すべてが犠牲になります。
習い事もやめ、旅行もなし、テレビは見れない、友達と遊ぶのもガマン。塾にがっつり囲われている上に、たまの塾休みは家庭で1日8時間も勉強してみたり。
気休めは小学校です。多くの受験生の現実ですね。
それがノーマルな反応だと思いますよ。
私自身、入塾以前にそうした話はなんとなく聞いていました。聞いてはいましたが、経験のない自分には信じがたい世界でしてね。
デマとは言いませんが大げさに言ってるだけだろう、くらいに思っていたわけですよ。
たまたま夏休みのたった1日、たまたま8時間やったのをエラソーに吹聴してるだけだろうとかね。そういう小学男子はいかにもいそうです。
あるいは「うちの塾だけは違うのではないか」とかね。でなければ「ただ単にその子の要領が悪いだけでは?」とかね。
当たらずとも遠からずのハンドレッド。
しかしながら。
1日勉強8時間説はデマでもないし、大げさでもありませんでした。
自分の周囲を見回すと、そこまでのガツガツ感を感じなかったのは「チャレンジ圏なし、偏差値80とか出すような一部の天才」と、「偏差値40前後までの学校を目指す小学生」くらいなもの。
知る限りではその両者とも比較的自由な小6生活を送っているように見えましたね。
一方、それなりの難関校を目指す子どもたちは6年夏以降、土日祝など学校休みの日の「1日8時間勉強」はデフォルトになります。
当然のようにさらっと書いてやがる、あなたはまたも思うかもしれませんが、中学受験初心者でも3年間どっぷり浸かるとこうなるということ。
久々に過去記事を読み返すと悪文が鼻につきますが、内容はここで書いた通りですね。4年、5年と塾に通っていれば、6年時には1日8時間の集中力は自然と身につくようです。
これこそが塾の力です。
とはいえど、塾に通うだけでは成績は上がりません
おっしゃる通りのハンドレッド。
普通の小学生を1日8時間勉強させるスキルは中学受験塾ならでは。しかし、ここで誤解してはいけません。「塾に通えば自動的に成績が上がる」というのは幻想です。
気持ちはわかります。
けれど、塾は「小学校では習わない中学受験の勉強を教えるところ」です。小学校だって通うだけでは成績は上がりません。
授業中に九九をすっかり覚えてしまうような子はさておき、成績優良児の影にはたいてい熱心な親がいるものです。
それと同じで、抜きん出るためには家庭学習の程度が大切。
親が見るか、個別に通うか、家庭教師をつけるか、なんとしてでも子どもにやらせるか。方法は一つではありませんが、成績を上げるのは思った以上に大変でした。
つまりは、親にも覚悟が必要です。この先は少々、私情が入りますよ。
偏差値60を取るのは思った以上に難しい
例えば、偏差値60というポジション。
「最難関は難しくても頑張れば届くのでは?」そう思わせる何かがこの数値にはありますね。
中学受験の偏差値60はざっくり言えば、高校受験の偏差値70程度。その難度を頭でわかっているつもりでも実はわかっていないのが中学受験初心者。つまり、かつての私ですね。
塾に通うお子さんの多くは小学校の成績優秀者たちです。「小学校の成績と中学受験は関係がない」頭ではわかってはいても、実はわかっていないのが中学受験初心者。つまり、かつての私ですね。
親というもの、子どもの学校成績のその先、その奥にある、秘めたる才能を見出しがちです。
うちの場合、1年近く何も起こりませんでした。
そもそも秘めたる才能なんてなかったのです。
難関中学に行くような子どもの多くは入塾後、半年以内に頭角を現します。全員とはいいませんが、4年生の席次を6年時まで持ち越すタイプは多いです。
残りは「算国は良いけれど、理社がパッとしないタイプ」。こういう子どもたちが、6年になる前に急に滑り込んできて席次に影響を与えましょう。
せめて後者狙いで行きたいところでしたが、肝心の算数がやってもやってもパッとしない、そんな時期が久しく続きました。
「偏差値60は取る!」つもりで入って来たのにやってもやっても「平均そこそこ」。
その現実ときやなんとも。ああ、なんとも。
切ないですよ。
「やっているのに、できない」。私はこの状態が大嫌いです。仕事であったり、スポーツであったり、その他もろもろ必ずしも努力と成果が比例しない分野はありますね。
けれど、勉強です。勉強というのは「やれば、できる」。それが定義くらいの認識でした。が、その論理を持ち込むと中学受験は瓦解します。
切ないことに、塾講師の多くも同じ考え(=「やれば、できる」)を持っていたこと。
親「図形の移動ができません」
先生「できるようになるまで、繰り返しましょう」
親「既に繰り返しているのですが」
先生「もっと繰り返しましょう」
こうした会話は今の今も塾と親との間で繰り返されていることでしょう。先生としてはこう言うほかはないのかもしれません。
できない原因の圧倒多数は練習不足ですからね。
一方で、小学生における「やっているのに、できない」現象は珍しくありません。
この年頃の「やっても、できない」には何か脳科学的に解明されていない秘密があるような気すらします。
これから中学受験のお子さんを持つあなた。
あなたも近いうち、同じ目に遭うと思いますよ。
ともあれ、「自分で勉強して成績を上げること」と「勉強する子どものサポートをして成績を上げること」は似て非なるものです。
その後に続く「子の出来なさ加減のイライラ」をどう乗り越えていくのか。どちらも精神力が鍛えられそうです。
おっしゃる通りのハンドレッド。
中学受験にケチつけるはずが、後半愚痴に走ってしまいましたがそうした「モヤモヤ」を含んでこその中学受験。
たった3年間とはいえ、親子の生活を大きく変えます。日々のスケジュールを変え、家計を変え、精神状態を変えます。常識を変え、価値観を変え、頭の中を変えます。
特に初めての中学受験であれば、思う以上に変化は大きいでしょう。「中学受験をやるべきか、やらざるべきか」、今の今、そう思っている方たちはどうかじっくり吟味してください。
長くなりましたので、次回に持ち越しますよ。「中学受験をやるべきか、やらざるべきか」迷っている人は決断をもう少し伸ばしましょうね。